鏡の中は日曜日 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ※2008/6/8 ブログより転載

     探偵・石動戯作が殺された。

     14年前、鎌倉で起きた殺人事件、「梵貝荘(ぼんばいそう)事件」を再調査している最中での悲劇。
     梵貝荘事件・・・作家・鮎井郁介が書き上げた探偵・水城優臣が活躍するシリーズ小説のタイトルであり、未だ解決まで記されていない未完の作品。それは実際に起きた事件だった。
     水城優臣の大ファンであった石動は、未だ完結を見ない梵貝莊事件の真相を突き止めるべく調査を開始。当時の関係者を辿り行き着いた先は・・・死。

     梵貝荘事件の真相とは!?
     探偵・水城優臣とは一体何者なのか!?

     前回の殊能作品「黒い仏」でがっかりし、殊能作品を手に取ることにタメライを感じていたが、読んでみて、もっと早く読んでいればと悔恨した作品。
     ありきたりなレベルの作中作が多い中、これ本筋でもなんら遜色無い出来の「梵貝莊事件」。その梵貝莊事件の謎を解く推理、そして最後にひっくり返されるドンデンガエシ。

     綾辻行人先生の館シリーズへのオマージュ的な作品(個人的に)のようでもあり、やはり殊能は凄かった!! と言わざるを得ない作品でした。

  • 石動探偵の第3作です。「横溝正史」「ラヴクラフト」と続いたオマージュですが、今回は「館シリーズ」のようです。誰もが冒頭で察するとおり叙述トリックもので、名探偵とへっぽこ探偵の時間移動を十分楽しめます。『樒/榁』は『鏡』に引き続き読めて幸せでした。独立した中編とは知らず、仕掛けの続きがあるかもとドキドキしながら読んだことは秘密です。この一冊、再読必至の良作品でした。へっぽこは、名刺がなければ探偵させてもらえなかったかもしれませんね。このシリーズ、次回で最後とは残念ですが、非常に楽しみです。(2001年)

  • 何故か読むのに時間がかかった。 「榁」が小噺っぽくて面白かった。

  • 石動戯作シリーズの第3作「鏡の中は日曜日」も読了。
    本編も同時収録の中編2作「樒/榁」も過去と現在が鏡写しのような構成になってた。本編の土台を揺るがすようなどんでん返し、好きなやつでした

  • どっちかというと樒/榁の方が好みかも。
    ここくらいまでくるとキャラクター小説的に石動戯作が好きになっていることに気がつく。

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著者プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

「2022年 『殊能将之 未発表短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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