ビジネスコミュニケーション術
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・コミュニケーションは十人十色
自分の「普通のコミュニケーション」は自分基準になっている。自分では常識でも相手には「非常識」かもしれない。
コミュニケーションの第一歩は、「私と相手の常識は違う」という気付きを持つこと。
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・相手を好きになる努力をする
好意的な感情を持てると、その人に対してエネルギーを使えるようになる。
最初は嫌な相手でも、観察を続けると一つずつ良いところが見える。すると好意的な感情が芽生える。
第一印象で決めず、フラットな目線で"好意的観察"をすることを習慣にする。
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・いいことも悪いことも「見ている」サインが大切
「見られている」という緊張感は大切。
そのため、自分はあなたを見ていると伝えることが大事。
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・相手の"変化"に気付く
表情や服装、声のトーンなど、「言葉以外のサイン」を意識すると、相手がどんな状態にあるのかわかる。
1度にたくさん観察するのは難しい。まずは、「昨日(前回)とどこか違うところはないか?」という視点で相手を見てみる。違いがわからなくても、違和感を抱けば変化があるということ。
「いつもと違う気がするけど、何かあった?」と素直に聞く。
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・話しかけやすい雰囲気を演出する
自分の身体的な特徴に合わせて、相手にプレッシャーを与えない工夫をする気遣いをする。
相手の目線の高さに合わせ、威圧感を与えないようにすると、安心感につながる。
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・相手が落ち着く「安心・安全」の環境を作る
「安心できる環境」は人によって違う。
だから、本人にストレートに聞く。
「あなたが落ち着くところに座ってください」
「私はどちらに座るといいですか?」
これは相手にリラックスして話してもらいたい場面で幅広く使える。
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・否定感情もいったんは受け入れる
「そんなことがあったんですね」と"事実"として受け入れるのではなく、「そんな気持ちだったんですね」と"感情"を理解する言葉を返すのがポイント。
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・自分の弱みをさらけ出す
実際の体験に基づく弱みのエピソードを開示する。その上で「似たようなことないですか?」と聞くことで、相手の警戒心を解き、安心して話してもらえる。
"自己開示"することで、相手の心の壁を取り払い、距離を近付けるキッカケとして有効。
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・相手の「譲れないポイント」を探す
相手にとっての「譲れないポイント」は何なのか、何を一番重視したいのか、話を聞き、観察しながら見極める。相手の最優先事項を考えながら、客観的に見て必要なサポートを提案していく。相手が一番関心があって積極的になりそうなことを見極める。
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・相手を観察して、不意打ちを防ぐ
初対面の人は、よく見てよく観察する。相手の性格・傾向が見えてくると、自分自身が落ち着いて相手と向き合えるようになる。
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・程よい沈黙は相手を落ち着かせる
話が弾むことが相手にとって心地いいとは限らない。会話がなくても自然になじむ、気まずくなければ「お互いに心地いいコミュニケーション」が成立している。「頑張って喋らなくて大丈夫な相手」と思わせることができる方が、相手にとっても親近感が増すとも言える。
沈黙を怖がらず、ほどよい沈黙がokもあり。
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・心を開かせるのは「共感」の言葉
トラブルに巻き込まれ、ショック状態にある相手には、その日のうちに感情を共有してあげることが大切。ここでは、'トラブルの当日に'というのが大切。
「何があったのかすぐに報告しなさい」と問い詰めず、黙って残務処理している部下には「大変だったみたいだね」と共感することで、部下から話をすることもある。
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・しかるときは長所と期待を添える
指摘・叱咤をするときには、ただ悪いところと改善点を伝えるのではなく、かならず相手のいいところも挙げる。
「こういうところがいいのだから、もっとこうしたらさらにいい」「期待しているあなただからお願いしている」など。
具体的に褒めることで「日頃の行動を見ている」ということを部下には伝える。
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・メモを取りながら「聞いている」態度を示す
人は「自分の意見を聞いてもらえている」と確信できると、相手に対する信頼関係がアップする。だから、実際に聞くのはもちろん、「聞いている」ということがわかりやすいサインをはっきり相手に示すことは大切である。
話を聞くテクニック
→相手の方に体を向ける、目を見る、相づち、「メモを取りながら聞く」
「中堅」「ベテラン」となってからこそ、メモ取りを実践すると、相手に対して誠実な印象を与える。
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・「○○してもいいですか?」と確認するクセを
心地いいコミュニケーションのスタイルやペースは人により違う(p.16)ため、相手に話しかけたり、何かをお願いするときは、「○○してもいいですか?」と確認する。
話が進んでから、もう少し踏み込んで相手の気持ちを聞きたい時も、いきなり聞かず、「では、○○についても聞いていいですか?」と確認しながら話を進める。
このように相手の"安心ゾーン"、"立入禁止ゾーン"を見極めながらコミュニケーションを進める。これを「相手をおびやかさない距離感」と呼ぶ。
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・相手の実感に近い言葉を投げかける
相手に有無を言わさぬ一方的な言い方をしても、相手は動かない。ルールや規律の面から話をしても、心に響かない。必要なのは、相手の実感に近い言葉を探る作業である。
精神科にくる患者相手の場合
相手の話をよく聞いた上で、どんな症状で日常生活に支障をきたしているのか、自分が相手の立場だったら何に不満を感じるのかを想像する。そして、なぜ自分が相手に近付こうとしているかを説明する。
ここでは、決めつけるような言い方はNG。分からないことは分からないと言う。「私は○○したことないからわからないが、〜」「私が想像するに〜」
相手を見て感じること、そのためにできることを伝えるようにする。
実感に近い言葉を投げかけられると、相手は受け入れやすいし、感情もほぐれる。
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・「報告以前の雑談」が危機管理につながる
仕事での「今日のできごと」を言い合うことは大切である。
相手が作業する手を止めてもらうほどのことではなく、大きな独り言を言うくらいのつもりでいい。すると、リラックスした雰囲気の中で情報交換ができる。毎朝や週一の定例ミーティングでは言うほどでもない、"報告以前"の雑談が大事である。
その日のストレスはその日のうちに、家に持ち帰らず、職場で発散できる雰囲気作りをする。
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・相手を動かすキーパーソンを巻き込む
なかなか相手が心を開いてくれない…と悩んだときは、その人にとって影響力のあるキーパーソンを巻き込むことが有効に働く。
「A君と一緒に仕事をすることになったが、どうも要領を得なくて…。彼はどういうことに燃えるタイプでしょうか?最近何か言っていませんか?」というふうにリサーチする。ただしその場合、本人との信頼関係を損なわないように、できるだけ本人に了承をとってから、という手順を踏むのが原則です。自分の行動にたいして「本人がどう思うか」という視点も忘れないように。
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・「拒否」の理由はひとつではない
営業で門前払いが続いたりきたときは、「相手の拒否の理由を探ってみる」ということ。
相手はなにを嫌がっているのか、訪問目的?担当者?時間帯?
相手の拒否の理由がわかると、次の対策が見えてくる。
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・どうしても合わない相手は、1人で抱え込まない
世の中には、「どうしても合わない相手」という人が存在する。
「なにをしても無理だ。」と確信したときは、潔く手を離すことま必要である。
ときには人に任せるほうがうまくいく場合もあるし、自分自身を苦しめないために判断すべき局面もある。
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・"世の中レベル"で仕事の価値を伝える
モチベーションを持って仕事してもらうために一番大切なことは、部下が関わっている仕事に"世の中レベル"で価値付けをしてあげる。「この仕事がこんなに世の中のためになっている!」という役立ち感は仕事を頑張るエンジンになる。
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・「できない理由」を一緒に分析する
頼みごとをしたとき、自信なさげだったりしたら、「できない理由」を一緒に考える。
ポイントは、惜しまずに時間をかけること。大切なのは、本人が原因を客観視でき、不安を解消することである。
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・小さな仕事にも「評価」を忘れずに
どんなに小さな仕事でもお願いするときは、終わった後に具体的に「評価」を示すことが大事。また「お礼」も忘れず。
普段から着実に続けている小さな仕事(あまり目立たないが周りの助けになっていること)も評価する。
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・部下一人一人の「味」を引き出す
相手の長所を見つけようとすると大変だ。そんなときは、「長所というほどではない、"味"」を探す。
その"味"を発見できれば、人材配置が上手くいく。
見つけた"味"は相手に伝えることにより、安心感・信頼感につながる。