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- / ISBN・EAN: 4988102050160
感想・レビュー・書評
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いきぐるしい作品でした。ヨーロッパのくらいたたずまいも、いたたまれなくなるような雰囲気でした。
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スピルバーグ監督の所謂古典的名作映画。
クラクフが舞台でポーランド人やドイツ人が出ているのに、なんでドイツ語でもポーランド語でもなく英語なのかよくわかりませんでした。当時の映画はそういうものなのかもしれませんが。
快楽主義の実業家、ナチス党員のオスカー・シンドラーは多くのユダヤ人が職や財産を失い苦しむ中で、ナチスの将校たちに取り込み、彼らを安価な労働力として工場に雇用し、利益を上げる。
ユダヤ人の優秀な経理係シュターンの計らいもあり、ナチスの手にかかる間際の弱者も工場労働者として職を与えることになり、多くのユダヤ人を期せずして救う。
クラクフに残虐な将校アーモンが赴任、凄惨なゲットー解体の光景の中、彷徨う赤い服の少女に目を止めるシンドラー。
アーモンとは密な関係を築き、バカ騒ぎをしながらも、少しずつ意識が変わっていくシンドラー。
工場の労働者たちはユダヤ人でも”貴重な熟練工”として守り、絶滅収容所に運ばれるユダヤ人たちが輸送車内で暑さに苦しめばユ水をかけ、誕生日を祝った雇用するユダヤ人女性にキスをする。
クラクフの強制収容所が閉鎖されることになり、チェコへ帰ることに。そこで彼は、多くの財産の代わりに”軍需工場建設”の名目で、多くのユダヤ人をチェコに連れていく。
手違いでアウシュビッツに送られた女性たちが殺菌室に入り服を脱がされるシーンはかなり鳥肌が立つ。暗くなった瞬間の、ガス室かと思った恐怖が観客にも伝わる、凄まじいシーン。
終戦の日、シンドラーが救った1100人を目にし、救えなかったもっと多くの人を思い起こし、車や金のバッジを持つ己を嘆く。
名作なのは間違いない。もっと早く観るべきだったとも思います。3時間強という長さと、重苦しい映像のしんどさもあって、観るのもしんどいですが、見る価値はありました。 -
恐竜が人を襲う映画とは違い、本作では人が人を襲い、そして助ける。
『シンドラーのリスト』を知った頃それをSteven Spielbergが監督したと聞いて妙な新鮮さを感じた。
”Clash of Titan”(2010)のZeus父さんで知ったLiam NeesonのSchindler。
一か八かの危険な賭けをカードゲームのように楽しむあたりがとても上手かった。
製作前、Bruno GanzがSchindler役として候補に挙がっていたという。
『ヒトラー最後の12日間』(2004)で一躍有名になった彼のSchindlerもいっぺん観てみたい。
視界に入っただけで殺される狂気の世界。
生存者の証言に基づく場面が映画のいたるところに散りばめられていたのも注目すべきポイント。
アウシュビッツに誤送される場面は恐怖から泣いてしまった。
支配される側(ユダヤ人)を救ったのは支配する側(ナチ党員)の人間だったのが意外。
しかもその行為は善意からではなく自らのビジネスを成功させるため。
映画では最終的に善意を見せたが「手段はどうであれ結局救われたんだから良いじゃないか」と言わんばかりに美化しているのが気になった。
場面ごとに変わる仕立ての良いスーツ達。
収容所の所長や独兵を敵に回さない独特の手法。
独兵と工員を前にした堂々たるスピーチ。
美化されつつも、端々から伺える手際の良さがあったからこそ彼らは救われ命が続いた。それだけは紛れもない事実。 -
ナチス関連に関心がある人は買うべき作品
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スピールバーグ監督が初めてオスカーを獲った作品。
第二世界大戦時にユダヤ人を救った実業家オスカーシンドラーの姿を描いた真実の物語。
印象に残ったセリフ。
オスカーが、簡単にユダヤ人を殺す強制収容所長について語ったシーン。
「戦争は常に人間の最悪な部分を引き出す。
平和な時ならあいつも普通の男だ。」
普通の人間を殺戮マシーンに変えてしまうのが戦争。
日本を戦争する方向へ導いている政府、そしてその支持者にまず見てほしい。 -
ただ撃ち殺すだけなら誰にでもできるさ。
力とは殺したって構わないような人間を許す事だ。
本当に力のあるものは
弱者に対して残虐にも寛大にもなれる。
なぜなら彼にとって恐るに足りない相手だからだ。 -
ドイツの実業家による、ユダヤ人救出の事実の物語で約4時間の大作。しかし決して引き伸ばしているものではなく、この物語を描く上で必要な長さだと思う。 撮影技法、音楽、演技など全てが良い。ホロコースト下でのシンドラーの心境の変化、アーモン・ゲートの性格、そしてユダヤ人一人一人がしっかりと描かれている。
これが現実で本当に起こっていたということ、しかしその中でこのようなエピソードがあったことを知れてよかった。全てが終わった後のシーンは非常に胸に染みた。