新ジュスティーヌ (河出文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んだ『ソドム百二十日』『美徳の不幸』『恋のかけひき』で、サドのことはある程度理解したつもりでいたが、とんでもない早とちりだった。
    胸糞悪いという言葉はこの作品にこそ相応しい。
    本気で吐き気を催したのは初めてかもしれない。
    これでも全体の四分の一の訳出に過ぎず、未読の狂宴が半分以上……全く底が知れない。
    ジュスティーヌの不幸な身の上を凌駕する、最大級の被害者たるジェルナンド夫人を散々いたぶり抜いて殺した直後に、霊魂不滅について長々と語らせるその計画的無神経ぶり。
    人間の深淵を覗いてみたいあなたに……。

    死んだはずのセシルが先に進むと普通に生きていたりする矛盾や、スワッピングは素より寝盗られ要素すら垣間見える先見性も、この圧倒的倒錯世界の前ではどうでもよくなる。
    まるで円環構造のような始まりと終わりだが、部分訳なので実際には別のエピソードが前後に連なっている。
    ジュスティーヌの悪夢はいつ終わるとも知れず……。

  • 駄目だ!半分と少し迄何とか読み進めたけれど、性的描写はともかくも、快楽の為に血を流す感覚が一切理解できないし、これ以上読み進めることが出来ない。

    ジュスティーヌはいきなり現れてくるし(実は以前から登場していたらしい)、いとも簡単に騙されたあげく、自分は違うと言いながら、結局現状に染まっているに過ぎない存在。価値観を全く異にする快楽者達と、犠牲になる者達との対比とその描写の中で、先を読みたいと思う気持ちを見事に削いでくれる。

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著者プロフィール

フランス革命期の貴族、小説家。代表作に『悪徳の栄え』『ソドムの百二十日』など。

「2014年 『閨房哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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