会社のトップに就く為だけに、便宜結婚を町のウエイトレス(ネームプレートは別の従業員のものでヴェラ)に持ちかけたヒーローのジョシュアと、それに同意してしまったヒロイン(本名はジェシー)のお話。
七年もの間、妻にした女性と会ったのは、プロポーズした日の一度きりで、後は金銭面でしか繋がりを持ってこなかったヒーローは、ヒロインが自分の目の前に現われても気付かないどころか、口説き始めてしまいます。
なにが凄いって、籍を入れていながらもヒーローがヒロインの本名を知らなかったこととか、一度も一緒に公の場に出ていないのに結婚証明書だけで会社のトップの座が転がり込んできたこと。
後は、弁護士が勝手にヒロインの財産を(ヒロインの為に)運用してたことでしょうか。
冷静に考えると、ものすごーくありえない設定だけれど、それだけヒーローが、妻に関して無関心だったってことでしょうね。
さて、結婚から7年後の再会については、ジェシー側には、「子供が欲しい。」という思惑があります。
なかなかタイミングが合わず、ジョシュアと駆け引きをしているうちに、お互い惹かれあうようになってしまい、ジェシーは、彼の期間限定(1年間)の愛人になることに…。
どんどんヒロインに溺れていくヒーローが、微笑ましかったです。
ヒーローが、離婚と結婚を同時に考え、実行しようと四苦八苦している姿も、なかなか見ものでした。
ジョシュアからは、必要最小限のものしか受け取ろうとしないジェシーは、心の温かな素敵な女性で、魅力的に感じました。
ヒーローに関しては、人間不信が行き過ぎているというか、ちょっと微妙な印象は受けましたが、最後に心を入れ替えたのでヨシとします。
ここ最近読んだロマンス小説の中では、お気に入り作品の1つです。