幻惑の死と使途 ILLUSION ACTS LIKE MAGIC S&Mシリーズ (講談社文庫) [Kindle]
- 講談社 (2000年11月15日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (478ページ)
感想・レビュー・書評
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このシリーズで人間的な動機で事件が起きた作品だったように感じた。
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17章あるけど、なんと奇数の章だけ。同時並行する事件は、偶数章だけの次作でという趣向だった。
マジシャン登場のミステリーで、その解説をプリンセス天功が書いているってのがまた面白い。文庫で読んでよかった。
「テレビでは、深刻な人類の課題を取り上げる振りをして、つぎの瞬間には、意味のない馬鹿騒ぎを繰り返し見せる。すべては一瞬のドラマ、一瞬の幻惑に過ぎないのだ、という危険な感覚を子供たちに植えつけるために。(中略)それらがすべて、その中で育った子供たちには本ものになる。それがバーチャルの本質。」 -
思考と感情の奥行きに対して、名前をつけることによって丹念に掘り下げようとしていく様がとても心地よい。
大人になるというのは、名前をつけて分かった気になるということなのかもしれない。年を取ればとるほど体感時間が早くなるのは、不思議が存在しなくなるからかもしれない。 -
Audibleで視聴。森博嗣お得意の視点を変えればシンプルだったという話。トリックは論理的に解きほぐして解決。動機は、普通人と異なる哲学的な動機になっていることが多いのが森作品の特徴か。
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「間違っているのは、観測している人間の認識だ。したがって、人間さえ見ていなければ、何も不思議は起こらない。すべて自然現象だ」
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マジックを主体として、まるでマジックであるかのような環境下で起こる謎が問いかけられるミステリー。題材が身近(ほんまか?)なものもあり、自分で謎を考えることに頭が向きやすいので楽しめました。
今後のシリーズで出てくるらしい人物も初登場しているようで、シリーズ後半の初作として良い読書ができました。
今作は自分の好みである、頭のいい人同士の会話が多く見受けられ、個人的にハイライトしたいやり取りが多くあった。