BEATLESS 電子特別版 《後》 (角川書店単行本) [Kindle]
- KADOKAWA / 角川書店 (2013年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (375ページ)
感想・レビュー・書評
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アナログハックという言葉を本書で初めて知った。玩具を乱暴に扱う娘に向かって妻が、「くまさんが可哀想でしょ?」と諭すのを見て、これも一種のアナログハックだなぁと感じたのです。人の、かたちに関する感覚は思っているいじょうに強いと思うの。
法とか倫理とか経済といった社会フレームが技術の進歩に翻弄される様と、人がAIやインターフェースに対し抱く恐怖だったり愛情だったり嫌悪だったりがわりとリアルに感じられて、愉快に読めましたよっと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
SF小説後編。
戦闘シーンの迫力やヒロインの正体など読み応えのあるシーンが多かった。人ではないモノやかたちへの愛情といったテーマは重め。 -
これはラノベの怪作? それとも超ラノベ? ティーン向け小説であるかのような主人公とその妹の会話などには当初付いていけないかもしれないと思いながら読み進み、そして読了。
途中で決して離脱などできなかったのは、これがどうしようもなくSF (それも、里程標となるような優れたSF) だったから。
SFとしてとても大切なことが含まれていた。
1.シンギュラリティ、2045年問題
超高度AIがついに人類の知恵と技術を超越してしまった社会はどうなるのか。
2."人類未到産物" (造語)
人類の理解できない方法で製造された、人類に構造が理解できないモノ
3."アナログハック" (造語)
チョロい人類をその気にさせてしまう、人間とほぼ見分けが付かないヒューマノイド・インターフェース・エレメンツ(hIE、略称「インターフェース」)のかたちと振りのはたらきのこと。
しかしシンギュラリティの概念は最近広まったものでなく、ヴァーナー・ヴィンジの『マイクロチップの魔術師』からだということがググると出てくるが、その小説読んでるぞ儂。だけど1980年代に読んだときはパソコン通信のハンドルネームとの対比(原題は『真の名前』)が優先で、シンギュラリティ(技術的特異点)という観念についてはあまり気にとめなかったなぁ……。
シンギュラリティって、山を登る列車で説明されるアレがついに峠を越し切ることはないということが証明される時点なんじゃろか。自分でジョークとしてよく使う「人類には早すぎた」ってフレーズが、ついに今後消えることはありえないと証明されてしまう時点。それが来ることが分かってその諦念の裏返しでこんな小説を作者は生み出してしまったのではないかと思うとやりきれない(ほめ言葉)。 -
とても良いボーイズミーツガールでした。後半からの展開に目が離せず、時間が経つのも忘れて読んでました。
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普通の少年が美女ロボットを偶然手に入れるという、かなりアレな導入の割りにはなかなか骨太な内容ではないでしょーか
アナログハックという、形で人を惑わすと、いった表現と言うか考えた方が気に入った -
どうしても,恋愛要素の必要性がわからなかったが,全体的に非常に楽しめた.設定も良ければ,戦闘シーンの描写も素晴らしい.
アラトと合わせて一つの生き物として運用されることで,初めて超人工知能たるレイシア.人類より高度な知能に誘導され利用されることで成立する次世代生命というコンセプトが痺れる.
記憶に残る一冊だった. -
9784041102909 の電子書籍化。