一命 スタンダード・エディション [DVD]

監督 : 三池崇史 
出演 : 市川海老蔵  瑛太  役所広司  満島ひかり 
  • アミューズソフトエンタテインメント
3.25
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本棚登録 : 232
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427653221

感想・レビュー・書評

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  • 井伊の屋敷に浪人が切腹をさせてくれとやってくるお話です。しかし、この家の家老が浪人に以前訪れた「狂言切腹」の浪人の話をし思いとどまるよう説得しますが・・・。
    戦国時代が終わった後の徳川統治時代が背景にあり、武士というものの見方や武士のいる社会の変化の時代を主人公の浪人を通して描かれていて見ごたえのある作品だったと思いました。
    海老蔵さんが主人公の浪人役ですが、やはり着物を着た所作、動きが自然な感じがして、演技も迫力があって、場面によってはひきつけられました。三池監督の作品であるということも、より海老蔵さんの演技の良さを引き立たせているのかもしれません。

  • いやー、海老蔵、下手。「切腹」のときの中代達矢も30になるかならずだったんだから、この役やってもいいんだろうけどさ、中代達矢の不気味な風格はかけらもない。中代には内に秘めた悲しみ苦しみを抑え込んだ不敵なあやしさが感じられ、だからこそ、中庭での告白が生きるのだけど、海老蔵はちょいものがなしい人、ただそれだけ、って感じ。雰囲気に周囲が怖気づくような気迫もなし。だいたカラーというだけでも厭なのに、竹光切腹のシーンが長すぎ。「切腹」では丹波哲郎演じる彦九郎が残忍な一面があるにせよ立派な侍として描かれているのに、この彦九郎は残忍なだけ。その分役所広司のキャラクターを書きこんだんだろうけど、たいして成功していない。だいたい竹光しか持ってない男に真剣を持ってる男たちが斬りかからず待ってるシーンが多すぎ。そこで海老蔵が歌舞伎ばりに見得を切るっていう。「ほれ、さっさと斬り捨てろよ」と声かけたくなったよ、何度も。美術はホラーかっていうくらいおどろおどろしいし、坂本龍一の音楽はジムノペディもどきだし、ほんとうんざり。

  • 1962年の『切腹』と比較している人がおおいので、そうすることにする。

    まず、名作のリメイクに挑戦した、三池崇史監督に惜しみない敬意と拍手を贈りたい。

    さて、旧作が優れていると書かれている人が多いが、何をもって優れた映画というのかとう視点において評価は大きく変わるだろうが、少なくとも「武士の面目」に対するアンチテーゼは、明らかに、『一命』が勝るように思われる。

    「武士の面目」に対するアンチテーゼの代弁者は、津雲半四郎であるのだが、『切腹』は、津雲半四郎(仲代達矢)と斎藤勘解由(三國連太郎)の心理戦がスリリング見栄えのある傑作ではあるものの、相互に言い分があり、筋が通り弁舌が揺るがない故に、観客は、勘解由の言葉にも「それは違う」と言いづらく、また、あからさまな憎まれ役も登場しないから、半四郎に感情移入しづらくテーマが伝わりづらい。

    その上、半四郎が井伊藩士を相手に大立ち回りし、何人も斬り捨てたあげくに自害というハイライトは、この映画を優れた仇討劇にしてしまっている。

    仇討ち劇ならばこの終わり方もありだろうが、「武士の面目とは所詮、ひと目を飾るだけのもの」という皮肉は伝わりにくい。

    対して『一命』は、半四郎サイドはとことん悲惨に描かれ、井伊家サイドは揺れたり、憎たらしく描かれてたりで、半四郎に感情移入しやすい。

    たとえば、

    『切腹』の斎藤勧解由(三國連太郎)は心は微動しない
    『一命』の斎藤勧解由(役所広司)は心が揺れる

    『切腹』の沢潟彦九郎(丹波哲郎)は恥を知るクールな武士
    『一命』の沢潟彦九郎(青木崇高)は情けしらずの外道

    と、キャラがわかりやすい上に。

    『切腹』は抜刀シーンにウェイトが高い
    『一命』は家族の描写にウェイトが高い

    と、半四郎の家族をきちんと描いている。

    だからこそ、武士の魂(刀)を捨てらず、家族を守れなかった後悔で号泣するシーンが生きてくるのだ。

    中身のない鎧(武士の面目の象徴)をバラバラにして、「武士の面目とは所詮、ひと目を飾るだけのものでござろう」と言うシーンが生きてくるのだ。

    半四郎の死後、鎧は修繕され、それを見て「手入れをしてくれた」のかと聞く殿様に対して、「赤揃えは我らが誇りでありますゆえ」と答える勧解由。

    かくして、井伊家の武士の面目(ひと目)は保たれたという皮肉の効いたエンディングで終わる。

    武士の面目など、所詮中身がないつまらないものであるという皮肉は、『一命』のほうがきちんと伝わってくると思うのだが、いかがだろう。

  • Filmarks:3.4
    映画.com:3.5
    allcinema:6.4
    U-NEXT:4.0
    amazon:3.0

     再映画化とはいえ「切腹」とは細部が異なっている。求女を介錯したり3両を下賜したりと斎藤家老が温情的、福島家断絶の原因である無断の石垣修復を描いたり、美穂が自刃して果てたり、半四郎が竹光で戦ったり、沢潟彦九郎ら三人の切腹シーンがあったりする。全般に「切腹」より分かりやすくなっているが、主人公の凄みや武士道の冷徹さ表現は見劣りする。

  • あまりに切ない。

  • 武士の面目は、めんどう。

    そんなにやたらと腹を切らなくてもと思う。

  • 2011年カンヌ国際映画祭 [コンペティション部門]出品。
    作品としては、十分見ごたえがあり、考えさせられる映画だった。
    しかし時代劇の根本的背景である、階級社会、搾取、貧困、武士や男の美学的なものに内包する矛盾は、それがあるからこそドラマが成り立つのだけれども、何ともやるせない。

  • 武士の面目とはなんぞやということを問いかけると共に皮肉った作品だなと思う。

    ひたすらに陰鬱というか、半四郎のただ春を待っていたと言う通りひたすら耐え忍び春を待つことなく散っていってしまった…という印象。
    でもだからこそというか半四郎のギラギラした目とか他のキャラからも生々しさをすごい感じた。

    海老蔵の演技をみたのはこれがはじめてだけど演技の重厚さも良いし殺陣もキレがあってかっこいい。脇を固める出演陣の演技もさすが。

  • 武士の面目というものがいかにくだらないものかは、この映画をみて理解できるところではありますが、狂言切腹するほうもするほうだし、見せしめで見殺しにするほうもするほうだよなぁ。誰にも共感できない話ほどつまらないものはないな、と。

    それと、この映画の大きな難点として、海老蔵があだ討ちをするという結末は容易にわかるので、そこにいたるまでの彼らの日常生活の話が異様にだるかったな、と。

    それにしても、瑛太の竹光での割腹を延々と見されられたときは、あまりの悪趣味さに死ぬかと思いました。ホラーかよ! ショックムービーかよ! このインパクトに免じて星3つです。

  • なんだろう何かが足りない!!

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