Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2012年 08月号 [雑誌]

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感想・レビュー・書評

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  • イノベーション特集。
    注目はビジャ・ゴビンダラジャン教授のリバースイノベーション。
    今後注目すべきキーワードの一つ。

  • 飛躍的新製品を設計する秘訣
    ひらめきは組織的に生み出せる
    ミラノ工科大学 スクール・オブ・マネジメント 教授 ロベルト・ベルガンティ

    フィリップス社のAEH(医療のための周辺環境経験)の開発事例。ユーザーに新しい経験価値を提供する“経験デザイン”。

  • 本書ではイノベーション関連で、7つの論文が掲載されています。

    「イノベーション戦略の70:20:10の法則」
    イノベーション活動の70%を中核的イニシアティブに、20%を隣接イニシアティブに、10%を転換的イニシアティブに資源配分する企業が同業他社のパフォーマンスを上回り、10-20%高いPERを達成している

    「リバースイノベーション実現の道」
    新興市場向けに設計した製品を先進国で売ること、さらに、それを推し進めることによって企業そのものを変革すること

    これを実現した企業、リーダの取り組みが具体的に述べられています。
    トップからの変革、おおび、現場からの変革がうまくかみ合って実現できているということです。
    野中先生のミドルアップダウンの話が思い出されます。

    「低予算イノベーションのすすめ」
    過去の失敗や既存商品を見直すことによって資源やコストを抑えつつ低リスクでイノベーションを実現すること

    「模倣からイノベーションが生まれる」
    模倣はイノベーションんへの道のり(通過点)として模倣を有効な手段と捕らえること。模倣は「仕組み」を模倣すること

    このへんは、イノベーションのDNAで紹介された「関連付ける力」を思い出します。

    「製品開発をめぐる6つの誤解」
    1.リソースの稼働率を上げれば成果が上がる
    2.バッチサイズを大きくすると費用対効果が向上する
    3.われわれのプランには問題ない、このまま遣り通そう
    4.プロジェクトは早く始めれば完了も早い
    5.製品の機能を増やしたほうが顧客は喜ぶ
    6.初回でうまくいけばより成果が上がる

    ソフトウエア開発の世界においては、確かにどれも当てはまらないと思います。知的生産性をあげるためには、個々人の稼働率を上げても、うまくいかないし、バッチサイズは最適なバッチサイズを考えたほうがよいですし、機能を増やしたからってお客様が喜んでいるとは限りません。
    とても腹落ちする内容でした。

    「ひらめきは組織的に生み出される」
    この新技術を使って現在我々が提供しているものよりも価値があると顧客が考えるような新しい製品やサービスを開発できないか
    を自問すること

    フィリップの実例で紹介していますが、そううまくいくのかなっと思います。
    しかし、そういう企業こそが勝利者となると締めくくられています。

    「R&D投資を最適化する指標」
    新たな指標としてRQを提案。これを使ってR&D予算と戦略を調整していくこと

    ぶっちゃけ、RQは理解できなかった....

    などなどといったことが語られています。

    これらの論文の中で、実現できたらすごいと思うのが、
    リバースイノベーション、模倣からイノベーション、ひらめきを組織的に生み出す
    ですね。
    とくに、ひらめきを組織的に生み出すことについては、ユーザに新しい経験を提供する技術開発をどう組織的に生み出すのか、生み出せるのかということで、興味深いものだと思います。

  • 関心のあるテーマだったせいか、すっと頭に入ってきた。真似から創造していく話と、お蔵入りネタの再利用(イノベーションというより「リノベーション」と言った方が正しい)は、なんとなーく思っていたことがきれいに整理された。もしかしたらどこかで聞いたことのある話だったのかもしれない。ただ、それが経営・マーケティングの世界でも同じ構造をもっていることが今回の一番の発見だった。

    「世界」はひとつなのだけれど、角度によってその表情がちがってくることを再認識した。
    じゃあ、その「世界」ってなんなんだ??といういつもの問いに戻る。

  • 雑誌特性故かと思うのだけれど、「イノベーション」そのもの自体ではなく、主に、「イノベーションを起こす組織論」について言及されているのが非常に興味深い。
    今月は個人的に良記事が多かった。

    大きく参考になった記事は、
    「イノベーション戦略の70:20:10の法則」
    要するに、イノベーションと一口にいっても既存の自社ビジネスにのったものなのか、それとも全くの未踏地なのかで、全然話が変わってくるわけだけれど、では果たしてどれにどう資源を投下すべきか、という話。

    他、「リバース・イノベーション 実現の道」と「模倣からのイノベーションが生まれる」、「製品開発をめぐる6つの誤解」は具体的でとても面白い。

    とりわけ、「製品開発をめぐる6つの誤解」は日本の開発現場、得にソフトウェア開発において起きる問題にほぼ当てはまっており、それ以外にも、本題から逸れるものの長時間勤務から脱却出来ない組織の問題の源泉を概ね言い当てていると思う。

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著者プロフィール

1913年(大正2年)、「経済雑誌ダイヤモンド」の創刊とともに誕生し、2013年(平成25年)には創業100周年を迎えた。「ダイヤモンドのように小さくともキラリと光る」が創業の精神。現在、「週刊ダイヤモンド」「ダイヤモンド・オンライン」などの各種メディアでタイムリーなビジネス情報をダイバーシティ社会に提供するとともに、ビジネス書から生活実用書、経済小説まで、幅広い出版物とメディアを世に送り出している。本書は、同社経営情報編集局・出版編集部で制作。

「2022年 『相続&事業承継で頼りになるプロフェッショナル 2022年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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