人間失格 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • ペンネーム:mii
    "「恥の多い生涯を送ってきました。」というセリフだけを知っており、ちゃんと読んだのはこれが初めてでした。
     葉蔵と同じように自殺未遂を繰り返していた太宰治のことを考えると、生き辛かっただろうな、頑張っていたんだろうなと、とても苦しくなりました。
     人間を人間とするものは、自分自身の捉え方ではなく周りとの繋がりそのものなのではないかなと思いました。人間失格と聞いて、最初は精神崩壊を起こしたような人をイメージしていましたが、葉蔵の言った人間失格とは、周りのように上手に生きられなかったことや、葉蔵なりの生き方が認めてもらえなかったことを指すのではないかと思いました。
     私は、葉蔵の悩みこそが人間らしいと感じました。1番最後に、「神様みたいないい子でした」というセリフを葉蔵が聞くことができれば、少しでも救われたのではないかと思いました。このセリフはきっと太宰治自身も誰かにそう思って欲しかったから出てきたのではないかと思いました。"
    青空文庫→https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/301_14912.html
    姫路大学附属図書館の蔵書を確認する→https://library.koutoku.ac.jp/opac/opac_link/bibid/SS00024985

  • 30代になり初めて読んだ。繊細すぎる主人公。神童のような一面と、自尊心の低さに大きなギャップがある。容姿が良くても、自尊心が低くては何も上手くいかないのだとわかった。外的な要因ももちろんあるかとは思うが、自ら不幸を招いているような印象を受け、とても不憫に感じた。幸せは望まなければ訪れないのだ。

  • なぜ、このタイトルをつけたのか?

    作者の、問いになってるような気がする。
    本当にこの主人公は人間失格なのか?と。

    さすが、太宰治とでも言うべきか!

    内容が重すぎて、、
    読み終えたら、1キロ痩せた気がした。

  • 主人公が想像したよりもずっと繊細というかデリケートというか、なかなかに気難しさがあって面白かったです。

  • 高校生のとき 讀書感想文の課題作品であつたが、男子校に通ふ余は葉蔵が羨ましく妬ましく、最初の方で腹を立てゝ オナニーした後、讀むのを止めてしまつた。
    幾十年振りのリベンジ再讀、よくよく見ると、緻密で巧妙、抜かりない表現と構成に脱帽した。
    それでもやッぱり葉蔵は妬ましい。
    下女に犯された...葉蔵、何歳で童貞を卆業したのだ!?
    ヤりたい放題シ放題なんだから、内縁のかかが目の前で寝取られたつて大したことなからうが。と思ひマス。

  • 今読むと自意識過剰すぎでもうギャグなのか?と思うような話でした。でもヤバいやつの小説だと思えばそれなりに面白かったです。

  • 主人公は重度のHSPだろうか。
    私も周りの感情や反応を気にしてしまうほうだから、わからないでもない。けど、この主人公は異常なほどに敏感。敏感の天才だと思った。

    そしてとても流されやすい。
    意志が弱い。

    だけど、あきらめることをしていなくて、
    人に好かれようといつも悩んでいる。
    これは生きづらいと感じた。

  • 今まで何度か挑戦したがよくわからなかった。でもやっと受け入れることができたと思う。人間の弱さ。酒に溺れ薬に溺れ。最後は脳病院に収監される。ただ、彼のことを最後に「神様みたいないい子でした」とマダムは言った。

  • 「絶望」
    彼の人生もそうだし、
    それと比較した自分の人生も。

    人間を信じられない部分は
    親近感が湧いた。ここまでではないが。

  • 流されながら、相手の出方を見て生きていく様が、私の学生の頃と同じような心情で共感するところがあった。
    自分語りでありながら、表現が豊かですらすらと読めたし、情景も浮かべられる。これが日本文学の原点なのかなとか思った。
    授業で聞くとつまんないからこうやって自分で気になって読むくらいでいいと思ったけど。
    きっと、10%20%くらいしか作家の意図だったり心情だったりが読み解けてないんだと思うけど、自分的には読み返さなくてもいいやっておもう。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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