シェア ―<共有>からビジネスを生みだす新戦略 [Kindle]

  • NHK出版
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感想・レビュー・書評

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  • シェアにおける事例紹介や、考え方、現在利用されている事例における背景などについて書かれている。文章の内容自体は2010年頃であるため、時代背景などの違いがあるのは否めない。ただ、現在においても参考になる考え方や、事例導入に対する参考になる部分はあると思う。何より、現在カーシェアやメルカリなどに代表される協働型社会構成において、何が大事になってくるのかについて詳しく書かれていると思う。これからの社会がどうなるのかは、予測もできないが、シェアという概念が広くなる可能性が高いのはいうまでもないのかもしれないと思った。

  • ハイパー消費の時代からコラボ消費の時代へ。競争から共創へ。この考え自体は結構前から言われているから目新しい感はない。が、問題解決ではなく問題発見とデザインが大切という主張は、自分の中では新しかった。コラボへの一歩は、まだ始まったばかり。

  • モノを個人で所有して、不要になったら使い捨てる消費生活の代わりに、ひとつのモノをみんなでシェアしあう新しい消費の形「コラボ消費」について洞察しています。

    使い捨てから脱却するように、一つのものをシェアするという考え方。

    この考えは、別に新しいものではなく、大量消費主義がはびこる以前からの古くからあるもの、としています。ただ、大量生産がすすむにつれ、シェアをする相手を見つけるコスト(面倒臭さ)よりも、モノを手に入れるコストを下回るようになったため、人々は個人主義を選ぶことになったのです。
    ところが情報技術の発達により、シェアする相手を見つけることがより簡単になりました。そして、シェアすることを貧乏くさいのではなく「かっこいい」ことにすることも可能になりました。結果、カーシェアや物々交換等などの新しい形のシェアが生まれるようになったのです。

    一目見てエコと感じられるコラボ消費のですが、著者自信はコラボ消費の環境負荷的な側面は、あくまでも副産物であると割り切っています。
    人々をコラボ消費に掻き立てる動機は「みんなで何かする」ことを美徳と捉える世代の増加であることが伺えます。

    コラボ消費を進めるために、モノづくりそのものも大きな転換が必要になります。商品を設計するデザイナーは、モノそのものだけではなく、それを共有するプラットフォーム(仕組み)までデザインすることが役割とされるようになりました。


    思うに、コラボ消費はソーシャルメディア等のWeb2.0的な情報技術がリアル世界を変えつつある例ではないでしょうか。優れたITサービスは、ネット空間にバーチャルな世界を作るものではなく、リアルな世界を反映させるものだというこっとはこれまでのSNSの成功事例が示しています。そういったリアル世界と繋がったウェブが十分な規模に発展したっことで、今度はリアル社会への反映が容易になったのではないでしょうか。

    最近はやりの断捨離にもつながるコラボ消費、自分も取り入れてみようかな、なんて思わせてくれます。
    ITが世界を変えた例を分析した価値ある一冊です。

  • FREEからの流れで

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著者プロフィール

作家、ソーシャルイノベーター。『シェア』(2010)で提唱した「共有型経済」は、タイムズ誌による「世界を変える10のアイデア」に選ばれた。2013年には世界経済フォーラムにより「ヤング・グローバル・リーダー」にも選出。ニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、WIREDなどで寄稿編集者を務めるほか、インターネットとテクノロジーを通したシェアリングエコノミーの可能性やビジネス・社会における変化についてコンサルタントや講演などを行っている。またオックスフォード大学サイード・ビジネススクールで「協働型経済」コースを教えている。

「2018年 『TRUST 世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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