- Amazon.co.jp ・電子書籍 (277ページ)
感想・レビュー・書評
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ある日妻が死んだら、とふと考えることが、普通の人に比べるとよくあると思う(普通はあまり考えないのだろうか?)
その先にある人生はどんなものか、妻がいなくなった後の人生はどういうものかということを想像する時は常に具体性を欠いているけれど、この本はまるでその具体性を隅々まで描き切っているような具体性に溢れている。
そういった自分のパラレルワールドのように感じられる側面がある一方で、この本で描かれている絶望は全く他人のものであるとも感じられる。徹底的に主観的な絶望こそが担保する客観性、残酷さがこの作品の芸術性を高めていると思う。
漫画を読んだ後に充実した読書体験に似たものを得たのは初めてだった。 -
愛する妻を若くして病気で亡くした漫画家の夫が描いたマンガ作品。愛していればいるほど、喪失感は倍加される、そんな別れのときが必ず訪れるのなら、相手のことを思いっきり好きにならなければいいという考えは間違いです。そもそも好き嫌いが都合よくコントロールできるはずもなく、精一杯愛して、精一杯泣けばいいんです。この作品は、きっと作者が次の一歩を進むための「けじめ」だったのでしょう。
ちなみに、散骨葬をした人には、石原裕次郎、フレディ・マーキュリー、アインシュタイン、ジャニス・ジョプリン、マンボ(我が愛犬)がいます。
以下は、作者のプロフィールです。
心底しょうもないネタをあらゆる技法を駆使し圧倒的なクオリティで描く、非経済的なギャグ漫画家。1983年「週刊少年チャンピオン」からデビュー。以後各誌で『朝日のようにさわやかに』『帽子男は眠れない』『ひまあり』『五万節』などを発表。2011年『さよならもいわずに』が文化庁メディア芸術祭で推薦作品に選出。1998年から「月刊コミックビーム」で『夜は千の眼を持つ』を連載中。近著に『ギャグにもほどがある』『いちマルはち』『暇なマンガ家が「マンガの描き方本」を読んで考えた「俺がベストセラーを出せない理由」 』など。 -
愛する家族が居なくなることの虚無感。読まなければよかったと後悔しました。同時に、毎日、近くに、話せる家族がいることに、より一層、感謝するようになった一冊。
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最愛の人をなくすと人はどうなるのか、その真摯に向き合う姿勢が感動を誘います。