バカの壁(新潮新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 面白かったし難しかった。
    子どもの時に大流行した本という認識があるんだけど、当時の人はこれ買ってちゃんと読み切ったんだろうか。80年代にニューアカブームがあってアカデミックなものがもてはやされたと別のメディアで聞いて、これは2003年の本だけど、そのブームの頃若者だった層が読んだのかな…と思った。
    読み心地はところどころしんどかった。内容ではなく、少し前の本だから表現に配慮がないところ。女性、障がい者、老人、「最近の若者」あたりへの話にすごく時代を感じる。私は女性だからイラッとするところがかなりあったので、「でかい主語が今の時代や私自身を指してるわけではない」と自分を宥める時間が必要だった。
    しかしそれに目を瞑ればすごく面白かった。身体性のところは特に、つい最近別メディアの別の話で聞いた話とリンクしていて(脳の命令と身体感覚、動きのギャップやスピードなど)、興味深かった。脳科学的にそれがわかってきたのは最近だった…気がするけど、推察としては20年前からあったのか。
    認知についての話はとても興味があるから、別の本も読んでみたい。養老孟司氏がいったいどういう立場の人か知らないので後で調べる。テレビとか出てる頭がいい人…というイメージだった。

  • 鳥井弘文さんがvoicyとかオーディオブックカフェで養老孟司さんのバカの壁について話していたので、手に取ってみました。
    タイトルが過激だけど、感覚的には、足るを知るということに近いのかな
    わかるの罠や自分の個性より他人を知る事の大事さ、身体性を伴う文武両道など、共感する部分は多かったです。

    ポッドキャスト超相対性理論で言っていた、バカの山を登ること、そして、多視点を持つこと、を養老さんなりに説明してくれてる本でした。

    こういう教育者に出会いたかった
    こういうことを体感できる場所を作ろう

  • 20年前の本だったのかー・・・。
    ん?古くない?!と思った部分がいくつかありました。

    後半の今の学生の能力の低さを嘆くターンでは「そりゃ最高学府の学生ならこれくらいできててくれよ・・・と思う気持ちも分からんではないが、それ、新書で書くべきことか・・・?」と思ってしまいました。平静で1番入れているのに・・・(笑)

  • かなり売れた有名な本という事で読みましたが、イマイチ何が言いたいのか理解が出来なかった。。。
    情報は時代によって変わるので無く、受け取る人間の解釈が変わり続ける事で、情報が変容したと思われているだけといった、人の在り方が変化し続けていると言った事位しか記憶に残らなかった。
    ●物事に100%は無く、一元論では無く常に二元論で考える重要性。

    ●物事を理解するには脳で処理する必要があるが、それが出来ず、分かっているつもりになるのが、バカの壁。

  • これがあんなに売れるなんてみんな悩んでるな

  • ★図書館だよりNo.72 「読書への羅針盤」
     十朱 寧 先生(機械工学科) 紹介図書
     ➣記事を読む https://www.sist.ac.jp/about/facility/lib/letter.html#072

    【所在・貸出状況を見る】https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/54318

  • バカの壁、昔売れたんだなぁと知ってたけど読んだことがなかった!
    私的に、人は、変化していくものというところが刺さりました。
    それをガン告知に似てると表現されていたのが、うまいなぁ、さすが養老先生!!と感じました!
    知ること、知識を増やして、視野と視座を高く広くしていこうと思わせられる本でした!

  • ●本当は何もわかっていないのに「わかっている」と思い込んでしまうときに存在するのが「バカの壁」である。

    ●人間の脳は、「できるだけ多くの人に共通の了解項目を広げていく方向性」をもって進化してきた。

    ●「情報化社会」では、変化しているはずの自己を、不変の「情報」だと規定してしまっている。だからこそ、人は「個性」を主張する。

    ●「知りたくないことに耳をかさない人間に話が通じない」ことは、よくあることだ。このことは、脳の入出力の面から説明できる。入力される五感をx、出力としての人間の反応をyとすると、y=axという一次方程式のモデルが考えられる。ここでのaという係数は、いわば「現実の重み」。

    ●通常、入力に対して何らかの反応があるのでaはゼロではないが、非常に特殊なケースとしてa=ゼロ、つまり入力があっても全く行動に影響しないケースもある。入力がその人にとって現実的ではないということを指す。たとえば足元に虫が這っていても気にせず無視するケースだ。興味がなければ完全に目に入らなくなる。

    ●逆に、a=無限大となるケースの代表例は原理主義だ。ある情報や信条が、その人にとって絶対的な現実になる。その人のすべてを支配する。

    ●aは、感情を考慮に入れれば、ゼロより大きくも小さくもなる。行動にはプラスマイナスがあるのだ。aがあるから行動が相当に変わる。

    ●「自分が知りたくない情報を自主的に遮断している」にもかかわらず、「自分はそのことについて既に知っている」と思い込むことがあり、そこに存在するのが「バカの壁」。例えば、夫婦の妊娠から出産までを追ったドキュメンタリーを学生に見せた際、女子学生は勉強になったといい積極的に議論をし、男子生徒は出産に対して「保険の授業で習ったことだ」と言う感想を持ち発言をしなかったと言う例が本書で挙げられている。

    ●「科学的事実」ですら、実際は一つの推測にすぎない。そもそも「反証可能性」を残すものが科学であり、そこに絶対はない。

    ●「わかる」には「共通了解」「強制了解」の2種類がある。「共通了解」は、世間の誰もがわかるための共通の手段(例えば言語)。強制了解は、共通了解である言語を用いた「論理」「論理哲学」「数学」など。証明により強制的に「これが正しい」とみとめさせると言う意味で数学は強制了解に分類される。

    ●バカの壁の中に籠もる
    バカの壁というのは、ある種、一元論に起因する。
    バカにとっては壁の内側だけが世界で、向こう側が見えない。向こう側が存在しているということすらわかっていなかったりする。今の一元論の根本には、「自分は変わらない」という根拠の無い思い込みがある。その前提に立たないと一元論には立てない。なぜなら、自分自身が違う人になってしまうかもしれないと思ったら、絶対的な原理主義は主張できるはずがないからだ。

  • ・「自分が知りたくない情報を自主的に遮断している」にもかかわらず、「自分はそのことについて既に知っている」と思い込むことがあり、そこに存在するのが「バカの壁」。例えば、夫婦の妊娠から出産までを追ったドキュメンタリーを学生に見せた際、女子学生は勉強になったといい積極的に議論をし、男子生徒は出産に対して「保険の授業で習ったことだ」と言う感想を持ち発言をしなかったと言う例が本書で挙げられている。

    ・「科学的事実」ですら、実際は一つの推測にすぎない。そもそも「反証可能性」を残すものが科学であり、そこに絶対はない。

    ・「わかる」には「共通了解」「強制了解」の2種類がある。「共通了解」は、世間の誰もがわかるための共通の手段(例えば言語)。強制了解は、共通了解である言語を用いた「論理」「論理哲学」「数学」など。証明により強制的に「これが正しい」とみとめさせると言う意味で数学は強制了解に分類される。

  • ・社会の情報化に伴い人々の活動は,五感での経験ではなく脳への情報の入力・処理・出力に大きく偏るようになった.
    ・それゆえ,深い思考ができない,現実を捉えられない,イレギュラー(自然)への対応に遅れを取るといった弊害が出ている.

    と読み取った.

    Audibleで読了.

    ====================================
    文明発展=脳化
    脳内の抽象的イメージの中に生きる割合が増加。意識の世界に住む。
    首から下(体)の役割を無くして、頭でぐるぐる。
    無意識が追いやられる。

    懐古主義?

    オタク=刺激に対する反応係数の偏り マンガ、ゲーム

    抑圧すること、イレギュラーを否定することへの否定 合理性の浅はかさ

    所得の配分→仕事の配分 機能主義的配分

    "最終的な兌換権はエネルギーになるのではないか"
    →ロシア

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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