- Amazon.co.jp ・電子書籍 (195ページ)
感想・レビュー・書評
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文才の塊だった。ただの虚言女のお話かと思って読んでいると忽ち惹き込まれてしまうから怖い怖い。
手紙の文体が流麗でかついじらしさ愛らしさが滲んでいてニクいですね。そしてよくできた少女(?)らの虚構ですが、(何と言う恐ろしい科学の力…ってところ等)つついたらボロが出るバランスも上手い。 -
『何んでも無い』『殺人リレー』『火星の女』の短編3作。
少女としては、年齢が行き過ぎているような気がするのだが、それぞれに19歳の女が主人公。
男を翻弄し、そして自分は不幸になる。
みんな最期には死を遂げている。
尋常でない言動だが恐怖心は軽い。 -
特に「何でも無い」が面白かったです。
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■何でも無い
虚言癖の女の話
■殺人リレー
悪い男を好きになってしまった女の顛末
■火星の女
裏の顔を持つ校長への復讐 -
【読了メモ】はじめての夢野久作作品でした。天才的な看護婦(についての医師の手紙)、バスの女車掌の手紙、火星の女の物語。魍魎の匣を思い出したわ…。
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ドグラ・マグラの熱さめやらず、流れで一気に読了。あーあ、はまってしまった。夢野久作。少女が生きる世界は地獄だ、という風に私はとらえた。無垢な少女時代には、本当に捉えようとしてくる魔手が多いと思う。親でも先生でも素敵な殿方でもみんな地獄の鬼でしかない。男と女のこの違いはなんだろうね?いや違いなんてないのか?女にしか生まれたことないので性差はわかりませんが、とりあえず少女が地獄を抜け出るには痛い目見て大人になるしかない。女がしたたかで恐ろしいのは、それを乗り越えた女しか生き残れないからだと思う。あー、ため息。
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久しぶりに夢野久作。タイトルのインパクトに惹かれて読んでみた。
「何んでも無い」「殺人リレー」「火星の女」いずれも19歳の少女が主人公で、共通の終わり方をする短編3作。
期待した分、狂気が足りないような感じがしましたが「虚言」や「復讐」など、多感な少女にはいつの時代も同じキーワードがあるのだと恐怖しました。 -
初の夢野久作作品。本当に様々な表現が独特で、読んでいくうちに惹き込まれていきました。ドグラ・マグラも読みたいと思います。