ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~ (メディアワークス文庫) [Kindle]
- KADOKAWA (2013年2月21日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (210ページ)
感想・レビュー・書評
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AmazonUnlimitedで読了。
数年前に同シリーズの1巻目を読んで以来の読書。大学の試験が終わり、退院後のままならない身体では、図書館にも行けずに、たくさん予約した本を待ちかねる間の本を探して、あまり重いものだと辛いし、と手にしてみた。以前に読んだ時には、類似シリーズと似ていて、可もなく不可もなく…古典部シリーズよりは、遥かに面白いな、位の感想だったのだが、今回で印象が好転した。
多分、著者様が作品を書きこなれてきて、五浦くんや栞子さんのキャラがしっかり立ってきたことが、良いのだと思う。『文学少女』シリーズでは若すぎて、『古典部』では軽すぎる。文ストや文アルだと、元にゲームがあるので、文章だけから入りたい人には、ちょっと毛色が違う…ということになると、ちょうど大学生と、社会人の間という、もう子供ではないけれど、手垢の付いていない青年層で読ませるこのシリーズは、丁度いいのだろう。
本に対する飽くなき情熱や知識欲、お話に出てくる本の方を、思わず読みたくなる、その力がないと、こういうのは良くないので、2冊めにして、あ、これなら読みたい!となった。
そうして。
薄く、淡く、美しい、栞子という女性。この人は別に、そんなに扱いやすい、簡単な女性ではない。激越だし、賢いし、色々抱えている人だから、ただ守るだけ、恋するだけでは落とせないと、私は思う。下手に付き合って、別れてしまったら、意外と長く深い傷を、自分にも相手の男性にも与えるヒロインだと思う。男の人が夢想するほど、甘い女性ではないと思うのだ。
そっとしておく、という愛し方もいいと思うのだけど…。メディアワークス文庫じゃ、そんな展開は許してもらえそうじゃないし。五浦くん、これからどうするんだろう。頑張って、ね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちょっとずつ栞子と大輔の仲が深まっていくのがキュンとする笑(海での栞子の言葉はアレだけど)
古書ってことで、文学作品だけじゃなくてマンガのことも取り扱ってるのがいいなと。
作品の中で取り扱われる作品が本当に気になるところがいい! -
鎌倉の古書店・ビブリア古書堂を舞台にした、古書にまつわるミステリ。
主人公の大輔と、若い女店主・栞子のやりとりが個人的にもどかしかったりします。友達以上恋人未満の関係って奴がどうにもやきもきさせられて心臓の裏がかゆくなるような印象を持ってしまい、高橋留美子作品はだいたいそのかゆみとの戦いになりますし、椎名軽穂『君に届け』なんて「お前ら、おっちゃんがホテル代出したるからちゃっちゃとすることしてきなさい」と自分でも愕然とするほどゲッスいコメントが読んでて頭に浮かびました。
それなのに、ああそれなのに…今回は大輔の元カノが登場。心の蕁麻疹が止まりそうにありませんorz
それはさておき、今回も古書にまつわる蘊蓄を見事に料理してミステリに仕上げる、その手腕に脱帽です。
アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』についてはスタンリー・キューブリックの映画しか知らなかったのですが、最後のオチははじめの方で何となくピンと来ました。(だからといってこの話が面白くなかったわけじゃありません)
福田定一『名言随筆 サラリーマン』は、博物展で現物を見たことがあり、そのとき横にいた初老のオッサン(敢えて紳士とはいいません)がその奥様に滔々と蘊蓄を垂れていました。本作は古書の著者名・タイトル・出版社名がそのまま章のタイトルになっているので、目次でこの章のタイトルをみただけでニヤッとしてしまいました。が、モノと蘊蓄はわかっていてもミステリの持っていきようはわからず、きっちり楽しませてもらいました。
そして足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』。少し前に藤子不二雄A『まんが道』を読んだところだったので、これまた目次を見ただけでテンションアップ! 本書でテーマとなっている栞子の母の謎と、マンガ古書の評価変遷がうまく絡まった話でした。
とにかくわんこそばのように次々つるつると読んでしまいます。気がついたら第3作をポチってました。 -
日常の謎。人は死なないが後味の悪い終わり方が多い。しかし、後味が悪いといっても美味い珈琲を読んだような、その苦みが心地よい満足感がある。
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ビブリア古書堂シリーズ2
古書にまつわる謎を解く栞子さんと
店員の大輔
少しずつ距離が縮まってきてほわほわする(笑)
栞子さんの母親の謎。 -
数年ぶりに読み返しました。最終巻まで読んだため、なんとなくの結末はわかっていたのですが、2巻の記憶は全くなく…笑
すいすい読み進めることが出来て気軽に読むことができます。3巻も読みます。 -
時計仕掛けのオレンジを読みたくなった。体質の設定は必要だったのかな?
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~栞子さんと謎めく日常~というサブタイトルのように、第3話の中で栞子さんが語りたがらなかった、そして本人も知らなかった母親像について少しずつ明らかになってくる。
古書ひとつとっても、わかる人が手に取ると、その本の持ち主やそれにまつわることが伝わるのかぁ。
今までは古書をみても『古びた本』程度の認識しかなかったけれど、これからは何となく、本そのものや内容ではなく、それを手にしていた人のストーリーにも思いをはせてしまいそうです。 -
過去に登場した人物が出てくるのはシリーズ物ならでは。ところどころ入ってくる恋愛表現が地味に好き。