奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 冒頭の木村さんの様子から、畑一筋のマイペースな自由人かと思いきや、エンジニア出身の職人気質、納得するまで試行錯誤を繰り返す、思考と努力の人だとわかって見方がガラッと変わった。
    経験則からだけではなく、実験を繰り返して論理的に考えるところが面白い。それだけではなく、周りの人やリンゴの木に助けられる温かい要素もあり、ドキュメンタリーとしての面白さがあった。

  • 人間も自然の産物。自然と農業を切り離すことはできない。人間は自然の恵みを分けてもらう。
    一般化されたノウハウだけでなく、目の前の人、家族や畑の作物に向かい合おう。

  • 品種改良を重ねた美味しいりんごだが、
    大きくてたくさんできるが、それは農薬のおかげ。

    難しいと言われた、無農薬のりんごが奇跡的に実り始めた。
    りんごが持つ生きる力と、木村さんの愛情と努力の成果だと思う。
    無農薬とほったらかしにしていなく、愛をもって諦めない事が大事だと感じた。

    また、上手くいかなくて家族に当たったり、人目を気にしていたが、
    りんごが成りはじめて、希望がもてたらキャバレーや、パチンコなどの
    バイトをするようになった。
    希望や目標を強くもてたら、いらないプライドを外す事ができると感じて、
    その姿勢がとっても輝いて見えた。

    とってもすばらいい!!!
    みんな読んでほしい。

  • 良い土とは人間が作るものでは無い
    自然が作るのである
    そして人間はその手助けをする
    それが農業の本来の姿

  • 木村さんの奇跡の無農薬リンゴ。ローマ字で海外の会社にカタログ請求で成功するとは、、、。ただの農家のおっさんかと思ったが実際やってる実験は科学者そのものだと思った。化学者ではないから実験対象の忌避剤は食卓のモノを総当り。一方でだからこそ成果が出たとも言えそう。あと、奇跡が起こった本なので、同じ方法で奇跡が起こるかというとそれはないように思う。木村さんは奇跡を起こしたとはいえそのバックグラウンドの苦悩を知ると、自分のどうやっても動かないバイクもしっかり研究すればなんとか動くのでは、とも思った。

  • 素晴らしい内容だった。
    無農薬のりんご栽培の話しなのに、人生の学の全てが詰まったような本だった。
    この木村さんという人は、りんごの栽培で成功したが、例えば自動車エンジニア、例えば会計士などなど、何をやっていたとしても成功したのではないか?いや成功するに決まっている!そう思えるほど、探究心に満ち満ちている。
    そして私が一番感動したのは欲が無いこと。
    これほどのどん底生活を味わいながら、高値で売ろうとはしないところ。いくらでも高く売る方法はあるはずなのにそうしない。
    そしてもう一つ。奥さんも木村さんに寄り添い続け口出しをしないところ。
    木村さんという人を周りのみんなが信じ、見守り、寄り添った。素晴らしい人の周りには素晴らしい人が集まり、結果みんなが幸せになるという方程式の様な本だった。

    成功した人と失敗した人の違いは途中で諦めなかったこと、と言うがまさにその例が木村さんのりんごなのではないか?

    木村さんのりんごを食べたい。

  • 200弱ページ、3-4時間で一気読み。その後、youtubeで木村さんのスピーチやインタビューを聞いた。
    YAMAP春山さん推しの本だったので、読んじゃいました。

    りんごの栽培は無農薬では不可能と考えられていた。
    偶然に遭遇した本、福岡正信の”自然農法”。奥さんの農薬による副作用反応。義父の無農薬栽培経験。木村さんを無農薬栽培挑戦を後押しした。

    りんごは従来から日本にあったが、最近私たちが食す甘くて大きなりんご、セイヨウリンゴはアメリカから運ばれてきた。明治政府は、欧米列強に比肩劣らない文明を築くため、納税量を高め税収を高めたいと考えていた。
    その折、アメリカからリンゴの苗木を入手し全国に配布。農民にリンゴの栽培を推奨。一時期は全国で赤い畑。しかし後に木の病気や害虫により辞退者続出。農薬が開発されて以降、栽培を継続していた農家に好機。再び、全国で赤い畑が生まれるようになる。

    青森りんご農家は農薬なしに、リンゴ栽培はあり得ないと考えていた。今でも、無農薬栽培に異を唱える農家も少なくないという。自身のこれまでの努力や、先代を否定することに繋がると考えるからだろうか。

    だれもが、簡単に無農薬での栽培ができるとは限らない。成功には、日々の観察と試行錯誤の手数に因るようだ。山で共生するドングリの木を目指すには、何が必要なのか。
    害虫が木に何をしているのだろうか。害虫の産出場のすぐ近くで、益虫が産まれる。木は葉が病気になった箇所に穴を開け落とす。木が必要とする栄養素は、視界にない土中から。台風による暴風雨にも負けない根を地中深く張り巡らす。
    ふかふかで暖かい土を作るには。菌類から鳥類まで、あらゆる生物の住処である必要がある。

    ノルウェーでのパーマカルチャーを学んだ時、植物を育てるには、とにかく良い土を作ることだと聞いた。その確認を日本でできてよかった。野菜を育てる時になったら、また読み返そう!

  • 木村さんのリンゴ無農薬栽培への情熱が、狂気のようにも感じた。
    妻子をはじめ、義理の父母にも負担を強いながらそこまでする必要があるのかと…。

    しかし、誰もやったことのない大きな事を成し遂げるには、時に狂ったようにのめり込まなくては達成できないのであろう。

    苦労に苦労を重ねて作った無農薬リンゴ、付加価値をつけてかなり高値で売れるのではと思うが、今後の農業のためにそれはしないという。

    ご自分の利益そっちのけで、無農薬栽培への情熱以上に、農業の将来も考えていることに驚かされた。
    講演会や後身の育成も熱心にされているそうで、木村さんマインドがどう農業界を変えていくのか、楽しみである。

  • p57
    だから、人間がよ、全部を持っていくから被害を受けるんではないのかと。

    p66
    明日のことで悩むのはやめて、今日という日を精一杯生きなさいとイエスは言った。

    p165
    リンゴの木は、リンゴの木だけで生きているわけではない。周りの自然の中で、生かされている生き物なわけだ。人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れてしまって、自分独りで生きていると思っている。

    p194
    自然の中には、外虫も益虫もいない。

    p210
    人間にできることなんて、そんなたいしたことじゃないんだよ。~私に出来ることは、リンゴの木の手伝いでしかないんだよ。」

    p224
    リンゴの木が、リンゴの木だけでは生きられないようにな、人間もさ、一人で生きているわけではない。私もな、自分独りで苦労しているようなつもりでいたけどよ、周りで支えてくれる人がいなかったら、とてもここまではやって来られなかった。

  • (図書館で借りた本)
    読み始めた(8月2日)〜読み終わった(8月6日)

    読んでみて、過去に放送されたNHKの番組を見たことを思い出した。〈かなり昔で微かな記憶)

    改めて本を読んでみて、色々と考えさせられた。
     庭の草むしりは必要?
     ガーデニングの肥料や農薬は必要?
     売ってる野菜・果物は安全?

    キレイに整えられている庭は不自然な作品なのかもしれない。野山に小道だけ作った状態が一番普通なのかな?
    家に小さな庭があるが、草むしりをもっとしないとと思っていたが、しないほうが良いのか?
    秋前に一度だけで良いとか?
    常識だよね?って思っていた事をひっくり返す内容だった。

     


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