好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫) [Kindle]

著者 :
  • 講談社
3.49
  • (9)
  • (14)
  • (7)
  • (5)
  • (4)
本棚登録 : 184
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (121ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 私のエッセイをこれに掲載されている「ニオモ」という短編に例えていただいたことから読み始めた訳だけど、本当に愛って、愛するって、愛されるって何だろうと沢山考えさせられて沢山泣いてしまった。好き好き大好き超愛してる、なんだよなぁ

  • 何度も何度も繰り返し読んでその奥にあるものを味わい尽くしたくなるような文体(錯覚か?)。 愛は祈りであり、物語は祈りで、小説を書くことによって何かを変える。暗闇の中で子供とも共通するテーマかな。メタ化(規定された役割に従うこと、例えば恋人、例えば戦闘員)されることのない、純粋な感情から出た言葉や物語が祈りで、柿緒以外の物語は主人公による作中作であり祈りそのものなんだろう。さらに言えば誰かの夢が世界の一部であるように、作中作も世界の一部であって、その境界線は曖昧で相互に包含関係で、全体として世界なのかも。

  • 最初読み始めたときに、独特の文体にたじろいでしまったものの、ひとつ、ふたつと編を読み進めていくうちに、物語を駆動する強烈なドライブ感に搦め捕られていた。
    どういう小説だったかと問われたら答えることが難しい本で、ただただそこに純粋な愛というものの発露があったような気がする。
    読了したとき、妻を失ったら自分はどう感じるか、どう受け止めるんだろうか。二人の間で起きた様々なことをどれだけ覚えていられるのだろうか。そんなことを考えてしまった。

  • 「誰でも知ってるのだ。 祈りには何の効果もない。 祈りとは、ただ、何かを求めていると、それをくれるわけではない誰かに、あるいは誰でもないものに、訴えかける行為なのだ。」

    「愛は祈りだ」という序文とともに、狂おしいほど好きな一文。あふれでるように圧倒的な一人称は、恋愛が圧倒的なエゴで、己をも飲み込んでいくほどだと気付かされる。でも、きれいごとばかりのそこらの恋愛小説よりも、ずっと私たちの身体を芯から揺さぶってくる。「僕」に100年分の手紙をおくる柿緒も、「本当は死なないでくれとすがりたかった」僕も、どこまでもエゴ。だからこそ混じりっけないのだ。

  • 最初戸惑う圧倒的な文字圧。そして展開の不思議さ。でも読み進めていくにつれて、愛を叫ぶばりに愛を叫んでるんだって気付く。

  • 序文が好きすぎて暗唱したい

著者プロフィール

1973年福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』など著書多数。2012年『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳、短編映画『BREAK』や短編アニメ『龍の歯医者』『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などを手掛けている。

「2015年 『深夜百太郎 入口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

舞城王太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×