好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 独特の文体。最初Kindleがバグったのかと思ってしばらく設定いじってしまった。よ、読みづれぇ〜。
    文体もそうなんだけど、たまに入る独特の擬音もちょっと苦手だったな。
    小説→現実→小説…という構成なんだろうか?文体でまず第1の壁、構成を理解するまでに第2の壁…と、なかなかハードルが高くて苦労した。もうちょい作者について調べてから読むべきでした。

  • 独特の文章のリズム感、これはナカナカ心地良い。

    句点のあとに全角スペースを入れるその文体も、慣れると読みやすく感じるから不思議なものだ。

    不条理で、ふわふわとした筆者の夢の中の繰り言を延々と聞かせれ続けているような、そんな感覚のストーリー。まあ、好みは別れるだろうなぁ。

    個人的には、もう一冊この作者の作品を読んでみたい気持ちにはなった。

    愛と死と生を理解する上でね。

  • くそー!!なんて分かりづらい恋愛小説なんだ!!それなのにラストで号泣した私はどうしたんだろう?主人公の書く小説(作中作)を読みながら想像する作業が続いた。死んだ彼女が生活の中に未だ息づいている。作り上げる小説の中にもずっと。いつか思い出に変わればいいな…なんて思わない、死んでもなお、まだ愛し終わっていない。まだまだこれから。狂気のような愛はどこまで続くのだろうか。

  • 私のエッセイをこれに掲載されている「ニオモ」という短編に例えていただいたことから読み始めた訳だけど、本当に愛って、愛するって、愛されるって何だろうと沢山考えさせられて沢山泣いてしまった。好き好き大好き超愛してる、なんだよなぁ

  • 読みづらすぎて途中で諦めた

  • 何度も何度も繰り返し読んでその奥にあるものを味わい尽くしたくなるような文体(錯覚か?)。 愛は祈りであり、物語は祈りで、小説を書くことによって何かを変える。暗闇の中で子供とも共通するテーマかな。メタ化(規定された役割に従うこと、例えば恋人、例えば戦闘員)されることのない、純粋な感情から出た言葉や物語が祈りで、柿緒以外の物語は主人公による作中作であり祈りそのものなんだろう。さらに言えば誰かの夢が世界の一部であるように、作中作も世界の一部であって、その境界線は曖昧で相互に包含関係で、全体として世界なのかも。

  • 10年以上ぶりに再読。
    昔は「熊の場所」みたいなわかりやすい物語がある方が好きだったけど、今読むとこっちもすごくいい。柿緒いいなあ。

  • 最初読み始めたときに、独特の文体にたじろいでしまったものの、ひとつ、ふたつと編を読み進めていくうちに、物語を駆動する強烈なドライブ感に搦め捕られていた。
    どういう小説だったかと問われたら答えることが難しい本で、ただただそこに純粋な愛というものの発露があったような気がする。
    読了したとき、妻を失ったら自分はどう感じるか、どう受け止めるんだろうか。二人の間で起きた様々なことをどれだけ覚えていられるのだろうか。そんなことを考えてしまった。

  • 「愛は祈りだ。僕は祈る。」という有名な、そして完璧な書き出しから始まる短編集。
    主軸となるのは病に侵され死んでしまった「柿緒」とその恋人である「治」の物語だが、その合間合間に、身体で寄生虫が増殖する難病にかかった女性とその恋人の話、夢の中で「夢の修理人」に出会い次第に夢と現実が混淆していく話、「イヴ」と呼ばれる女性とろっ骨融合(?)をして神と戦うアダムたちの話、が挟まる。これらのファンタジーチックな掌編は、作家を生業とする治が書いたものと見るのが妥当だろうという感想を見かけてああなるほどと思った。「愛する人の死を作品にすること」がテーマの一つにもなっている。治は、柿緒の死後に発表した小説のことで、柿緒を取り巻く人たちから激怒されたり愛想をつかされたりするんだけれど、でも、彼はたとえ人を殺してしまった火でも、その火に対して美しいと思うことはあるんだみたいなことを言う。それはひどく正しいことだと思う。「美というものは倫理とは別のところにあるということ、ただし批評は倫理とともにあることを僕は読む人に分かってほしかったのだ」。
    「メタ化された友達」のくだりも確かになと思うところがある。中学や高校の頃の異様に気詰まりだった人間関係はこれだったんじゃないかなと思う。「友達とはこうするもので、こうしておけば友達になれる」という規範でしか、あのときは考えられなかったし、生きてゆかれなかった。でもお互いがお互いのことを信頼できているのなら、どれだけ裏切ったって連絡を取らなかったって良かったんだ(現実的には、難しい話ではあるけれど……)。
    文体としては平易で読み易い、みたいな感想もあるけれど個人的にはやや読みにくかった。滑らかにすすむ文章ではないというか。ただそれは悪文というわけではもちろんなくて、人がふとした折に考えて、そこまで突き詰めることもなく直感的に結論を出してしまっているだろう事柄に対して、できる限り誠実に・正確に言語化しようという粘り強さとひたむきさがあるからこそだと思う。

  • 同作者では二作品目の読了。
    嵌る人は嵌るだろうなという感じの文体とリズム。
    内容について、自己認識に至る哲学的な深みをもっていると考えられるなら、面白い。そこに興味の無い人には「怪文書」に近い感じかもしれない。
    ワシは結構好き。

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著者プロフィール

1973年福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』など著書多数。2012年『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳、短編映画『BREAK』や短編アニメ『龍の歯医者』『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などを手掛けている。

「2015年 『深夜百太郎 入口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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