白鳥の歌なんか聞えない 赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫) [Kindle]
- 中央公論新社 (2002年10月10日発売)
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感想・レビュー・書評
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駆け落ち未遂の小林の言葉は真意だと思う。
「おれは、一人の女の子を見て、きれいだな、って思ったんだ。きれいだな、って。そして、それだけでもう十分だと思ったんだよ。そういう瞬間ってのがあるものなんだ。おそらくは、女の子でなくてもいい。ほんのささいなこと、ほんのちょっとしたことで、この世界のすべてに対して柔かに心を開くような時、そんな時があるんだよ……。」
多くの男はその瞬間を胸に生涯、命がけでその女の子や家族を守るようにできている。ほんとにめでたい生き物だと自分を含めて思う。年をとって嫁に煙たがられ娘に疎まれても……。薫が持つ、由美がどんなところにいても一目で見つけ出せる能力は実は好きな女の子がいる男みんなにあるんじゃないだろうか。オイラはたぶん嫁のことは見つけられる。本人はきっと気持悪がるだろうけど。そもそもこれって能力と言っていいのかな。これが発揮されることってあまりない気がするし。もし、能力を選べるなら、ちがう能力をください、っていう男だって沢山いるだろう。デフォルトでついているから世の中、上手くいくようになってるんだろうけど、最近は機能しなくなってきてるみたいだな。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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