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- / ISBN・EAN: 4527427653221
感想・レビュー・書評
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井伊の屋敷に浪人が切腹をさせてくれとやってくるお話です。しかし、この家の家老が浪人に以前訪れた「狂言切腹」の浪人の話をし思いとどまるよう説得しますが・・・。
戦国時代が終わった後の徳川統治時代が背景にあり、武士というものの見方や武士のいる社会の変化の時代を主人公の浪人を通して描かれていて見ごたえのある作品だったと思いました。
海老蔵さんが主人公の浪人役ですが、やはり着物を着た所作、動きが自然な感じがして、演技も迫力があって、場面によってはひきつけられました。三池監督の作品であるということも、より海老蔵さんの演技の良さを引き立たせているのかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いやー、海老蔵、下手。「切腹」のときの中代達矢も30になるかならずだったんだから、この役やってもいいんだろうけどさ、中代達矢の不気味な風格はかけらもない。中代には内に秘めた悲しみ苦しみを抑え込んだ不敵なあやしさが感じられ、だからこそ、中庭での告白が生きるのだけど、海老蔵はちょいものがなしい人、ただそれだけ、って感じ。雰囲気に周囲が怖気づくような気迫もなし。だいたカラーというだけでも厭なのに、竹光切腹のシーンが長すぎ。「切腹」では丹波哲郎演じる彦九郎が残忍な一面があるにせよ立派な侍として描かれているのに、この彦九郎は残忍なだけ。その分役所広司のキャラクターを書きこんだんだろうけど、たいして成功していない。だいたい竹光しか持ってない男に真剣を持ってる男たちが斬りかからず待ってるシーンが多すぎ。そこで海老蔵が歌舞伎ばりに見得を切るっていう。「ほれ、さっさと斬り捨てろよ」と声かけたくなったよ、何度も。美術はホラーかっていうくらいおどろおどろしいし、坂本龍一の音楽はジムノペディもどきだし、ほんとうんざり。
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あまりに切ない。
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武士の面目は、めんどう。
そんなにやたらと腹を切らなくてもと思う。 -
2011年カンヌ国際映画祭 [コンペティション部門]出品。
作品としては、十分見ごたえがあり、考えさせられる映画だった。
しかし時代劇の根本的背景である、階級社会、搾取、貧困、武士や男の美学的なものに内包する矛盾は、それがあるからこそドラマが成り立つのだけれども、何ともやるせない。 -
武士の面目というものがいかにくだらないものかは、この映画をみて理解できるところではありますが、狂言切腹するほうもするほうだし、見せしめで見殺しにするほうもするほうだよなぁ。誰にも共感できない話ほどつまらないものはないな、と。
それと、この映画の大きな難点として、海老蔵があだ討ちをするという結末は容易にわかるので、そこにいたるまでの彼らの日常生活の話が異様にだるかったな、と。
それにしても、瑛太の竹光での割腹を延々と見されられたときは、あまりの悪趣味さに死ぬかと思いました。ホラーかよ! ショックムービーかよ! このインパクトに免じて星3つです。