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- / ISBN・EAN: 4907953032149
感想・レビュー・書評
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★~ 行政の立ち遅れに亜然 ~★
これはある意味イランのカミングアウトでしょうかね
正直、登場人物みんなの苛立ちが伝染し疲弊しました
こんな疲れる映画もめずらしい
一気に背負わせられたあたしの怒りは政府の
行政の遅れに苛立ちました
大体、福祉支援制度がなってないからこうなる
認知症は世界共通の老人問題
お手伝いさんとヘルパーでは大違い
在宅支援事業所から派遣される
ヘルパーを雇えばこんなことは起きない
責任は事業所がとる
体の具合が悪いから認知症の老人を
縛って出掛けるのは明らかに虐待である
お手伝いさんが妊娠していたか否かの問題
雇い主に報告する義務がある
この作品の被害者は
認知症のおじいちゃんと双方の子供
問題を抱えた各々の家庭の悲劇
ヒジョーにストレスを受ける受ける作品でした
2011年の映画なので古くはないだけに
本当にイランの行政はこんなんですか?
と疑いたい
両親離婚後の娘の選択は・・・
あたしだったら全寮制の寄宿学校を選び
クールダウンのちその後を判断したい
願わくば
よくできているが疲れます作品詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今、中東で起こっている紛争と一緒にしていいのかわからないが
息の詰まるような同様の閉塞感を感じる物語でした。
愛する子供をめぐる争い。
教育環境をめぐる夫婦の争い。
流産に至る事件に係わる係争。
そして宗教、メンツ・・・。
全ての要素を成り立たせる答えなどない。
特に宗教に妥協を求めるのは厳しい。
そしてその中に「嘘」も混じっていると成れば
人知で解決に至るは無理。
この映画でも最後のあの示談が成り立てば
もしかすれば二つの家族の抱える多くの問題において
不幸を回避できただろうに。
見えない神への畏怖の念が全てを水の泡に・・・。
結末の行く末をふせたのは
どんな選択をしようともそこに幸せはないことが
自明のことであったからだと思います。
あえて、というより言わずもがなということでしょう。
人々がこしらえた「幸せのため」への手段、存在について
疑問を抱かずにはいられない。
人を幸せにするよりもはるかに多くの
不幸を生んでいるとしか思えないから。 -
親の介護をきっかけに家族が壊れていく。シナリオと演技が秀逸で、最後まで目が離せない。傑作でしょう。イランの人々の暮らしや生のイスラム教を垣間見させてくれる。多くの人に見てもらいたいと思える作品です。
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私の感覚では、この夫婦は初めから破綻しているように感じたから進んでゆく溝とか荒れ方とか問題の起き方とかはそれほど驚かない。
とはいえものすごい事件があるわけでもないのに、目が離せない緊張感が続くのはすごい。
エンドロールが流れ始める間際からの破壊力がすごい。 -
イラン映画、
アスガル・ファルハーディー監督
アカデミー賞外国映画賞をイラン映画として初の
受賞。金熊賞も受賞。イランの宗教感がわかる。
イラン映画はアジアの空気があり面白い。 -
とてもとてもとても良い
夫婦が離婚を決意したところから。
一人娘は、父親と共に家に残ることを選ぶ。
父親方の祖父は認知症で、目が離せない。
ツテを辿ってヘルパーを雇う。 -
イラン映画はなかな馴染みがないですが、アカデミー外国語映画賞を受賞して話題になった作品です。
小さな事件、小さなウソが掛け合わさって、ほぐれない事態に進展していく。なかなかえいがの核が見えなくてムズムズしますし、最後に大きな展開が待っているわけでもありません。主たる登場人物は2組の夫婦ですが、皆が皆、自分の正統性を主張して口論し合う。かなり辟易してしまいますが、自分もこのシチュエーションだったらウソつくだろうなぁという、リアルなドラマでした。勿論、イスラムの信仰というものが彼らに葛藤をもたらしており、日本人の私たちには理解しがたい印象も与えますが(特に信仰と介護に問題は難しい)。
この映画で最も特筆すべきはラストシーンではないかと思います。「ここで終わったら、この映画、完璧だよな」と思った瞬間に、ほんとにエンドロールが流れたので感動しました。この素晴らしい余韻を残すエンディングには称賛を惜しみません。映画の作り方を実によくわかってる! -
イランのテヘランで暮らすシミン(レイラ・ハタミ)とナデル(ペイマン・モアディ)には11歳になる娘がいた。妻シミンは娘の教育のために外国へ移住するつもりだったが、夫ナデルは老いた父のために残ると言う。ある日、ナデルが不在の間に父が意識を失い、介護人のラジエー(サレー・バヤト)を追い出してしまう。その夜、ラジエーが入院し流産したとの知らせが入り…。
第84回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した秀逸な人間ドラマ。裁判の争点が「ナデルがラジエーの妊娠を知っていたか」になってくるのですが、お互いの過失を隠したせいで引くに引けない展開に…。意味深なショットや細かいカットの連続で間延びさせない映像技法、激情をぶつけ合う息苦しい展開が相俟ったストーリーは観る者を強く惹き付けます。必要最小限の演出でイラン社会やイスラム教徒のルールを伝えている点も素晴らしいです。 -
すごい映画だった
人間関係の中でのズレから発生する問題が、とても的確に表現された映画
それぞれがそれぞれの立場で思いがあって仕方なくやった言動が、互い違いに交差しながら原因となり結果となり結果がまた原因となっていき、
傷ついたり傷つけたり、衝動的にヤケを起こしたり
もう何が何やらわけもわからない、本質が一体なんなのか、一体何をしてるのかわからないぐちゃぐちゃな状態になっていく
人間同士に起きる問題は、全てこんな感じだと思う
誰も悪くない
それぞれの立場に立ったら、まーそうなるのもしょうがないねってことばかり
とにかく相手の行動を自分の中で勝手に判断して、勝手に怒って、勝手に行動して
相手の行動の意志をそれぞれが読み間違い、ズレまくる
それぞれが自分の立場だけに立ち、衝動的に相手の文句ばかり激しく出てしまう
世間体やら信仰心やら衝動やらに自分の行動の身を委ねすぎて、我慢していたものが爆発して、結果おかしなことになる
なんでこうなるか?
結局は、自分の悲劇を他人のせいにしようとすることが原因なんだと思う
まずは現場を観察してそのまま受け止め
自分が自分と対話する
そして自分はどうしたいか、自分の意志を自分が明確にしてから
相手をの話をしっかりじっくりきく
相手の意志を理解する努力をする
どっちがいいか悪いか判断せず、相手の立場や第三者や神様やいろんな目線に立って、
どうしたらいいのかじっくり思考を働かせる
きっとこれしかないんじゃないかな
とにかく私たち人間は、現場を受け容れるということが、ほんとに苦手
自分の身に降りかかった悲劇を他人に認めてもらおうとするよりも、まず自分が受け容れる
このことが本当に重要だよなってこの映画で改めて実感
本質を捉えたいい映画だー
すごいー -
こんなに荒削りで、完璧な映画を観たことがない
心を芯から揺さぶられる 揺さぶられ続ける
あちらの社会で起こっていることと
こちらの社会で起こっていることは
全然違うけど 同じで
誰もが皆 もがき 苦しみ うまくいかず
大事なものがあり 守りたく 愛した人がいて 信じたい人がいて 神、子ども、母、父…
切ない もどかしい 「もどかしい」
顔を歪めてみる映画
終わって「人生ってもどかしい。誰かが正じゃない。みんながんばって毎日を精一杯。そして生きるのは人それぞれで、全員ががんばったって、折り合いはつかないのだと 言うことを教えてくれる映画」
「もどかしい」
「どうしようもない」
「無情」
「生きるということ」
「自分」
色んな名前がつけられそうだが
「別離」
結局、これは、あの11歳になったばかりの、
つい二週間前まで10歳だった、あの、とてもそうは見えない子が、どちらかの親と離れるまで、
を描いた映画だと言うことだ。
「理論じゃない」
「人間って」
人生は小説より奇なので、映画よりも奇で、
そんなわかったように進むわけない
毎日頑張るしかない
自分にも指標があって
それを使って生きなくちゃ
「脆さ」
「人生って何のためにあるのかと思うほどの絶望」
絶望感を残す映画だ。薦めにくい。でもrotten tomatoesが観る前98で、見終わったら99になってたなw私の分を誰かが入れてくれたのかと思った。