Science, Strategy and War: The Strategic Theory of John Boyd (Strategy and History) [Kindle]

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  • Routledge (2007年1月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (328ページ)

Science, Strategy and War: The Strategic Theory of John Boyd (Strategy and History)の感想・レビュー・書評

  • 現代アメリカ戦略に多大な影響を与えた知られざる巨人、John Boyd。
    彼が朝鮮戦争の空戦経験と教官としての経験、大学での熱力学との出会いから、E-M理論を構築、空戦技術に必要な性能から機体の諸元を逆算するという手法を持ち込み、F-15, F-16, F-18, A-10といった戦闘機、攻撃機の生みの親になり、退官。その後年金生活をしながら、講演活動を精力的に行い、軍の改革運動、米海兵隊のドクトリン改定、米陸軍のエアランドバトル構想に関与、湾岸戦争ではアドバイザーとしてホワイトハウスに召喚、砂漠の左フックの大包囲殲滅戦の構築に寄与した。一方講演活動の一環として民間人との接触も多く、晩年は企業や学者との交流も多く、OODAループの考案者として、一部ビジネスシーンでも知られることになった。しかしながら、彼のプレゼンテーション資料、一部動画は残っているものの、著作としての彼の考え方、思想は残されていない。

    Frans P.B Osingaは彼の思索の系譜や、当時の科学の進歩(ポストモダンサイエンス等)、パラダイムシフトなどの背景を追い、かつ孫子の時代に遡って数々の歴史の戦訓を紐解きながら、現代科学の変革を独自に戦略論に持ち込んだ戦略家として、もしくは実践哲学者としての新しいJohn Boyd像を描いた。また、OODAループの意思決定プロセス、モデルの引用が、単に孫子の兵法とクラウゼウィッツの批判から考え出されたモデルではなく、カオス理論、散逸構造、サイバネティクスなどの当時の科学の最先端を取り込み、かつ認知論、開放系のシステム理論を先取りした概念であり、それは当時の最先端科学者との交流の中で編み出されたものだと描いた。そして、彼のプレゼンテーション作品であるPattern of conflict, Organic design of command and control, Strategic game ? & ?, Conseptual Spiral等のスライド、彼の論理学の論文とも言えるDestraction and creationを現代の読者に分かりやすく再現して見せた。最後に彼が1997年没後もRMA, Joint vision2010, NCW, 4th Generation War などに対して、John Boydの残した作品が未だにありありと影響を与えていることの大きさを示してくれた。

    John Boydの関連本はどれも邦訳がなされていないが、できれば一番にこれの邦訳を望む。Boydの思想の一端を示す一番の良著だと思われる。

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