臆病者のための裁判入門 [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
3.95
  • (3)
  • (12)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 64
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (208ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著者の知人であるオーストラリア人の方が起こした、借りたバイクでの事故に対してとった保険会社の対応(担当者が独断で自損自弁で処理したうえ、嘘をついてオーストラリア人が保険金支払いをあきらめるのを待った)をテーマに、著者が代理人となって本人訴訟を展開したルポ。民事訴訟で高裁まで争っているが、請求内容の性質からは、詐欺で訴えたら結果も違ってたのかな、とも思う。

    ヒポクラテスの誓いではないが、医療や紛争解決といった高い倫理性にもとづくことが求められる業務では、取り組む者の利潤追求は制限される。しかし、このことがインセンティブを度外視することに繋がり、ひいては制度疲弊を著しく助長する現実がある点を指摘し、著者は警鐘を鳴らしているといえる。

    民事調停の近時データや海外の民事訴訟間比較、法テラスの利用、事業別ADRの実態なども知ることができる一冊。

著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

橘玲の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×