幻惑の死と使途 ILLUSION ACTS LIKE MAGIC S&Mシリーズ (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • よかった!すべてがFになる、の次に好きだな。借りた時は本の厚みにちと心配したが、2日で読み終えられた。
    マジシャンが周りにいるが故になにかあっと驚くような仕掛けやトリックがあるに違いない、っていうフィルターを通して見てしまう、それを逆手にとってイリュージョンを実行する、マジシャンってすごいな。
    最後の犀川先生の解釈、流石です先生。自分の名前のために自分を殺し、自分の名前のために遺体を消し、そして愛人を殺す。
    今作はいつも以上に犀川節が随所で披露されていたように感じる。犀川先生の思考からまだまだ学びたい。

  • このシリーズで人間的な動機で事件が起きた作品だったように感じた。

  • 17章あるけど、なんと奇数の章だけ。同時並行する事件は、偶数章だけの次作でという趣向だった。
    マジシャン登場のミステリーで、その解説をプリンセス天功が書いているってのがまた面白い。文庫で読んでよかった。

    「テレビでは、深刻な人類の課題を取り上げる振りをして、つぎの瞬間には、意味のない馬鹿騒ぎを繰り返し見せる。すべては一瞬のドラマ、一瞬の幻惑に過ぎないのだ、という危険な感覚を子供たちに植えつけるために。(中略)それらがすべて、その中で育った子供たちには本ものになる。それがバーチャルの本質。」

  • 思考と感情の奥行きに対して、名前をつけることによって丹念に掘り下げようとしていく様がとても心地よい。
    大人になるというのは、名前をつけて分かった気になるということなのかもしれない。年を取ればとるほど体感時間が早くなるのは、不思議が存在しなくなるからかもしれない。

  • Audibleで視聴。森博嗣お得意の視点を変えればシンプルだったという話。トリックは論理的に解きほぐして解決。動機は、普通人と異なる哲学的な動機になっていることが多いのが森作品の特徴か。

  • 「間違っているのは、観測している人間の認識だ。したがって、人間さえ見ていなければ、何も不思議は起こらない。すべて自然現象だ」

  • 叔母様のこっちの予定が先で死ぬのが悪いって発言
    声を出して笑った

  • マジックを主体として、まるでマジックであるかのような環境下で起こる謎が問いかけられるミステリー。題材が身近(ほんまか?)なものもあり、自分で謎を考えることに頭が向きやすいので楽しめました。
    今後のシリーズで出てくるらしい人物も初登場しているようで、シリーズ後半の初作として良い読書ができました。

    今作は自分の好みである、頭のいい人同士の会話が多く見受けられ、個人的にハイライトしたいやり取りが多くあった。

  •  舞台のマジックを見ているとき、どきどきする。見破ってやろうとみているが、結局こちらを上回りあっと言わされる。あっと言わされる事が楽しく、観客もだまされる事を望んでいる。舞台の上だと本当に楽しい。すべてはネタがあり、演出されている事が分かっているから。
     今回の犯人は、現実も彼の舞台としていたようだ。観客としては、安全である舞台の上を出てしまっている時点で、楽しみが狂気に変わってしまう。
    だまされることを楽しみに舞台を見に行くが、それは舞台の上だけ。現実で幻惑はいらない。そういった観客のある意味冷たい感情に気がついた。私も含めて。

  • 久しぶりにS&Mシリーズの続きを読む

    今まで巻頭にあった登場人物の説明がない
    杜萌の読み方が分からない、と思ってたら途中で連絡が付かなくなって、まさか事件の犠牲に?と心配したら、どうやら同士に進行しているストーリーがあるらしい示唆があり、やっと章立てが連続していない理由が分かる

    犯人が誰かは途中で匂わせる描写があって予想はできたけど、トリックは少しずるいなぁと思った
    哲学的な思考は面白い 

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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