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感想・レビュー・書評
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必要に迫られたので読んだ。
書いてあることは、すごーく真っ当なこと。
道徳の授業のような本。
65歳で仏門に入られたそうで、仏教の要素も強い。
私、道徳の授業大嫌いだったなぁと思い出しながら、途中ちょっと息苦しさを感じながら、なんとか読了。
人として正しいことをすること、真面目に謙虚に一生懸命に働くこと、利他の心、足るを知ること。
自分でも心がけていることなのに、ここまでキッパリと「こう生きるべき!」と言われると、息苦しくなる。
心がけてはいるけれど、実際にはきちんとできていないから、できていない自分を責められているように感じるんだろうか?
でも、だからと言って、稲盛和夫氏の言葉をきっかけに、じゃあもっとちゃんとできるようにしよう!とは思わなかった。
こういうこと(道徳的なこと)って人から言われてやるようなことじゃないんだな。
自分の経験から得た知識とか、自然と湧き出る思いとか、そういうものをしっかり内省して、自分自身が心の底から「こういう風に生きたい」と思うことが大事なんだろうな。
道徳の授業が嫌いだったのも、自分の心の中には悪い感情や利己的な考え、怠け心があることが分かっていたし、まだ経験の浅い子どもだったから、心の底から人として正しく生きたいなんて思わなかったし、ただ綺麗事を押し付けられてると感じていたからだと思う。
読了してみて、こういう生き方ができるのは正直、うらやましいと思う。
こういう生き方があるということを知識として知ることも、素晴らしいと思う。
ただ、鵜呑みにはせず、自分の生き方は自分でしっかり考えないといけないな、と思った。
稲盛和夫氏の本を読むように勧めてくる人の考え方を知りたくて読んだのだけど、1冊だけではちょっと理解しきれないので、『京セラフィロソフィー』も読んでみようと思う。 -
仕事においてどういう考え方が必要なのか?という内容から聖人君主のような考え方に発展して行くのがすごい…
そうか、稲盛先生はお坊さんになったんだったな…納得 -
人生が上手くいっていたり、仕事が順調で調子に乗ってしまいがちな時にこそ、読み直したい教訓書。筆者の主張は綺麗事にも感じるが、人生や仕事における原則であり、普遍的なことである。
混迷の時代だからこそ、自分の哲学、生き方を問い直そう。
・・・メモ・・・
人生・仕事の結果=考え方(哲学、人間として正しいか)x熱意x能力
考え方によって、アウトプットはプラスにもマイナスにもなり得る。
まず強くしっかりと願望する。
こうありたいと願うこと自体、それを現実にする力が潜在的に備わっている証拠。人間は素質や能力がないことを、あまりしたいとは思わないもの。
自分が成功した姿を思い描けるということは、その人にとって成功の確率がきわめて高い。
目をつぶって成功した姿を想像してみたとき、その姿がうまくイメージできるのなら、それはかならず実現し、成就するということ。
日々の反省は、心を磨くために忘れてはならない実践であり、素直な心の所産。我々はいくら謙虚であろうと努めても、つい知ったかぶりをしたり、偉そうに振る舞ってしまいがち。驕り、高ぶり、慢心、いたらなさ、過ち、そういう己の間違った言動に気づいたときは自ら反省の機会をもち、自分を律する規範のタガを締め直すことが大事。日々の反省を厭わないこと。
国家や民族によって文化に違いはある。しかしビジネスをやっていく上での哲学や、人生を生きていく上での基本原則は結局同じもの。仕事で成果を出すように努力すること、社会のために善きことをしたいと考えること。それらはどの文化であっても、どの宗教であっても真理であり、普遍的である。
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心を磨く大切さを改めて実感した。
一方で、自己犠牲ありきでの利他はなかなか現代で受け入れるには難しいとも感じた。
後半はスピリチュアル満点すぎて、
賢者でなきゃ受け入れられないのかなとも思った。 -
仏教を説きつつ、人として良いことをし続けなさいって本。
どんな時代でも、人として間違ったことをするなという教えに共感。
人生=考え方×熱意×能力
という考え方に納得した。掛け算なのがいい。 -
周りへの貢献、感謝、シンプルな指針・原理原則、足るを知ること、など当たり前のようで普段忘れがちな生き方について改めて気付かされる。そして、働くことこそがそれらを達成して人格を磨くことにつながるという考えは京セラの創業者らしいと言える
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ですから、「この世へ何をしにきたのか」と問われたら、私は迷いもてらいもなく、生まれたときより少しでもましな人間になる、すなわちわずかなりとも美しく崇高な魂をもって死んでいくためだと答えます。
(引用)生き方、著者:稲盛和夫、発行所:株式会社サンマーク出版、2004年、15-16
2022年(令和4年)8月24日、また一人、偉大な経営者が天国へと旅立たれた。「経営の神様」と呼ばれ、京セラ・第二電電(現・KDDI)を創業された稲盛和夫氏である。
30年ほど前、私は大学でマーケティングや経営学を学んだ。当時、経営者(創始者)といえば現パナソニックホールディングスの松下幸之助や本田技研工業の本田宗一郎であった。
私が稲盛氏を知るようになったのは就職してからのことであり、2004年当時、書店の店頭で「生き方(株式会社サンマーク出版)を見つけたからだと思う。すぐに私は、ベストセラーになっていた「生き方」を購入し、貪るように何度も読みふけった記憶がある。
なぜ、私は、稲盛氏の世界に惹き込まれていったのか。
それは、今までの経営書とは、明らかに一線を画すものであったからだ。
では、何が違ったのか。
稲盛流の経営とは、利益を追求することを主眼に置くのではなく、「人間として一番大切なこと」を説いてあったからだ。
つねに前向きで建設的であること。感謝の心を持つこと。善意に満ち、思いやりがあること。努力を惜しまないこと。
学校の道徳の授業を受けているかのような稲盛流の経営学は、「これが上手くいく経営の本質であったか」といったものであった。
その偉大な「経営の神様」の訃報に接し、私は、稲盛和夫氏の「生き方」を改めて拝読させていただくことにした。当時、私は何度も拝読させていただいたので、内容はほとんど頭に入っている。しかし、改めて読ませていただくと、新たな発見が多いことに気付かされた。
稲盛氏と同じく、私は日本の実業家・思想家の中村天風氏の書籍も多く拝読している。その稲盛氏も中村天風氏を尊敬しており、例えば稲盛氏は「有意注意」の大切さを説く。「有意注意」とは、目的を持って真剣に意識や神経を対象に集中させることである。
稲盛氏といえば、「一日、一日を『ど真剣』に生きなくてはならない」という言葉があまりにも有名だが、恐らく、その言葉は、中村天風氏の影響を受けていたのではないだろうか。
その中村天風氏も、「有意注意の人生でなければ意味がない」と言われている(本書、75)。このことは、後に稲盛氏が著した「京セラフィロソフィ(サンマーク出版、2014年、218)」にも触れられている。このことから、稲盛氏が「有意注意」について、いかにリーダーとして大切にしてきたかを窺い知ることができる。
それとあわせて、稲盛氏は、自分に起こるすべてのことは、自分の心が作り出しているという根本の原理を大切にされてきた。
利他の心、愛の心を持ち、一日一日をど真剣に生きていければ、宇宙の流れに乗って、すばらしい人生を送ることができるとも言われている。そのために、稲盛氏は、「よい思い」をすさまじく思うことの大切さを説く。「生き方」の中では、「ひたむきに、強く一筋に思うこと。(本書43)」というフレーズが登場する。このフレーズからも、稲盛氏が中村天風氏の影響を受けていることが理解できる。
「新しい計画の成就はただ不屈不撓(ふとう)の一心にあり。さらばひたむきにただ想え、気高く、強く、一筋に(中村天風)」
中村天風、そしてその遺志を引き継いだかのように稲盛氏は、生涯を通じて、利他の精神を持って、事業家としての生涯を貫き通した。そして、この二人の生き様は、経営の本質、そして人間にとっての哲学を証明してみせた。
その証明の一つとして、日本航空(JAL)の再建がある。2010年1月、日本航空は、2兆3,000億円という事業会社としては戦後最大の負債を抱えた。日本航空を再生させるべく、稲盛氏は日本航空の会長職に就任する。高齢であった稲盛氏がこの大役を引き受けたのは、日本航空が破綻すると日本経済への影響が大きいこと、残された社員が路頭に迷うのを防ぐためだと言われている。そして、ここでも稲盛氏の哲学を日本航空の社員に叩き込み、見事、2012年9月、日本航空は再上場を果たし、復活を遂げた。
なぜ、日本航空は短期間で再上場を果たすことができたのか。それは、京セラ、そして日本航空の経営理念から読み解くことができる。
(京セラの経営理念)
全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類社会の進歩発展に貢献する
(日本航空の経営理念)
JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、
一、お客さまに最高のサービスを提供します。
一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。
これらは、どの事業所にも共通する経営理念ではないだろうか。まず、その企業で働く従業員の幸福を追求する。そして、社会の進歩発展に寄与する。そこに、企業として一番大切な「利益を追求する」という言葉はない。人間として、正しい行動をしていれば、利益は後からついてくる。まさに、稲盛氏の経営に対する考え方、そして人間としての生き方が、さらには哲学が、この短い経営理念に集約されている。
稲盛氏は、本書の中で、人間としての生き方が死生観についても触れられている。稲盛氏は65歳を迎え、真の信仰を得るべく、得度をして仏門にも入られている。稲盛氏は、死について、「現世での死とはあくまでも、魂の新しい始まり(本書228)」と言われている。
本ブログの冒頭でも『死』についての言葉を引用したが、稲盛氏は、自分の魂を来世につなぐべく、利他の心を持ちながら、「いま」を真剣に生きてこられた。
2004年に刊行された「生き方」は、稲盛氏の遺書であり、今を生きる私たちへのメッセージでもある。今後の人生において、今度は私たちが稲盛氏の哲学を実践し、よりよい社会を築いていなかければならないと感じた。
私の尊敬する稲盛和夫氏のご冥福を、心よりお祈りいたします。 -
読もうと思った理由
貴重な経験から導かれる著者の生き方を知りたいと思ったから
気づき
・精進とは一生懸命働くこと、目前の仕事に脇目もふら
ず打ち込むことである。それが私たちの心を高め、人
格を錬磨するためにもっとも大事で一番有効な方法で
あると考える
・願望を成就につなげるためには、並みに思ったのでは
ダメで、すざまじく思うことが大切。漠然と「そうな
ればいいな」という生半可なレベルではなく、強烈な
願望として寝ても覚めても四六時中そのことを思い続
け考えに抜く。頭のてっぺんからつま先まで全身でそ
の思いでいっぱいにして、切れば血の代わりに「思
い」が流れる。それほどまでひたむきに強く一筋に思
うこと。そのことが物事を成就させる原動力となる
・「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行す
る」ことが物事を成就させ思いを現実に変えるのに必
要である
・どんなにちいさいことにも工夫の気持ちをもって取り
組んだ人とそうでない人とでは、長い目でみると驚く
ほどの差がついているものである。掃除の例でいえ
ば、毎日創意工夫を重ねた人は独立してビル掃除を請
け負う会社を設立し、その社長におさまっているか
も知れない
・現場や製品のほうから「こうしたらどうだ」という解
決のヒントをささやく神の声が聞こえてくることがあ
る。これを「製品の語り掛ける声に耳を傾ける」とい
う
・同じものを見聞きしてもある人は重要なヒントを得る
が、ある人はぼんやり見過ごしてしまう。その違いは
日ごろの「問題意識」である
・物事を単純化して本質を直截にとらえる「次元の高い
目」を持つべき。それは私心や利己、利害や執着を離
れた、公明正大で利他的な心によってもたらされるも
のである
例:十字路の平面交差でなく立体交差
・戦後の日本は第三等の聡明才弁型の人物をリーダーと
して多く登用してきた。才に長け、弁もたち、知に富
んだ実利実用型の人物が重用され、人格的な重みを有
する第一等の人物は軽視されないまでも、脇におかれ
てきた。組織の不祥事・社会に巣くう道徳的退廃もこ
のことが根幹にあると思われる
・会社だけ儲かればいいと考えるのではなく、取引先に
も利益を上げてもらいたい、さらには消費者や株主、
地域の利益にも貢献すべく経営を行う。また個人より
も家族、家族よりも地域、地域より社会、さらには国
や世界、地球や宇宙へと利他のこころを可能なかぎり
広げ高めていこうとすることが大事である
・これからの日本と日本人の生き方の根に据えるべき哲
学は「足るを知る」である。感謝と謙虚さをベースに
した他人を思いやる利他の行いである
・私たちの思ったこと、行ったことが糧となってその通
りの現実をもたらす。運命と因果律
・因果応報の法則のほうが運命より若干強い
・「心を高める」は財産、名誉、地位よりもはるかに尊
い
人としての生き方、考え方に圧倒されました。心が洗われた思いです。なんのために生きるか、日々の積み重ねの重要さ、強い思い、利他など心に留めておきたいです。 -
日本の独自性を考える際に、稲盛さんのような考え方も念頭に入れる必要があるのだろう。
ある意味、当たり前のこと(世の中の善悪の共通認識)をシンプルに言っている、と捉えることもできるが、それを完璧なまでに実行している人はとても少ない。
稲盛さんは完璧なまでにそれを実行しており、言葉に重み、説得力がある。(完璧というのは、全て成功している、という意味ではなく)
稲盛さんが中国で人気がある、というのも面白い。(汎アジアとして、儒学、仏教的な考え方を共感できるのだろう)
以下抜粋~
・試練を機会としてとらえることができる人ーそういう人こそ、限られた人生をほんとうに自分のものとして生きていけるのです。
・人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
考え方が三つの要素のなかではもっとも大事なもので、この考え方次第で人生は決まってしまうといっても過言ではありません。いわば心のあり方や生きる姿勢、哲学、理念や思想なども含む。また、大事なのはマイナスポイントがあること。
・心が呼ばないものが自分に近づいてくるはずがない。
まず思わなければ、かなうはずのこともかなわない。
・不可能を可能に変えるには、まず狂がつくほど強く思い、実現を信じて前向きに努力を重ねていくこと。
・楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
・事件の鍵はすべて現場にあります。現場には神が宿っているのです。
・人生も経営も原理原則はシンプルがいい。
・「思想の深遠なるは哲学者のごとく、心術の高尚正直なるは元禄武士のごとくにして、これに加うるに小俗吏の才をもってし、さらにこれに加うるに土百姓の身体をもってして、初めて実社会の大人たるべし」
福沢諭吉のいう深い思考と清廉な心は、私の人生哲学方式における「考え方」に相当する。
・「徳高き者には高い位を、功績多き者には報奨を」西郷隆盛
・6つの精進
①だれよりも負けない努力をする
②謙虚にて驕らず
③反省ある日々を送る
④生きていることに感謝する
⑤善行、利他行を積む
⑥感性的な悩みをしない
・三毒
①欲望、②愚痴、③怒り
・因果応報の法則
よいことをすれば良い結果が生じ、悪いことをすれば悪い結果が生まれる。