死刑執行人の苦悩 (角川文庫) [Kindle]

著者 : 大塚公子

• KADOKAWA (2001年11月9日発売)

感想・レビュー・書評

[いたち野郎さんの感想 · 2017年5月24日]

これはあくまでインタビュー＆ノンフィクションてことなんだけども、社会的にどういった位置の人が死刑執行をやらされるか、という視点がもっと深いと面白くなったかもしれませんね。本書にも少し書いてありましたが、生まれや学歴、経済的な弱者が執行者となるわけで、治安維持という名目のもとそこには差別構造があるってわけです。手を汚す仕事は、下にやらせる。我々が食べるものを提供してくれる屠殺場みたいなもんですね。そこが、医療行為か人殺しかで揉める安楽死とは全く違うんじゃないでしょうか。あれ殺るのは医者だもんね。それですら相当つらいと思うけど。首吊りに失敗したら柔道技で締めて殺した、ってやべーな。