- Amazon.co.jp ・電子書籍 (29ページ)
感想・レビュー・書評
-
この作品の裏側に思想を持ち出すのはナンセンスじゃないかな。物語の内容としてはショッキングかも知れないけど、事件のきっかけとなった場面よりも夢の中の不条理さが面白いんじゃないのかな。
でもまあ、こういうのを躊躇なく書けちゃうのが、深沢七郎らしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
好きか嫌いかで言うとこの短編小説は全然好きではない。文学作品として優れているとも思わない。
けれど、言論の自由は何より大切な権利で、暴力によって委縮させられるのは全く間違っているので星を五つつけておく。
主人公と皇后?の対話のシーンは、どこかの国の革命に関する小説か戯曲で似たようなシーンがあった気がして、その質の悪いパロディではないかと思ったけれど、肝心の元ネタを思い出せない。
革命時に宮殿へ乗り込んだ労働者階級の主人公が、玉座の前で皇帝と対話するシーンのある小説または戯曲…縁があればそのうちに見つかるわね。
戦時中を生きた人が、皇室の人間なんて殺してやればいいんだと思うのは、関心できることではなくても素朴な庶民感情として理解できる。
宮内庁はこの作品に対して民事訴訟を検討したそうだけど、その動きも言論の自由の侵害だ。宮内庁がそんな動きをしなければ、死傷者までは出なかったんじゃないか。 -
む、むずかしかった…というか面白さがわからn… 文体が古いこともありますが、時代背景なんかを知らないからかもしれません。 最初の方に出てきた、“壊れた奇妙な腕時計”は何だったの?物語全体にどう影響してたの!? うーむ…
-
こんなちょろっとした作品なのに人が刺されるほどの大バトルが起きている、というのは興味深い。実際に読んでみるとわかるが、文体は読みやすくするっと読める。友人が、深沢七郎はバンドマンから作家になった人だったと言っていたが、やはりその点もよく理解できるパンクさがある。
-
昭和天皇の治世、1945(昭和20)年8月15日をめぐる諷刺。降伏をしていのちをたすけてやったのは天皇のおかげだぞという皇太后に対し、終戦になって命が助かったのは降伏するようにと周りの人が騙すように天皇に説いたからだという応答が秀逸。