死後の恋 [Kindle]

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  • 2012年10月1日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 夢野久作。
    ドグラ・マグラで有名な著者。

    以下、私的メモ。ネタバレ含む。

    一人の男(自称貴族)が自らの人生の最後と言って語る。
    兵隊時代にあった『死後の恋』について。兵隊時代、男の友人は十代の青年。一族が革命軍に殺害され、嘆き悲しむ友人が、とんでもなく高貴な人物であることを知ることに。
    友人が懐に持っていたものを男に見せた。もしもの時に一族を再建するための宝石群。その存在を知り、目がくらんだ男。なぜ青年は、男に宝石を見せたのか。

    伝令の為に、斥候として組織された隊に志願する。友人も参加しており、本意では友人が戦死でもすることを願っていた。
    事件は起きた。斥候隊は男を残して壊滅。友人は死んだ。ボロボロに強姦されていた。なんと友人は女だった。最後に撃ち殺されていた。体に宝石がめり込んでいた。

    男は気付いた。自分に宝石を見せたことは、将来を共にすることを目的としていたからではないか。一族を再建するためのパートナーとして、自分を選んでいたからこそ、宝石の存在を打ち明けたのだ。
    男の『死後の恋』とは悲劇的に終わった。

    そして語り終わった後、男は血に染まった宝石を差し出し、全てを受け取ってくれと懇願する。

    その話は誰も信じないのであった。

    ロシア革命前のお話。

    信じてやってもいいと思うんだが。

    ドグラ・マグラが途中で止まっているので、そのうちに読むつもりである。

    読了。

    • 奏悟さん
      ツカチヨさん、初めまして。

      私もドグラ・マグラ途中になっている1人です。
      YouTubeの朗読でも聴いていましたが、思考が追い付かず......
      ツカチヨさん、初めまして。

      私もドグラ・マグラ途中になっている1人です。
      YouTubeの朗読でも聴いていましたが、思考が追い付かず...。

      レビューを読み、面白そうな作品だと思いました。
      こちらの内容なら読了出来そうです(^_^;)
      また、レビュー楽しみにしています。
      2021/07/12
    • ツカチヨさん
      奏悟さん

      コメントありがとうございます。
      こちらの小説は長くないので短時間で読めます。内容は重いです。裏の裏、その裏、またその裏を読...
      奏悟さん

      コメントありがとうございます。
      こちらの小説は長くないので短時間で読めます。内容は重いです。裏の裏、その裏、またその裏を読むように、登場人物の思惑を想像してしまいます。奏悟さんの本棚も参考にさせていただいてます。よろしくです。
      2021/07/13
  • 夢野久作凄い!と思った作品の一つ。
    グロくて美しくも悲しい話をある男が独白する
    その話、信じるか信じないはあなた次第。

  • 怪しくて不思議で独特で、いい意味で綺麗でないところも含めて魅力的な作品でした。

  •  ウラジオストックの元兵士(貴族出身)が語る、曰くつきの宝石を巡る怪異談。

     いくら何でもムリすぎるオチ(主人公だけでなく、同僚兵士もずっと気づかずにいるもんかね(「その人」の正体に)、いくら何でも?)(>_<)
     でもまあ、語り口が上手いから、怪しい雰囲気がとてもよく出ていてなんかゾクゾクはさせられた。
     戦場の残忍な殺戮劇は昨今のウクライナ侵攻を彷彿(>_<)。ロシア兵って昔っからこんななんだ......(´ε`;)ウーン…
     タイトルは内容とあんまり合ってない気がする。恋するミイラか何かの話を想像してしまった(>_<)
    2023/08/28
    #4450
     

  • あやしい男が語るあやしい話
    独白体形式の良さが極まってて素晴らしいです

  • だから何? て感じの話だった。
    オチの意味が分かんない。
    いや、その乞食みたいな人の話のオチは分かるんだけど、聞き手の最後の態度の意味が分かんない。
    話自体もおもしろくなかった。
    読み終わっての感想としては、ホント、『で?』だった。

  • これは文句なしの傑作だと思います。初読は前半部分の複雑さというか言い回しがしっくりこなくて進みが遅くなりますが、後半の圧倒的衝撃と描写力には恍惚と震え上がり、そこからはもうこの作品の虜です。夢野久作の複雑怪奇な話の展開とグロデスクな描写が見事にこの作品には収斂されていると思いました。最高!

  • ア"ッハハァ夢野久作ジャン!!!って声を上げてしまうくらい夢野久作だし、兎にも角にも好き。
    夢野久作が好きな人は好きだと思う。
    これは「恋」ではないんでないの、というのが私の個人的な感想である。勿論愛でもない。

  • 自分の『死後の恋』の話を信じてくれた者には
    財産を譲ると言って話し手のお話が始まり、
    最後に聞き手の日本兵は話し手の話を信じたものの、
    血濡れの宝石を受け取りたくないから
    話を信じないと主張を変えたのかなあ。
    確かな描写がないので、話し手の話は全て嘘で、
    出された宝石は明らかに偽物だったのかもしれない。

    読者の想像を委ねるための余白や、
    独特な文体は夢野久作らしさかと思った。

  • 奇妙でコミカルな印象で読み進めていたら、最後エグくてびっくりした。なんでこんな話思い付くんだ。グロくても読めてしまう不思議。

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著者プロフィール

1889年福岡県に生まれ。1926年、雑誌『新青年』の懸賞小説に入選。九州を根拠に作品を発表する。「押絵の奇跡」が江戸川乱歩に激賞される。代表作「ドグラ・マグラ」「溢死体」「少女地獄」

「2018年 『あの極限の文学作品を美麗漫画で読む。―谷崎潤一郎『刺青』、夢野久作『溢死体』、太宰治『人間失格』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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