- Amazon.co.jp ・電子書籍 (330ページ)
感想・レビュー・書評
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当初人物が非常に多い。前半は各登場人物の立場から別々のストーリーが語られるため、ちょっと混乱しストレスを感じた。しばらくは冒頭の「登場人物紹介」を何度も読み返していた。
紙袋の入れ違いをキッカケに、複数の事件が起き、それぞれの登場人物が交錯する。とても広い東京駅(しかも2000年頃なので再開発前)の、丸の内および八重洲側を舞台に事件が繰り広げられ、終盤になって、バラバラだった伏線が、ドミノ倒しのように繋がる。
東京駅が好きな人にはオススメ。歴史あるステーションホテルの話や、連絡通路の位置関係など、面白い。そして、利用者同士の手荷物の間違いは毎日起きているのだろう。
でもまあ、終盤になっても登場人物がなかなか頭の中で一致せず、「あれ?この人は誰だっけ?」という混乱状態であり、消化不良のまま読了してしまった。慣れないKindleで読んだため、冒頭の登場人物紹介ページに戻るのが億劫で、読む効率も低下した。残念である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わたわたしていたので、読み終えるのに時間がかかってしまいました。
面白いと思います。が、時間がかかったのでこの登場人物の多さについていけませんでした。
のりとしては、どたばたしているイメージが「夜は短し歩けよ乙女」。
いろんな人が出てきて、予想外の行動をしていく。
そして、スケールがとても大きい。
こんな大きなこと、小説だからできる。だから小説は面白い。 -
子役の麻里花の面接での受け答えにグッときた。
緊張するってことは、それがあたしにとって大事なことなんだなって思うんです。その時間はどきどきして、いつも学校や家で感じている時間とは全然違って、三倍くらいの長さに思えます。こんなに緊張するってことは、これからあたしがやろうとすることはあたしにとって大事なんだって思うから。大事なことは大事にしなきゃって。
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読み始めは登場人物の紹介でまず、多いなぁという印象。
小出しの短編をのぞき見している感じで物語が進んでいます。
一見関係がないようなのに、あちらとこちらが繋がっていたり、変なところで鉢合わせていたりとまさに物語がコロコロ変わるのでドミノ倒しそのもの。最終的にはつながっているというので驚きでした。
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ドミノとはこういうことか!
主人公が増ていくにつれ、ドミノの意がわかり結末が気になりドキドキしていく、まるでジェットコースターが上に登っていくときの感覚。思ったよりジェットコースターは激しくなかったけどコメディとして楽しめました。 -
ジェットコースタームービーならず、ジェットコースターノベルとも言うべきか。よく描き切ったと感動した。
20年以上前の作品であるが、初読である。
普段ビジネス書を中心に読んでいたため、名作と言われる小説にも全く触れてこなかったことを改めて認識してしまった。
まさに、もっと若い時代に出会いたかった一冊と言える。
本書を手に取って感じたところではあるが、自分の残りの人生の時間で、あと何冊の本と出会えるのだろうか。
そう考えると、間違いなく死ぬまでに読んでおいて損がなかった一冊と言える。
読後に本書について調べてみたが、過去に一度も映像化されていないようだった。
これだけのスケール感があるのに、映像化が全くされていないことは意外だ。
内容的にはまさに劇場映画向きだと思う。
東京駅という画面映えする舞台が中心になることも売りとなる。
もちろん、相当に大規模な撮影を行うことになるから、原作ファンならそれだけでも「観たい」という気になるのではないだろうか。
丸の内口と八重洲口の間をバイクで走り回る様子も面白い映像になりそう。
映画の中でもし課題になりそうな点があるとすれば、登場人物の多さだろうか。
この物語の売りである以上、登場人物を減らす訳にはいかない。
100分程度の映画に納めようとすれば、自然と一人一人の出番は少なくなってしまうだろう。
元々明確な主人公がいない物語だけに、映画の中では登場人物全員がほぼ均等に活躍することになってしまう。
確かに映画としては、表現しづらいかもしれない。
小説という形式だから、読者のペースで、読者の頭の中で情景を想像しながら読み進められる。
映画として凝縮されてしまうと、目まぐるし過ぎる展開に観客がついて来られなくなる可能性は十分にある。
しかしながら、この作品については是非映画版を見てみたいと願ってしまう。
それだけ読み進めながら、自分の頭の中で景色を思い描いてしまったのだ。
2000年頃という時代に描かれた作品だが、現代で表現されたらどうなるだろうか。
物語の書かれた時代的にスマホは当然出てこないが、それでも違和感なく読み進められた。
続編として「上海編」もあるらしい。これも是非読んでみたいと思う。
当たり前であるが、良い作品に出会うと本当に心が躍る。
今これからの時代では、小説すらAIが書き上げてしまう。
もしかするとそんなAI小説でも感動することがあるのかもしれないが、やはりそれはそれで寂しく感じてしまう。
極めて才能のある作家が身を削って生み出した作品だからこそ、心に響くのだと信じている。
文字になってしまえば、AI作でも人間作でも違いはないはずなのに、なぜかそう思ってしまう。
もしかしたら、そう期待しているだけかもしれない。
だけど人間の力を信じたい。心からそう思うのだ。
(2023/5/6) -
登場人物、場面の切り替わりが多いが、シチュエーションが独特なので「誰だっけ」ということはなくついていけた。
登場人物達が影響しあい、一つの結末につながっていく様は面白かったが、「ドミノ」というほどのカタルシスは感じなかったなあ。2も文庫化されてるようだから読んでみたい。