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- / ISBN・EAN: 4988111245144
感想・レビュー・書評
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フィギュア愛好家・内山健太郎(柄本佑)は真面目に暮らしていたが、突如会社からリストラされた上に恋人に逃げられ、どん底に突き落とされる。
新宿でヤケ酒をあおった勢いで奇妙な二人組の“巨乳男”、ヨッちゃんに因縁をつけてしまい、ヨッちゃんに追い回される。
息も絶え絶えに逃げる内山が歌舞伎町の廃墟ビルの一室に転がり込むと、そこには打ち捨てられたマネキンが山のように積み重なっていた。
赤い灯りが点り異様な光景にたじろぐ内山だが、マネキンの中にセーラー服を着た美少女フィギュア(佐々木心音)があるのを見つける。
恐る恐る手を伸ばすと、そのフィギュアは心臓の鼓動はないもののまるで生きているかのようにぬくもりもやわらかさもあった。精巧な作りに感心しながらフィギュアを触るうちに、内山は安らぎを感じる。
そんな至福のときも束の間、追ってきたヨッちゃんが廃墟ビルに潜んでいたハグレヤクザ三人組と衝突し射殺され、内山も狙われる。
あわやというとき、フィギュアが動き出して内山を助けるかのように三人組に襲いかかり、ついには奪った銃で彼らを射殺する。地獄のような一夜が明け、目を覚ました内山の隣りには、件の美少女フィギュアが横たわっていた。
昨夜の地獄のような出来事の痕跡はないが、戦っているときに美少女フィギュアが負った怪我を内山が手当てした跡が残っていた。
昨夜の地獄絵図は夢だったのか現実だったのか釈然としないながらも、フィギュアを自宅へ運び込む内山。フィギュアに心音(ここね)と名前をつけ、フィギュアとの奇妙な生活を始める。
しかし、あの地獄はまだ終わっていなかった……。
「死んでもいい」で第66回キネマ旬報ベスト・テン脚本賞や第33回ギリシャ・テッサロニキ国際映画祭最優秀監督賞を受賞、ほか「ヌードの夜」「GONIN」などを世に送り出す一方、劇画家としても活躍し、男と女の情念を描き続ける石井隆監督が、1992年に発表した短編コミック『無口なあなた』を自らの手で映画化。
リストラされたウジウジしているダメ男を演じる柄本祐も魅力的だけど、フィギュアそのもののプロポーションとロリータフェイスで男の理想像であるフィギュア心音を演じる佐々木心音の魅力です。石井隆お得意のバイオレンスもたっぷりだし、ワイヤーアクションを使った格闘シーンやラブシーンもたっぷりで、石井隆監督映画の初心者には楽しめます。詳細をみるコメント0件をすべて表示