働かないアリに意義がある<働かないアリに意義がある> (メディアファクトリー新書) [Kindle]
- KADOKAWA / メディアファクトリー (2013年5月24日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (58ページ)
感想・レビュー・書評
-
アリとキリギリスの寓話にもあるとおり、アリが働き者であることは当たり前と思っていたけれど、中には働かないアリもいるそうな。
しかも、それはただ単にサボッているわけではなく、遺伝子に組み込まれたコロニー生き残りの戦略だとか。
ひとたび有事が起こったときの予備力なのです。
その他、社会性昆虫であるアリやハチの研究を紹介している。
人間様は一人一人の生産性を上げ、効率ばかりを追求するけれど、ムシたちはもっと長~いスパンで生き残る術を獲得していたのね。
果たして、最後に生き残るのは、人間?ムシ?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間社会の働きアリの言い分を聞いてほしい。
-
最近ひねくれてトム・ルッツの「働かない」という本読んでみたりしてるのだけど、この本は生物学的にも人間社会のシステムを考える上でも面白いなーと思った。
正確には「働かないアリ」というより、「働く気はあるけど働けないアリ」のほうが正しい意味だと思う。
アリには反応閾値(はんのういきち)っていう「仕事に取り掛かる反応の速さ」が個々に違っていて、アリの巣内での仕事量に応じて「そろそろ仕事するかー」という感じで、今まで働いていなかったアリ達がぞろぞろ仕事に取り掛かっていくそう。
実は7割のアリはまじめに働かないというから、一見なまけものの集団なんだけど、働き続けて皆が疲れてしまうとアリ社会が崩壊してしまうので、この「働くことに対する反応のバラつき」が、少ない生産性でも長く社会を永続していくための合理的なシステムなんだとか。
なんでも生産性と費用対効果を求める現代社会へのアンチテーゼですね!
単純に読み物としても面白かったです。 -
人間社会はアリ社会ほど統一意思がないため、働かないアリに意義があるとは中々思えないけど、アリ社会における、バッファー的役割。働かないアリ。
非常に興味深かった。