はつ恋(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ザ・文学的であり映画的である小説。
    普通の一般的大人として読むと、いくら激しい愛だからって色々そうはならないだろ、とか思うのは一旦置いといて俯瞰して読むべき。
    翻訳文学なのに読みやすく、自然と情景を思い浮かべて物語に入っていけるところが評価に値する。

  • 読書慣れしてないからなのかツルゲーネフの書きたかったところの本心、みたいなのを読み取りきれなかった。ただ、ストーリーとして青年の恋の恋い慕う相手ジナイーダと、ジナイーダの恋の相手が父親という歪な三角形関係は面白かった。ジナイーダの恋する前の遊びは個人的にやな感じに映った。ヴラジミールが恋に落ちた瞬間のジナイーダの足元に跪くような、描写は割と好きだった。好きになった方が負けって事ね。ツルゲーネフの勉強をして、また読み直したい。

  • この本を読んだ感想をうまく言語化できる人はそうそういないでしょう。
    そんな印象があります。

    そんな時は、他の人の感想や書評を参考にするといいと思います。
    僕の好きな作家の小川洋子さんは、ジナイーダが父親に鞭で打たれた腕にキスをする場面を少年が目撃したところをもちだして、少年の精神を一気に大人に変えてしまう圧倒的な衝撃と評したところが印象にあります。
    また、この本は、愛のみでなく、父親という絶対的な存在を精神的に克服していく少年の成長が描かれているという面も見出しています。
    この本を初めて読んだ高校生時代の小川さんは、知ってはいけない世界を覗いているような感覚になり、「この本に『はつ恋』なんてタイトルをつけてはいけない(笑)」と談笑されています。

    僕は男で24で初読しました。小川さんの書評を見てからの読了です。

    後半の展開は、少年の気持ちを計り知れず、小川さんの見方に助けてもらわないとよく分かりませんでした。
    ただ、前半のジナイーダに振り回される少年の気持ちはよく分かりました。
    これぞ本に引き込まれる感覚。見事に振り回されました。
    恋愛経験豊富な方や女性のことがよく分かる人なら違うのでしょうか。しかし、ジナイーダほど狂乱的にこちらを征服してくる女性は日本に滅多にいないようにも思います(表に出さないだけで、女性はみなジナイーダ的素養があるとしたら、やはり女は怖い笑)
    僕が結婚してから読むと感想はまた違うのでしょうね。少年を「まだそこかぁ」と見守り、あまり描かれない父親の心情を想像するようになるのでしょうか。
    また、女性から見たジナイーダってどうなのでしょうか。高飛車で女から嫌われる女なのでしょうか。それとも、彼女の征服願望に強烈に共感したりするのでしょうか。少なくとも女性から見た少年は「男ってこどもね」と一笑されるような取るに足らない存在であるに違いありません。

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