稲盛和夫の実学 (日本経済新聞出版) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 意外と良かった。

    会計の本ということで、難しくてさっぱりわからなかったら、どうしようと思いながら手に取りました。

    結果、会社の経営も家庭と同じで嘘のない、透明性のある、人として正しいことを正しく実行することが大切だとわかりました。

    特に終盤の会社経営者のリアルな悩みと著者の質疑応答が読み応えあり。

    興味のある方にはオススメです♪

  • 自分で物を売る経験が効果的な実習という考えに納得し、そのつもりで考えていきたい。理想の状態を具体的にイメージして取り組みたいと思った。

  • ■ひとことで言うと?
    売上↑&経費↓ → 経済的「価値」=「利益」の創出

    ■キーポイント
    - 会計=会社の状況を把握する指標
    - リアルタイム&実用的な数値でなければ意味が無い
    - 経営の本質
    - 売上を最大に、利益を最小に
    - 売上の最大化と利益の最小化がより多くの経済的価値を創出する
    - キャッシュベースの経営
    - 土俵の真ん中で相撲をとる
    - 1対1対応の原則
    - お金の動きと物の動きは完全に対応させる
    - 固定費の増加を警戒する
    - 値決めは経営
    - 値決めの理論で経営方針は大きく変わる

  • こんなふうに京セラを育てたのか、と感心した。会計は素人だったかもしれないけど、経営の本質をわかっている人だった。すごい勢いで大きくなる企業の舵取りはかなり難しかったと思うし、続けるための人を育てるのも大変な事なのに、会計を真摯に学び、危機管理も当然しっかりやり、大企業にした。まあ、大災害もなく、幸せな時代だったのだけれど、それにしてもワクワクする本だった。アメーバ経営とかうまいネーミング。そして、やはりアイディアが豊かな人だったのだと思う。読んでよかった。危機管理についてもよくわかります。

  • - 会計に基づく経営という哲学を分かりやすく語る本。ただ、アメーバ経営の方で良かったかな。
    - ***
    - たとえ、実務上の常識がそうであったとしても経営や会計の原理原則に従えば、有税であっても償却すべきである。六年でダメになるものを十二年で償却したら、使えなくなっても償却を続けることになる。すなわち実際に使っている六年間は償却が過小計上されており、その分があとの六年へと先送りされていることになる。  「発生している費用を計上せず当面の利益を増やす」というのは、経営の原則にも会計の原則にも反する。そんなことを毎年平然と続けているような会社に、将来などあるはずがない。
    - 経営において値決めは最終的に経営者自らが行わなければならないほど重要な仕事なのである。
    - 私がよく使う言葉に「土俵の真ん中で相撲をとる」というものがある。土俵際ではなく、まだ余裕のある土俵の真ん中で相撲をとるようにする、という意味である。  土俵際に追いつめられ、苦し紛れに技をかけるから、勇み足になったり、きわどい判定で負けたりする。それよりも、どんな技でも思い切ってかけられる土俵の真ん中で、土俵際に追い込まれたような緊張感を持って勝負をかけるべきだ、ということである。
    - 投機というのは、「ゼロサムゲーム」と言われるように、基本的に誰かがほかの者の犠牲の上に利益を得ることである。だから、もし投機的な利益を得たとしても、それは世の中に対して新たに価値を創り出したことにはならない。本当の経済的価値、すなわち人間や社会にとってプラスになるような価値は、投機的活動によって増加するわけではないのである。  企業の使命は、自由で創意に富んだ活動によって新たな価値を生み出し、人類社会の進歩発展に貢献することである。このような活動の成果として得られる利益を私は「額に汗して得る利益」と呼び、企業が追求するべき真の利益と考えている。
    - 使う分だけを当座買いするから、高く買ったように見えるが、社員はあるものを大切に使うようになる。余分にないから、倉庫も要らない。倉庫が要らないから、在庫管理も要らないし、在庫金利もかからない。これらのコストを通算すれば、その方がはるかに経済的である。
    - このように人の心は大変大きな力も持っているが、ふとしたはずみで過ちを犯してしまうというような弱い面も持っている。人の心をベースにして経営していくなら、この人の心が持つ弱さから社員を守るという思いも必要である。これがダブルチェックシステムを始めた動機である。だから、これは人間不信や性悪説のようなものを背景としたものでは決してなく、底に流れているものは、むしろ人間に対する愛情であり、人に間違いを起こさせてはならないという信念である。

  • 借金ゼロ経営が最高
    アメーバ経営で各事業部が売価を持つようにして市場を意識させる
    固定費の増大に気をつけろ
    まずは営業利益を出すことを念頭に、土俵の真ん中で相撲を取ろう

  • 2023/11
    稲盛さんが哲学を説く際に実際どう動けば良いかという声が多かったため、その声を本にしている。
    基本は企業経営する上での会計の重要性を説く本。

    「生き方」の稲盛イズム、思想をベースにしつつ、対応方針が具体的に書かれている。

    同じように経営するのはよほどの覚悟がないとできないし、常識はずれな考えであることもわかる。
    借金しないとか、企業情報公開しまくるとか、原価計算の方法など。

  • 簿記の仕組みが理解できなかった頃、この書の収益と費用の1対1の原則を読んでその理解が進んだ。簿記が理解出来ない人は、解法の解説に重点を置く資格本から一旦離れてこの書を読むといいかもしれない。息抜きにもなると思う。

    ただ超入門用という訳ではなく、簿記3級はなんとなく受かったけど、次のレベルに行くのにはまだ心許ないという人にとって良い書になると思う。

  • 実に的を得た会計の本。

    ・会計上の利益から始めてキャッシュフローを考えるのではなく、いかにして経営そのものをキャッシュベースにするかを中心に置く。
    ・一対一の対応を貫く。
    ・予算制度は合理的か、経費ばかり達成する予算制度は要らないのでないか。当座買いを徹底する。
    ・ダブルチェックで不正を防止することで社員を守る。

  • 「財務諸表を読む技術わかる技術」でキャッシュフロー経営の本だと紹介されていたので読んだ。

    普段関わっている業界と違うのですべての話に実感を持って読めた訳ではないが、従来のやり方にとらわれずにどういう仕組みが必要なのかを考え、利益を大きくし人に罪を背負わせないための原則に厳密に従う姿勢がよく伝わった。

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著者プロフィール

1932年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長に就任。84年、第二電電(現KDDI)を設立し、会長に就任。2001年より最高顧問、2010年には日本航空会長に就任する。代表取締役会長、名誉会長を経て、15年より名誉顧問となる。84年、稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。2022年8月逝去。その他著書に、『稲盛和夫の実学』『アメーバ経営』『稲盛和夫のガキの自叙伝』『高収益企業のつくり方』『人を生かす』『従業員をやる気にさせる7つのカギ』『成功への情熱』『生き方』等がある。

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