このあたりで、だいぶ展開がハードになってきましたね。
抗争やロマンスのほうも、ジェットコースター。
といってもシリーズ後半に比べたら、まだまだおとなしいものだった、と後で感じますが。
9巻あたりの秋野は、後のほうの肝の据わった秋野の片鱗がありますね。
もともと、こういう素地があったのでしょう。
それと、まだデザイナーとしては、まだOL感覚もあったんだろうけど、秋野って「組織」としての会社への熱意は、自分の信念に比べれば、薄かったように感じる。
ちなみに、子分たちの前で、人を狙って銃を撃ったのも、この巻が初めてかな?
6巻で幹部の前で撃ったのは、デモンストレーションでもあったし。
一旦、秋野と別れて、辞表を出したところで、「総長」のいわゆる「強さ」を子分たちがこの巻で見ているんだよね。
けっこう、冷酷だったりするし。
それにしても、総長を継ぐまで、極道からは身を遠ざけていたわりに、静也は、結構裏世界に通じてる。
けっこう、いやいやながら、その世界のことを知っていたんだろうな。
門前の小僧、ってやつでしょうか。
静也は、女から見るとずるいよね、って思う行動が多いけど、彼は、常に、やくざであることを引け目に思っているから、そういう意味で及び腰な一方、本当の気持ちも隠せず、なところで、行動がぶれちゃうんだろうな。
理江との付き合いも、割り切って付き合っちゃえばいいのに、いろんな意味で、優しい男だからなあ。