NHK「100分de名著」ブックス 孔子 論語 NHK「100分de名著」ブックス [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 儒教的な解釈の論語というより、孔子の論語、という色を強く感じ新鮮だった。自分が充実していれば周囲との関係もよくなりひいては人間社会がよくなるという孔子的自己チューの考え方は示唆深かった。また、本書とは関係ないが、古典は無理して原文を読んで退屈になるより、現代語訳を読んで、そこから新たな視点や考え方を得ることを意識した方が有意義だと思った。

  • お客さん(70代、男性)が勧めてくれたので、せっかくだから読んでみた。

    孔子が身長2メートル超の偉丈夫というのが意外。オーラがすごくてそう見えただけなんじゃないのか。

    「夫仁者己欲而立人、己欲達而達人、」(自分が出世したければ、出世したいと思っている者の手助けをすることだ。成功したければ、成功を求める者の手助けをすることだ)

    イイネ!

  • - 論語に対するとっつきにくさ、ハードルを下げて導こうとしてくれる良書。
    - ***
    - 「義 を見て 為 ざるは、 勇 なきなり」(為政 第二─二十四) (正しいと分かっていながらやらないのは臆病者だよ。正しいことが分かっているんだったら、あくまでもやるべきだぞ)
    - 「力足らざる者は 中道 にして 廃す。今 女 は 画 れり」( 雍也 第六─十二) (力が足りないのなら、やるだけやって途中で倒れればよい。やりもしない前から「できません」と言うのは、自分で自分を見限っている証拠じゃないかね)
    - 孔子の教えは、道徳的ではありますが、世捨て人の学問ではないからです。儒教的解釈のために『論語』というと消極的・禁欲的な〝 修身の教科書〟を連想してしまいがちですが、もともと孔子が言っていることはそういうものではありません。 むしろ、孔子の教えは積極的に社会参加していくためのものであり、それゆえに現世的であり、ある意味では俗っぽいほどなのです。
    - 金儲けも出世も有名になることも、それ自体が悪いことでも否定されるべきことでもない。ただし、「目的」と「手段」、「結果」と「過程」を混同するなと口をすっぱくして教えているのです。
    - まず自分が充実していれば、周囲との関係もよくなり、ひいては人間社会全体もよくなる。要するに、何をおいても、まずは「自分をきちんとする」のが最優先ということです。
    - 教育によって、物事を自分で正しく判断できる人間を作っていくことが、孔子の目的だったことが分かるでしょう。そこでワタシが思い出すのは、 福沢諭吉の『学問のすゝめ』です。
    - 「故 きを 温めて新しきを知る、 以 て師と 為るべし」(為政第二─十一) (古典や古い学説を学び、そこに現代的な解釈をつけ加えてみるといいよ。そうすれば行動の指針になるからね)  じつは、ここに、孔子の教育論のエッセンスが集約されています。彼は、先人への共感と追体験の中に、学問の大きなポイントがあると考えたのです。 〝真の創造性〟とは、無から有を生み出すことかもしれませんが、凡人にはそれはチト無理な話です。一から十まで自分で考えろと言われてもできない。でも、過去に誰かが言っていることをもとにして自分なりにアレンジする、というのだったら、できそうじゃないですか。  物事を考察する時は、まず、すでに評価が定まっているなんらかの価値にひっかけて考えてみる。これが「温故」。そして、その上に新たに自分流の解釈をつけ加えてみる。これが「知新」。それが、孔子流のやり方なんです。
    - 彼がめざしていたのは、みんなが信頼しあえる温かい社会、人と人がだましあったり裏切ったりすることのない社会です。
    - 「汎 く衆を愛して仁に親しみ、行ないて余力あれば、則ち以て文を学ぶ」(学而第一─六) (まずは心を豊かにし、まわりの人たちを愛せるようになることだ。学問はその後からで十分だよ)

  • 2020/04/23

    【感想】
    紀元前の話なのに、人間の性質ってあまり変わらないのだなと
    自己中心とは自分自身に恕(思いやり)の精神を持つこと、自分を励まし自分を磨くこと、大切なことなのに忘れていた
    漢文の授業で出てきた忌々しいと思っていだ言葉たちがこんなにいいことを言っていたのか

    【好きな言葉・表現】
    「巧言令色、鮮なし仁」言葉巧みでやたら愛想のいいやつには、ろくなもんがおらんよ(P19)

    「夫れ仁者は己れ立たんと欲して人を立て、己れ達せんと欲して人を達す」自分が出世したければ、出世したいと思っているものの手助けをすることだ。成功したければ、成功を求める者の手助けをすることだ(P84)

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著者プロフィール

1944 年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、同大学院で中国文学・国文科を専攻。大学院修了後、慶應義塾高校で教職に就き、国語・漢文・中国語などを教える。在職中は生徒の人気ナンバーワン教師にも選ばれた。退職後、『高校生が感動した「論語」』(祥伝社)がベストセラーとなる。またNHK でも『論語』の講座を担当。他に『ビジネスマンが泣いた「唐詩」』、『「孟子」は人を強くする』、『文系も知って得する理系の法則』(共に祥伝社)、『世界一やさしい「論語」の授業』、『論語の教え』(共にKK ベストセラーズ)、『21世紀の論語』(晶文社)、『あなたの悩みを晴らす論語』(池田書店)など著書は多数。現在、米国・シアトル在住。
担当者 志村

「2018年 『看護師のための論語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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