新潮 2012年 11月号 [雑誌]

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感想・レビュー・書評

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  • 新潮新人賞、また芥川賞候補にもあがった、高尾長良氏「肉骨茶」のみ、読む。女性とはちと驚き。しかも最年少受賞。

  • 芥川賞候補「肉骨茶」高尾長良著読む。書いたの男性だと思って違和感もあり、読み終えたあとに女性とわかりほほーと思った。食べ物に対する嫌悪感の主人公がリアルでコメディでバタバタでいい。

  • 『肉骨茶』高尾長良
    そういうものの常で切なさを覚えるけれども一番よみづらく辛かったつまり一番印象に残っているのである。
    生理的な話がえんえんと続き、ざらっとしたどろっとした感触のものを読みづらいから何度もゴリゴリと繰り返さないといけなくてつらい、とおもった。けどそのつらさがこの小説そのもので重たい。
    砂から男が出てくるくだりなど、わたし何度読んでも意味がわからなかった。
    しばらく読み進めて状況がおぼろげに理解でき、もう一度読み返してみる、という作業!
    文章はこれからもっと磨かれていくのだろう。この方はきっと頭がとんでもなく良くて、わたしのような読解力のとぼしいものの頭の構造はみえたこともないのだろう。けれどもこの先はわたしのような頭がぞろぞろ連なっているので苦労?するのかな。
    物語自体として不思議な境地へむかっていく足取りなどつよく感じるのだけど、諸所はとてもご都合主義にかたよっている。
    男に対する彼女の徹底的な好意はすこし稚拙に感じる部分を残す。友達のやわらかそうな描写は好き。
    ただやっぱり、運動でカロリーを消費するというあまりに滑稽でいて痛切なそれが印象深い。
    筋肉がびしびし痛むぐらいの。あれかな向かいたいところがきっとあるんだと思う。
    細やかなあれそれは未決定にして未知。

    『黙って喰え』門脇大祐
    わざとのつながりかと思うバクテー(拒食のはなし)からの、『黙って喰え』。
    かとおもえば食の話、生理的な話ではなかった。つらつらと流れていく大学生の話。
    関西弁なので読みやすい。そして主人公がなんともクズだった。友人にもクズと評されている。
    この友人がなかなかに「分かってます」風味で笑い。
    なんで彼女の首しめるんかがイマイチ分からないけれどもきっと誰にもわからんのだろう。
    さらに彼女は食べてないんじゃないだろうかのような闇もうごめかせているだろう。
    この話はそういうゴソゴソしている闇もあるんだよ日常。的な・・・
    幼馴染の手紙おもしろくわたしは読んだ。意味は最後までわからんかったけどおもしろかった。
    今おもえば、この主人公は主人公のクズで軽い風味をうわべにもってきつつ、内面的にはサナダムシ君とわかってますよ友人君、とりあえず拒食疑惑の彼女意外の全員を内包している男だ。

  • もちろん注目は、19歳で、新潮新人賞最年少受賞の高尾長良「肉骨茶」。本当に女性が書いたのかというほど、難解な漢字がたくさん使われており、物語に入り込みづらいのが難点。

    それにしても、内容そのものの迫力は凄い。開始数ページで、主人公の女の子が、母がタッパに詰めた中華料理を、トイレに捨て流す。母親には内緒に、トイレにぶちまける。トイレも、捨てられた食べ物を「飲み込みづらそう」にしている。
    拒食症のその子は、なんとか飲食しないようにと、あれこれ思索するのだが・・・。

    嫌々ながら食べてしまった、飲んでしまったものから「体」を取り返すために、彼女は筋トレをする。それは物語序盤から終盤まで常に描写されており、その光景が異様にシュールだ。

    文章の読みにくさ、冒頭でも述べたように難解な漢字が多く使われていることで、物語に入り込みにくい。しかし、それを上回るパワーが、この作家にはある。次作に期待したい。

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