森崎書店の日々 (小学館文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 古書店を舞台とした、ホンワカ癒し系小説。

    恋人に裏切られたショックで気力を失い、仕事も辞めて引きこもった貴子に、叔父のサトルから電話が。サトルは神田の古本屋・森崎書店の店主。森崎書店に住み込むこととなった貴子は、冴えない風貌だが優しさ溢れるサトル愛情、神田の町やのレトロな雰囲気や小説達と触れあううちに、心の傷が癒えていく(第一話)。

    第二話は、分けを語らず突然サトルのもとを去った愛妻・桃子が突然帰ってきた話。今一共感できなかったな。訳ありな桃子の心情、同性なら理解できるのかな??って、著者も男性じゃん。

  • Kindleでおすすめとして上がってきたので読んでみた。
    舞台は神保町の古本屋・森崎書店。自身の叔父が店主であるこの書店の2階に住むことになることから話は始まる。
    叔父には妻がいたが5年前に消息不明となっていた。5年後突然帰ってきた妻であったが何だか訳アリの様子。この夫婦の間に姪である主人公が入ることで、その訳もわかり二人の間のわだかまりも溶けハッピーエンドへ…というのがざっくりとしたあらすじ。内容も悪くはないが、読書好きの自分としては、本に囲まれて過ごすその環境、また神保町という街自体が非常にうらやましいものに思えた。自分も許されるのであれば、人生で一度くらい仕事もせず時間も何も気にせず、ただ自分の好きなときに好きな本を読んで過ごしたいと切に感じた。続編もあるということなので、またどこかのタイミングで読んでみたい。

  • 彼氏にこっ酷く振られ、仕事も辞めてダラダラしてたけど、ちょっとしたきっかけで前を向くお話。古書店っていうシチュエーションだけの、ありがちなやつ。もうちょい何か欲しいような物足りなさを感じた。 「桃子さんの帰還」の方がまとまってた感じ。
    続編に期待。

  • どちらかと言えば(一緒に収録されていた)続編の「桃子さんの帰還」の方が好きだったかな。
    でも、久々に神保町の古書街に行きたくなったな。学生の頃(主に予備校生の頃……)の遊び場に。

  • 神田神保町という、世界一の古書店街を舞台に、割と地味でありながら個性的なキャラクターたちが織りなす、ハートウォーミングなストーリー。
    同時収録されている書き下ろしの「桃子さんの帰還」がセットとなってひとつの作品、と捉えるべきなのだろうなあ。

    本を読まない層は、徹底的に読まないので、おそらく主人公の貴子さんのように、東京近辺に住んでいながらも、この街に足を踏み入れることが人生において全く無い、という人も少なからずいるとは思うが、そりゃ勿体無いよなあ、と思う。

    紙の本はもう読むことはほとんどないわたしだけれど、あの街の独特の雰囲気はやはり大好きだ。

    それにしても、作品中で言及されている書籍やその作者は実際に存在するものばかりなのに、ストーリーに重要な影響を与える100円コーナーの文庫本『坂の途中』という本だけはどうやら架空の小説らしいというのがなかなか興味深い。

  • なんだかほんわかした気分になった。自分のことを慰めてもらったと思ったら、最後は桃子さんのことを癒やしてあげられてるというか。出会いは大切にしたいもんだ。

  • 恋人の裏切りにより、恋も仕事も失った主人公が叔父が営む古本屋に身を寄せることで再生されていく。
    叔母の存在もそう。
    ただ大きな事件は起きず、小さなエピソードの積み重ねでの変化が描かれる。
    そういう意味で、心沸き立つものもなかった。

  • 八木沢作品はなぜ少ないんだろうと常々思っていた所、SNSでその胸の内を知り、敢えての電子書籍。
    デビュー作品にして、このあったかさ。叔父さんが古典作品に傾倒しているのも楽しいし、主人公が本好きになっていくのも嬉しい。表紙から映像化の情報がちらつき、ちょっとモヤモヤした。

  • SNSから知って読んだ本。
    涼やかな気持ち。

  • 貴子が叔父のサトルに導かれるようにして、古書店での生活を中心に、喫茶店や神保町での経験から人間として成長していく点に、温かさを感じた。読み終えた時に心がほっとする。

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著者プロフィール

1977年千葉県生まれ。日本大学芸術学部卒業。「森崎書店の日々」で第三回ちよだ文学賞大賞受賞。同作品は映画化された。著書に「続・森崎書店の日々」「純喫茶トルンカ」「純喫茶トルンカ しあわせの香り」がある。

「2023年 『きみと暮らせば 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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