§背筋が凍り付く程の退廃的雰囲気に満ちている。
一般的な「アニメファン」には旧ソ連のユーリー・ノルシュテイン監督の「話の話」やカナダNFBのノーマン・マクラレン監督の抽象アニメ(例:色彩幻想)等と並ぶイミフのアニメだろう。
しかし本編はストーリーを「解釈」しようとすれば、各自それなりに割と簡単に出来ると思う。本編は具象的な表現で観念的なのである。
私に言わせると所謂「オタク」の心象風景ではないか。
少女以外は外来者の少年兵と、魚の亡霊と猟師の亡霊しかいない廃墟の街。
少女は住民が捨て去ったマンションの一室に残されたジャムの瓶、それに僅かに残されたジャムを指ですくって舐める。この実際に有りそうな「壊れ切った」生活感が恐ろしい。
少年兵は少女が大切にしていた「たまご」を小銃で割ってしまうが、これは遠回しな一種の性表現とも取れる。
全体として心を安らげ、温める様な内容は一切持たず、背筋が凍り付く様な冷たさと不気味で救いの無い退廃的な雰囲気に満ちている。
本編を「芸術作品」であると捉えるならば、こうした面をも受け入れる、鷹揚さが鑑賞者には求められるだろう。クエイ兄弟のオブジェクティブアニメーションを知る人なら受け入れられると思う。
或いは、本編をあえて好意的に捉えるならば、現実と妄想の区別を失い、生活感をも喪失し、オトナになる事を拒絶したまま歳を重ねて行く「オタク」達を、そうした人々を主たる顧客としている監督が遠回しに批判しているともとる事も可能である。
しかし、(私では無く)私の友人は本編を「腐ってやがる!」と一言の元に喝破した。日々の暮らしに追われ、真剣に生きる人々からはこうしたストレートな評価が出る。本物の芸術と「お芸術」の違いだ。
(★の数は資料性も含めてのもの)
「天使のたまご」天野喜孝さんの画集や、アニメをずいぶん前に、見たことがあります。
とても好きな世界観です。同じ趣味嗜...
「天使のたまご」天野喜孝さんの画集や、アニメをずいぶん前に、見たことがあります。
とても好きな世界観です。同じ趣味嗜好の方がいて、嬉しいです。
画集や絵本は、たぶん阪神の震災の時、なくしてしまいました。? 今度実家で探してみます。再読したくなりました。
それでは。それでは……。
画集単体でも素敵ですよね。
徳間書店のメディアミックス路線のおかげです。
こちらこそ同好の士から声掛けいただき嬉しく思い...
画集単体でも素敵ですよね。
徳間書店のメディアミックス路線のおかげです。
こちらこそ同好の士から声掛けいただき嬉しく思います。