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- / ISBN・EAN: 4932487026005
感想・レビュー・書評
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チョット複雑気持ちにさせられる。でも、私には距離をおきたかった心の刺激で、動揺をおぼえた。
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中国で公式の映画製作を禁じられたロウ・イエ監督渾身の最新作
監督曰く
「この映画は、純粋なラブストーリーです。
日常に生活する人と人の間に起きる心の衝動を描きました」
登場するのは、妻、夫の恋人、夫の恋人、妻が雇った探偵、探偵の恋人。妻以外の彼らはちょっと社会からはみ出していて、そこはかとなく心の陰りがある。そんな彼らは打算なく、必要な人のところに飛び込んでいく
彼らには、生きているとどうしても「誰か」が必要な瞬間があって・・・
恋、愛、友情、憧れ、欲望、憐憫?
なんだかわからないけれど「その人」が必要な瞬間があって・・・
その「衝動」に従わざるをえないのです
瞬間、幸福で切ない
アンニュイな音楽と家庭用デジタルカメラで撮った映像が脚本にぴったり -
恋愛の群像。
ここにはシステムに侵されていない自由がある。 -
春風沈酔的晩上
2009年 香港+フランス+中国 115分
監督:ロウ・イエ
出演:チン・ハオ/チェン・スーチョン/タン・ジュオ/ウー・ウェイ/ジャン・ジャーチー
https://www.uplink.co.jp/springfever/
密会し、愛を交わしている二人の男性、ワン・ピン(ウー・ウェイ)とジャン・チョン(チン・ハオ)。しかし二人を尾行している男がいる。彼は既婚者であるワン・ピンの妻リン・シュエ(ジャン・ジャーチー)が夫の浮気を疑い雇った探偵のハイタオ(タン・ジュオ)。そうとも知らずワン・ピンは、ジャン・チョンとの逢引きをやりやすくするために、友人として彼を妻に紹介する。しかしついにブチキレた妻は夫を問い詰め、さらにジャン・チョンの働く旅行代理店に乗り込み彼を罵倒する。ジャン・チョンは別れを決意するが、ワン・ピンのほうは彼を思いきれない。
一方で、彼らを尾行していた探偵ハイタオは、リー・ジン(タン・チュオ)というガールフレンドがいるにも関わらず、ジャン・チョンに惹かれてゆき、彼に接近する。二人はいつしか恋人となるが、ハイタオはリー・ジンのことも捨てられない。リー・ジンはリー・ジンで、職場の工場長の愛人になっていたり、そのかつての部下とも寝たりしているが虚しさを感じている。ハイタオは、ジャン・チョンとの旅行に、二人の関係を知らないリー・ジンも誘うが、旅の途中でリー・ジンは二人の関係に気づいてしまい…。
なんとも複雑な男女五人の群像劇。序盤は、妻帯者でありながらバイセクシャル(もしかして本質は男性のほうが好きだったのかも)のワン・ピンが気の毒な反面、奥さんにしたらそりゃ相手が男だろうが女だろうが浮気は腹立たしいのは当たり前だし、どうしたもんだかなあという感じだったのが、まさかの探偵まで三角関係に乱入という意外な展開にびっくり。ジャン・チェンにしたら、せっかくワン・ビンを思い切ったのに、またしてもバイの男に二股されてる状況となり、これはこれでとても気の毒というかなんというか。
後半、三人で旅に出てから、男二人の関係に気づいてしまいショックを受けるリー・ジンを、まず慰めにくるのが二股男のハイタオではなくジャン・チョンなのが切ない。二人はつかのま心を繋ぐ。このままゆるめの三角関係が続けば幸せだったのかもしれないけれど、そうそう上手くゆくわけはなく…。
作中で、ワン・ピンとジャン・チョンが逢引き時に朗読している中国の作家 郁達夫(ユイ・ダーフ)の『春風沈酔の夜』の一節が切ない(映画の原題「春風沈酔的晩上」はこれですね、原作というわけではないですが)最終的に誰もハッピーになれず、全員が孤独なまま。愛はどこにもないのか。あったとしても永遠ではないだけなのか。すべてが儚くて、虚しい。
余談ながら、邦画以外で役者さんの顔を覚えるために勝手に誰に似てるかを当てはめてしまうのですが、ジャン・チョン(チン・ハオ)はイケメンになったサバンナの八木さん、ハイタオ(タン・ジュオ)はエレカシ宮本さんとイノッチを足して割った感じ、リン・シュエ(ジャン・ジャーチー)はともさかりえ、リー・ジン(タン・チュオ)は堀北真希に前田敦子を足した感じでした(笑) -
言葉で喋ることが無粋に思える映画。
ビタースイートな夢を一瞬だけみさせる。 -
愛とはなにか、と聞かれたらこれを差し出すかもしれない。
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恋愛映画というよりも、今の中国の社会的な揺れ具合が描かれている作品。自分を受け入れてはいるものの、自分を持て余している。荒い映像は、アイデンティティが揺らいでいて、よく世界が見えていない危なっかしさ。いきなり開かれた現状。
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ちょっと暗い。実際に映画の色調も暗いし、リアリティもないけど、なんか入り込んでしまった。
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村上春樹やつかこうへいはこの社会の雰囲気を書いてるんだなという作品。今、中国は村上・つかの作品でずっと描かれる成長と解放の時代。変化の時には、波打ち際ではいつも熱気と狂気と絶望が渦巻いている