楽園の瑕 終極版 [DVD]

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監督 : ウォン・カーウァイ 
出演 : レスリー・チャン  レオン・カーファイ  ブリジット・リン  チャーリー・ヤン  トニー・レオン 
制作 : ウォン・カーウァイ 
  • 角川書店 (2013年8月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988126208745

楽園の瑕 終極版 [DVD]の感想・レビュー・書評

  • ウォン・カーウァイの映像詩と理解しました。主人公とその親友は、忘れたい過去を持っていて、とても虚無的です。一方、洪七は妻を連れて武侠を目指すことで対極の生き様を示します。私には女性の顔の区別がつきにくく、また、時間軸を変えてあるので、変なところでわかりづらい気がしました。このキャストが揃うなら、「欲望の翼」の続編を残して欲しかったですね。

  • 仏典曰く          佛典有云
    旗なびかず 風なし     旗未動 風也本吹
    揺らぐは人の心なり     是人的心自己在動

    冒頭にこんな字幕が表れる。
    武俠映画の体裁を取っているけれど、この映画の本質は「揺らぐ人の心」を描くことにある。

    公開時、香港の映画館では痛快なアクションを期待した観客が途中で席を立つ事態に至ったそうだが、ブルース・リーの師、イップ・マンを主人公にした最新作の『グランドマスター』にも同じことが言えるだろう。監督はなぜ、ストレートに「これは恋愛映画ですよ!」というものを撮らずに、金庸武俠小説やイップ・マンの世界を映画の題材に選んだのだろう。
    ストレートに恋愛をテーマにした『花様年華』では、主人公の新聞記者が小説を書き始めるのだが、その内容が武俠小説だったりするので、監督が個人的に好きなだけなのか…。

    相対する2人を画面に入れず、セリフをしゃべっている人間だけを正面からアップで撮る手法は、小津安二郎を意識してのことかとも思うが、実際にはスター俳優のスケジュールが合わなくて、一緒にいなければならない場面が撮れなかったための苦肉の策?だと監督はインタビューで答えている(ウォン監督は一筋縄ではいかない人物のようなので、インタビューの言葉を額面通り受け取ってはいけないのかもしれない)。
    一応、「会話」なんだけれど、半分以上、自分に向かって言い聞かせているようなセリフが多い。
    ウォン・カーウァイ作品のセリフは、文学作品のようで、思わず書き留めておきたくなる言葉の宝庫だ。

    「この間ある女が酒をくれた
    "酔生夢死(ツォイサンモンセイ)"という
    これを飲むと過去が忘れられるそうだ
    思い出にこそ悩みの源がある
    それを忘れられれば
    新鮮な毎日が始められるのだ」

    黄に酒を勧められた欧は、

    「俺はその酒を一滴も飲まなかった
    どうしても飲めなかったのだ」

    と独白するが、1年後、「ある女」が誰なのかを知り、ついに酒を飲む。
    「この酒は彼女の冗談だったらしい。
    何かを忘れようとすればするほど心に残るものだ」

    マギー・チャンの美しさも凄いけれど、
    やはりニヒルなレスリー・チャンの美しさが際立つ。
    孤独と頽廃がこれだけ似合う俳優は、なかなかいないだろう。
    レスリー・チャンの死は、実に惜しいことだ。

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