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作品紹介・あらすじ
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は-たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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読後感はすっきりー!ではないが、ふと考えたくなる話でした。河崎の人柄や琴美さんのまっすぐさが心に残ります。残された人たちの心境にも思いを馳せながら読ませていただきました。
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何年も前に読んだ時はまだ子供だったからかよく分かってなかったかも知れない…
再読してみて改めて良い作品だなと思った。
決してハッピーだけではないけれど、こう言う空気感で生きられたら格好良いなとどこか憧れてしまう、、、
なんだろう上手く言えないけどそう思わせてくれるこの作品が好きです。 -
登場人物に人間らしさ、温かみを感じさせてくれるくらいキャラクターが立っており読んでいて楽しかった。
終盤で叙述トリック感じることができ、そこに至るまでの過程もしっかり説明があり読後感が非常に良い作品だった。
ミステリーとしても物語としても素晴らしい作品。 -
まさに人生いろいろ。
現在と2年前を行ったり来たり。
しかし、平気で人を殺そうとするなんて、信じられない。
今の映画はゲームみたいに次々に人が死んでいくけれど、
やっぱり作り物だから、あまり実感がわかない。
でも本書の3人組の、人をかんたんに殺してしまおうという考え方は
フィクションのはずなのに、なぜかゾッとする。
底しれない悪意というか。 -
仙台の大学生たちが登場する2003年の作品。2年前と現在の2つの時間が並行して進展し、最後につながる。そう来たか!という謎解きによって明かされるミステリーは小説だから成立する。映像化はできない。HIVのことは最近はとんと聞かないな、などと思いながら、20年間の時代の変化を実感。フランクフルトにて読了。
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河崎と琴美とドルジたちの2年前の物語。
僕と河崎の現在の物語。
二つの物語が交互に繰り出されて最後に合流する。
久々に伊坂幸太郎作品で粘着質な悪意を感じたし、後味があまりよくなかった。
ペット殺し許すまじ。 -
※伊坂幸太郎作品読書記
当作は2000年代に一度読んでいる。著者の名がすでに巷間結構な話題になっていた頃だ。このような構成の物語は自分にもとても斬新だった。こうして伊坂ワールドに引き込まれ、他にも何作か読んだ。どの作品も読後、やはり同じように斬新に感じ、満足だった。(デビュー作の「オーデュポンの祈り」だけは全く意味がわからなかったと記憶している)
その後十数年経ち、今日再読。直近は辻村深月、町田その子、青山美智子、一穂ミチ、などの作品に触れているためか、当時感じた伊坂ワールドの新鮮な印象は薄れている。しかしやはりこの作品の登場人物の設定は、再読してもなお痛快に感じた。やはり傑作に違いない。伊坂作品、再読を続けていこうと思う。 -
最初は読みずらいと感じたが、次第に不思議な世界観の中に引き込まれていた。
現実感から遠い語り口による描写が、何故か魅力的である。
不思議なミステリーテイストの青春小説といった感じか。
伊坂幸太郎の文体、語り口はクセになる。