新装版 瞬間移動死体 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 再読。
    昔読んだときも、はちゃはちゃしてると思った記憶がよみがえる。

  • トンデモSF設定ミステリー。
    一応、何とかなると思わせるラストだったが、1番何とかできそうな景子が、1番テレポートなんて信じなさそうで、本当に何とかなるのかと心配になる。
    主人公は結局最後まで哀れな立場なんだが、本人は作家になりたいという夢の1点を除いては幸せなんじゃないかと思う。
    ただ、乗る便は分けろよ。みんな同じ便に乗らなくても良いじゃん。

  • テレポーテーション能力を持った主人公が妻の殺害を決意するが、超能力の欠点が事件を複雑化していくミステリー。事件の真相が気になってついつい読み進めてしまったし、最終章の伏線回収は見事だった。

    評価点
    テレポーテーション能力
    →この能力一つだけで他では味わえないストーリーを演出している。テレポーテーションとだけ聞くと非常に便利で安易に完全犯罪を実行できそうであるが、欠点部分の制約が大きくてその制約をうまく利用することでストーリーが膨らんでいくところが魅力的。
    登場人物
    →登場人物が多すぎず読みやすい。容姿や性格についても丁寧に描かれていて映像を想像しやすかった。登場人物自体はそこまで多くないのに相関図自体は読み進めていくにつれてどんどん複雑化していき、各登場人物の個性の強さも相まって楽しんで読むことができた。
    終わり方
    →あとは読者の想像にお任せします、みたいな終わり方は本来あまり好きではなくきっちり説明してほしいタイプなのだが、この作品についてはきれいな終わり方だったと思う。景子に全部打ち明けたらすごい剣幕で起こるのではないかと想像しながら最終章は読み進めていたのにも関わらず結末は語られなかったわけだが、主人公の楽観という終わり方によって今後の展開が想像しやすかったというのも読書初心者には受け入れやすかったところだ。最後の一言もセンスが光る。

    疑問点
    ストーリー展開
    →ストーリーの展開に主人公がちょっと抜けている部分を使っていることにご都合を感じてしまった。最初にロスへテレポーテーションするときに自宅で酒を飲んでからステーションに移動したが、ステーションの隣の部屋で飲めばいいのでは?と頭の中で疑問に思っていた。結局事件の真相をうまく成立させるために、その発想が抜けていたという落ちだった。また、玲奈にテレポーテーションの能力を打ち明けることになった経緯についても自分しか知り得ない情報を独り言のように話しすぎてしまったが故である。

    ストーリー展開のさせ方にやや無理やり感を感じてしまったものの、最後に今までの物語がすべて一本に繋がる感覚はとても気持ちよかった。

  • 表紙がおどろしい感じなので文体も重厚かと思いきや、めっちゃ読みやすい。書かれたのはフロッピーディスクがあった時代で、携帯もまだ普及していなかったよう。主人公が持つ特殊能力だけど、色んな制限があって実用的ではないのが笑える。しかし、ミステリのトリックはよく考えられていて、犯人特定にいたらなかった…別の人も同じ能力があるのかとか色んなパターンを考えたのに。この作者の本を読むのは2作目だけど、他のも制覇したいわ。

  • この作者特有のSF設定が結構ツボです。
    主人公はテレポーテーションができるのですが、テレポーテーションにいろいろと制限があることで話を面白くしています。
    恋愛観はチョットあれだけど、ミステリーとしてはほぼ納得いく結末。
    ちなみに犯人とトリックは最後まで見破れませんでした。
    最近読んだ中では、かなり面白い部類に入る作品です。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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