課長 島耕作(16) (モーニングコミックス) [Kindle]

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  • 隈長総会という総会屋がハツシバと平井課長に対して強請りを仕掛けてくるという前代未聞の危険なスキャンダルに慎重かつ冷静な対応を見せる島耕作。島の毅然とした態度と的確な判断のおかげで、総会屋もなすも術なく引き下がらざるを得なかった。お見事。一人で事務所に乗り込むあたり肝っ玉が据わっているし経験豊富である。そして部下の責任を自ら負い何も聞かず一切責めなかった中沢部長と自分の顔に泥を塗られたと怒り心頭ヒステリックに部下をこき下ろした遠ざけた井上副社長との対比がより鮮明で面白かった。今回の件で将の器が誰にあるかはっきりしたんじゃないだろうか。平井課長も中沢部長に心酔したように見える。その後平井は不倫した嫁と離婚、バラバラだった家族は娘と息子とのアパート3人暮らしを始めた事によって反転いい関係を築けそうな雰囲気だ。何かを得るには何かを失わなければならないとは良く言うが本当にそうなのだろうか?また覚醒剤漬けにされた元嫁のその後の人生が気になるところではある。次に島は会長の鶴の一声でアメリカの有名映画プロデューサーをハツシバ傘下に収めたコスモス映画の副社長に迎えよと厳命され口説き落とす為タイへ向かう。変人で有名な映画プロデューサーであったが現地の運転手に雇ったソーチャムの機転により交渉は成功する。他の日本人とは違う島耕作の態度に祖父を日本人に殺されたというソーチャムの気持ちが少しだけ和らいだ。立場や常識に囚われず一人の人間として接する島耕作もやはり将の器を持つ男であると示した回だった。いよいよ次は課長時代最終巻。

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著者プロフィール

1947年山口県岩国市生まれ。早稲田大学卒業。松下電器産業に勤務の後、74年漫画家デビュー。
85年『人間交差点』(原作 矢島正雄)で第30回小学館漫画賞青年一般部門、91年『課長 島耕作』 で第15回講談社漫画賞一般部門、2000年『黄昏流星群』 で第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、03年同作で第32回日本漫画家協会賞大賞を受賞。07年には紫綬褒章を受章している。
主な作品はほかに、『ハロー張りネズミ』 『加治隆介の議』 など多数。現在は『社外取締役 島耕作』(「モーニング」)、『黄昏流星群』(「ビッグコミックオリジナル」)を連載中。

「2023年 『逢いたくて、島耕作(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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