人形はなぜ殺される (光文社文庫) [Kindle]

著者 :
  • 光文社
3.55
  • (4)
  • (11)
  • (14)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 101
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (343ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 3.5

  • 神津恭介シリーズの名作。トリックは今ではありえないものかもしれないが、その輝きは色褪せることはない。結末を知った時、タイトルにすべてが集約されるそのミステリとしての美しさに感動する。

  • 神津恭介シリーズ、評価高し▲衆人環視の中で突如消えた「人形の首」殺人現場には、無残な「首なし死体」と消えたはずの「人形の首」が▼週刊文春の東西ミステリー28位は伊達ではい。将棋で心理的探偵法なんてセリフが出たときは焦りましたが、トリックが素晴らしい本格ものの傑作。そのトリックにも落差があり大いにミスリードを楽しめる。実際には同時代を描いたわけだが、いま読むと時代背景や雰囲気がリアリティ高い。畳みかけるタイトル回収が秀逸で快感もの。手に入るものだけでも順に読んできたのでキャラの動きも納得できる(1955年)

  • この作品で特筆すべきところは人形殺人事件の特異さ、人形殺人事件が醸し出す空気だと思います。
    真犯人の隠し方や出し方、伏線の張り方も素晴らしいですが、さらにそれに拍車をかけて作品に流れる妖艶な空気があったからこそのこの作品だと思います。
    なぜ人形が殺されるのかという魅力的な謎があるのですが、それが分かれば事件も解けるのです。
    題名が素晴らしいですね。

  • 相変わらず神津さんは未然に事件を防ぎませんね笑
    事件を捜査してるけど次の事件が起きたとかでなく、まだ自分は行かなくても大丈夫とか、まだ何も起きないはずとか思ってるうちに、次の事件が起きる。
    いや、早よ行ったれや、ていつも思う。

    犯人は分かりやすかったですね。

  • 高木彬光の代表作の一つ。東西ミステリーベスト100だと新しい方では『刺青殺人事件』より順位が上だったので、どちらから読もうかなと迷って、結局デビュー作の『刺青~』を先に読み、こちらを二番目にした。

    個人的には中だるみがけっこうすごくて、どうしてこれがそんなに評価が高いのか不思議だった。助手も、なんだかやる気がないような、中盤教われるためだけに出てきたみたいだし。神津恭介もあんまりやる気がないというか、だまされないように、とか言って後手後手じゃないのと思ってしまったけれど、最後、真犯人が分かる段になったら面白かった。

    ミステリって、最後が大事なんだなあ、途中なんだかなと思っても、真相がすごければ確かにそれで納得できちゃう。第二幕の殺人のトリックは面白かった。人形が殺される意味には感心したし、まさか時刻表ものとはね。

    でも私は物語の構成としての面白さは、これは今一つだった。
    刺青殺人事件の方がぐいぐい読ませる力があったと思うな。
    これは、頑張って最後まで読んだ感じ。でも、頑張ったかいはある最後だった。

  • 古典を読もうシリーズ
    最初からおどろおどろしい世界観がすごい小説だったので、いい感じに酔わされながら読みました。
    トリックの意味(タイトルの意味)が明かされた後も分からなくて、調べてやっとわかった。確かに人形はなぜ殺される、がカギだったのなー。
    マジックの話とか、それと黒魔術との繋がりの話とかもすごく好きな領域なので楽しく読めました。オチが魔法でした~とかってなったらどうしようと思ったけどちゃんと人間ができるトリックだったしw しかし犯人は頭がおかしい。標本の話が中でも一番ゾッとした…

  • 面白く読んだけど、まあ、犯人はおおよそわかる
    細かなトリックはわからないが、最初の殺人のトリックは少しずるいというか、書いてあることのどこまでが真実かわからないし、それを言われてしまうとなんでもありになりそうな、気がして、ちょっと納得いかないかな

  • 盛り上げ方が秀逸。
    雰囲気もトリックも楽しませてもらったが、常に後手後手なのが少しもやっとする。

  • 犯人は前半にわかりますよね。第一の事件のあれも結局推理小説のお約束通りだったわけで。だいたいあの人が再登場したことが不自然すぎて、更に何度も出てくるから、あっこれはこいつ以外犯人はいないだろ、となってしまう。狂言回しみたいな人もいるから迷っちゃうけど、人を隠すにはもってこいの隠れ家も持っていることだし…。

    神津がちょっと無能っぽすぎる。一番犯人と接触しているのに…。

    でも今まで読んだ推理小説の中ではかなり無理のない方のトリックで、好感度高し。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1920年9月25日、青森県生まれ。本名・誠一。京都帝国大学工学部冶金科卒業。48年、失業中に書いた「刺青殺人事件」が江戸川乱歩の推薦で出版され作家デビューし、「能面殺人事件」(49-50)で第3回探偵作家クラブ賞長編賞
を受賞する。79年に脳梗塞で倒れるが過酷なリハビリ生活を経て再起、「仮面よ、さらば」(88)や「神津恭介への挑戦」(91)などの長編を発表。作家生活の総決算として「最後の神津恭介」を構想していたが、執筆途中の1995年9月9日に入院先の病院で死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高木彬光の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×