ロマンス小説というよりは、推理小説の色合いが濃いかも知れない。
キーガン刑事はかつて愛する女性を愛するがために、自ら身を引いた。だが、運命の悪戯で、二人はある捜査のために兄妹のふりをして同棲しなければならなくなる。
互いにまだ惹かれ合う二人が次第に引き寄せられていく過程、更に事件が解明に向けて進んでいく過程、二つのブロセスがこの物語を読みすすめていく読者に相乗効果の緊張感を与えてくれる。
特に良かったのはラストの数ページ。
エミリーが犯人の仕掛けた時限爆弾とともに吹き飛ばされてしまうかと心配するキーガン刑事とエミリーとのやりとりにハラハラしながら読んだ。
キーガンが心に抱えた葛藤を乗り越え、最後に二人の心がしっかりと結ばれたところはきっと見所だと思う。