- Amazon.co.jp ・電子書籍 (125ページ)
感想・レビュー・書評
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「これから、テロリストが誕生するメカニズムを探る旅に出よう」
「テロリストたちが決して、特異な人間ではないことが見えてくるだろう」
キリスト教とイスラム教、原理主義・・・私たち日本人からすれば理解が難しい宗教観。
世界各地で起きる自爆テロは、何がそこまでさせるのか、いつも不思議に思うが宗教のことは
分からないし、どうせ貧困にあえぐ人がたぶらかされて、こういうやり方で死ぬように仕向けられる
のだろうと思っていましたが、本書は、一般に考えられがちなこのようなイメージを新聞記者ならではの
アプローチで取材を重ね、払拭します。
運よくこの著者(記者)と食事の席でお話しする機会があった時に、私は浅はかな思い込みで、貧困が
テロリストを生むのでは?とお聞きしたことがありますが、答えは意外にも身近にあふれている
問題であることを教えていただきました。差別だったり、人間の弱さだったり。そのことをもっと深く知ることができると思い本書を読むことにしましたが、それによって特異な人間がテロリストになるのではないことを知ることができました。誰もが陥る可能性があることも指摘されております。
本書で指摘されているように、問題が宗教に関係することではなく人間に関することであるならば、テロの根絶という大義のもとの戦争などは全く解決策になっておらず、むしろ余計に問題を大きくしているだけであることは明らか。もっと身近にある問題に目を向けることの方が実は大切で、それがテロリストの根絶、ひいてはテロの根絶につながるのではないかと考えられます。個人の力では戦争を止めることはなかなかできませんが、人間関係をよいように築く努力は誰にだってできます。詳細をみるコメント0件をすべて表示