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- / ISBN・EAN: 4522178008672
感想・レビュー・書評
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阪神淡路大震災を経験した子どものその後を描いた作品。元々はNHKで放送されたドラマで、神戸で震災を経験した森山未來と佐藤江梨子が主演している。
毎年1/17に神戸の東遊園地というところで追悼の集いが行われているらしく、震災から15年後の1/16の夜、偶然出会った二人が神戸の街を歩きながら、それぞれの震災の記憶を語り合う。語り合うだけで何もドラマチックなことは起きないが、佐藤江梨子演じる美夏が亡くなった親友のお父さんを訪ねるシーンは一つのピークとなっている。親友のお父さんが住むマンションから出てきた美夏が振り返ると、そのお父さんは寂しそうに、嬉しそうにベランダから手を振っていた。
夜が明けて美夏は東遊園地の追悼の集いに向かうが、森山未來演じる勇治はまだ心の整理がつかず、追悼の集いには向かえなかった。だけどきっと何年後かに東遊園地でまた美夏と再会するだろう。美夏が向かった追悼の集いの映像は、実際の映像が使われている。震災を経験した二人を起用するなど、フィクションでありながら実話を見ているような気にもさせられる。
NHKらしく抑制の効いた静かな演出がよい。演出・監督の井上剛さん(高校の先輩のよう)と音楽の大友良英さんは、後にNHKの朝ドラ「あまちゃん」―この作品でも一部震災を描いている―でも一緒に仕事をすることとなる。テイストはかなり違うが、後の仕事の萌芽と言える作品かもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
阪神淡路大震災を子供の頃に体験した男女が、追悼のつどいが行われる前日に神戸で偶然知り合う…
東日本大震災に重ねつつ観てしまった。
被害に遭った人たちだけが被害者じゃなくて,みんな心に傷を持っている。 -
子どもの頃、リアルタイムでニュースは見たけれど、311のようにちゃんと知ろうとしたことは、そういえば無かったな。ただの映画としても素晴らしい出来だ。ドラマを再編集したんだっけ?たまーーに、ものっすっごい良いドラマや映画を作るよね。どこかは知らないけど。
主演のふたりの別の作品も見てみたいな。 -
「人は喪の途上において創造的であり得る」。
観終えて、どこかで読んだ本の言葉を思い出した。
ストーリーは阪神淡路大震災から15年目の朝を迎えるまでの一夜の話。若い男女が神戸の街を歩きながら震災の記憶を語り合う。
演じるのは森山未來と佐藤江梨子。実際、2人は子どものとき震災に遭ったという。実体験が織り交ざっているのか分からない。
が、演技を超えて夜の神戸の街を歩く男女の姿と語り合う被災の記憶が生々しい。
歩く2人に寄り添うカットと手ブレのカメラワーク。観ているとまるで一緒に神戸の街を歩いているようだった。同じ空間と時間を共有しているような錯覚に陥る。
震災そのものではなく震災をめぐる記憶を男女が深夜の神戸を歩きながら語り合う。それを通して喪失から生じた心の空白を埋めていく。この喪の作業が丁寧に描かれている。ここに胸を打たれた。 -
震災、といっても
阪神淡路大震災。
幼かった僕には、かすかな記憶しかない。
でも忘れてはいけない。
自然はいつだって、様々な感情を
僕達に教えてくれることを。 -
辛くなったら、工夫する。という言葉が印象的でした。あれからもうすぐ20年。
森山未來、佐藤江梨子しか出てこない。自然すぎる演技で、ほんとにこのような境遇だった人もいるんだろうなぁ。
阪神大震災に関する映画は初めて見たかも。 -
ドキュメンタリーみたいな映画。
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静かに泣いた。森山未來と佐藤江梨子の、演技に見えない演技がとても良かった。
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この上ない