刑事部屋 (角川文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 【134冊目】超絶おもしろかった!ぜひ皆さんに読んでもらいたい!元・警視庁警部補による短編連作。泣かせたり笑わせたりするような小説じゃない、しかも全く無名の小説なのに★5つの評価をしてしまった!それは自分が働き始めたときのことを思い出すからなのかもしれないな。
    主人公の片岡は、来たくもない刑事課に補欠として異動させられてしまう。刑事の世界を斜に構えてみていた片岡だったけど、刑事部屋のアクの強い刑事たちにちょっとずつ影響されていく……という話。
    この「ちょっとずつ」しか影響されないっていうのがミソ!いわば「千と千尋の神隠し」の味わいがある警察小説だね。「千と千尋」について宮﨑駿監督が言うには、この世にはスーパーヒーローみたいな人はほとんどいなくて、世の中が大きく変わるっていうこともほとんどない。だから、むしろ、昨日まで不平不満でいっぱいだった自分が変わることで、世の中もちょっと良くなったように見えるもの、ということだそうなのです。
    この小説も、派手な事件は一切起こらないし、スーパー刑事みたいのも一人も出てこない。だけど、細部にこそ神は宿る、名もない普通のおじさん・おばさんが世の中を回しているっていう世の中の常識がぎっしり詰まっている作品。NHKあたりでドラマ化して欲しい!

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