「本当にいい会社」が一目でわかる有価証券報告書の読み方 ― 決算書だけではわからない「儲かる仕組み」はココを見る! [Kindle]

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  • プレジデント社
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感想・レビュー・書評

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  • 一目でわかる訳ではないが、経営者や営業、監査人、投資家といったそれぞれの立場で有価証券報告書を見るときの基本的な使い方が分かる。経営者の視点であれば、業績の良い会社、ノリに乗っている会社の有価証券報告書をベンチマークにして分析をしたり、監査の観点からどういったときに虚偽の報告や不正会計に発展していく可能性を読み解いたりする。結局、示される数値だけと睨めっこしても何かが分かるものではない。他社と比較したり、経年で推移を見たりした上で、その差異や変化が生じた事情をその会社のストーリーやイベントから手繰り寄せることは必要になる。ただ、数値はその時の経済合理性を裏付ける強力な証左となり、客観的に分析する鍵となる。そのことをこの本で改めて実感できたし、実際に財務諸表や決算資料を使いこなし、自社や競合他社の現状と行末を考えることに対して知的好奇心を持つことができた。

  • 有価証券報告書って何ですか?状態だった僕にとって大変ためになる本でした。
    有価証券報告書には会社の正直な情報が包み隠さず書かれていてしかもそれは一般に公開されているので、ある会社について何か知りたいときにはこの有価証券報告書を見ることが有意義であるけれども、一方で有価証券報告書はA4で200ページとかの膨大な資料になるので一体どこを見たら自分が知りたい情報が書かれているかわからない、という悩みを解決してくれるアドバイスがかなり具体的に載っていました。例えば営業職の人が自社の商品を買ってもらうために営業まわりをする場合、ただ闇雲に色んな企業をただまわると非効率なので、あらかじめ有価証券報告書を見てどの会社なら自社の商品をいま買ってもらえそうかを調査する方法を薦めていて、そういった事を調べるには有価証券報告書の何章の何項を見れば良い、という具体的な見方まで詳しく書かれていました。
    ただし、冒頭で、有価証券報告書は会社の正直な情報が包み隠さず載っている、と書きましたが、それはあくまで会社が隠蔽や会計の改ざんをしなかった場合の話で、会計士の細やかなチェック網をくぐり抜けて改ざんに成功した会社の有価証券報告書は信用できない場合も、かなり例外ケースですがあるそうです。
    その実例として、2010年に超悪質な粉飾決算をした末に破産した「半導体製造装置会社FOI」の当時の有価証券報告書のどこが異常だったかを紐解く場面が載っていたのですが、後で調べたところなんとびっくり、このFOIという会社を創立し粉飾をやらかした社長その人は、僕が務めている会社の元社員だったそうなんです。まぁ、優秀な会計士のチェックをくぐり抜けられるほど緻密に計算された会計書を作って大規模な粉飾をやり遂げるなんて、ある意味すごいことなんでしょうけど、身近なところにこういう人が居るんだなと思うとちょっと怖くなりました。
    (ちなみにFOIは、2009年期の実際の売上額が2億円しかなかったのに、有価証券報告書には118億円も売り上げた事にして報告していたらしいです、すごいですよある意味。)

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