オーケストラの祭日

  • 密林社
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 4571317727158

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  • プロオケでもなく、市民オケでもない、年功序列が基本の学生オケ。それこそが高音を上手く出せないことがコンプレックスのホルン奏者・佐々木祐介が過ごす三年間を過ごす場所。演奏を通して個性豊かな仲間達とふれあいを深めていく三年の間に、祐介は何を感じるのか。彼の何が、変わるのだろうか。彼らが演奏する曲と共に綴るクラシックノベル、ここに開幕。

    第15回文学フリマ会場で購入しました。すごいぞっ密林社で取り扱っているものはブクログに登録出来るんだ! サイトで何作か読んでいたのですがこのことを知りようやく本の方で読むことが…ありちゃさん遅くなってしまってすみません。しかし私はオーケストラのなんたるかを全然わかってなくて、クラシックも実はすっごい疎くて、ここに収録されてる曲のほとんどが(冗談じゃなく…)わからないという、大変底辺な読者なのでした…重ね重ねすみません。ですが最初にサイトにあるものを読んだ時も思ったのですが、元ネタの曲を知らない人でも、音楽の表現(解説とも言うのかな)が非常に抒情的で映像が浮かんでくるんですね。こういう物語でこういう感じなのかなって。文字で音楽を伝えることはすごく難しいことですが作者のありちゃさんはそれをこんなに沢山の話でやってのけているのです。尊敬します。(勿論ご本人もオケをやってらっしゃるようで、それだからこそなのですが…)
    ストーリーの方も祐介が過去のコンプレックスを抱えながらも学生オケで皆と演奏できることが楽しいんだ、好きなんだと自覚していくところは感動しましたし羨ましいなと感じたりもしました。私はこういう、皆と一緒に作り上げる芸術というものに憧れはあってもなかなか携われないものですから… 特にぶわってちょっと泣いてしまったところはずっと二番ホルンで、一番ホルンのマダムに劣等感を感じていたけれど、最後にやっとマダムの隣で吹けて楽しかったって伝えるところですね。マダムの方でも、本当は低い音を吹くのが辛くて、祐介みたいに綺麗な低音が出せるのが羨ましいし一緒に吹けるのが楽しいって伝えたところでも泣きそうになりました。うわーん、皆でつくりあげる芸術ってやっぱ素敵だー! それから沢山具体的なエピソードが入ってるわけじゃないけど、会話やちょっとした説明とかでオケのメンバーを描写するのもいいなあ。
    断片的にしか語られなかった祐介の過去が気になります。あと赤池が好きなのでそこまで出番がなかったのがちょっと惜しい。また文フリやほかのイベント会場で続きを買おうと思います。

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