意思決定のための「分析の技術」 [Kindle]

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  • ダイヤモンド社
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  • 正しい意思決定をするためには分析が重要であること、また分析の全体像とステップを理解できた。なぜそのようなステップが必要かが具体例とともに述べられているため、納得感が高く自身の業務に引き寄せやすいのが良かった。古い書籍のため、参考になる点が少しでもあれば程度に読んでいたが、本質が押さえられた名著であり非常に参考になった。

    終章に記載された以下の文章が特に印象的だった。この書籍で学んだ手法を意識的に活用し、優れた分析を生み出していこうと思う。

    「同じような課題に対して、同じような構想もとにチームが運営されたとしても、分析能力が優れているか否か、どこまで問題の本質に迫れるかによって、結果には雲泥の差が生まれる。1つの優れた分析が生まれるか否かによって、問題解決のための具体的な実務が決定的に変わりうる」

  • ■こんな人におすすめ /月 /●●(名前)
    問題分析力を高めたい。

    ■読んだ目的
    ・カンパニーとの定例MTGで振り返りの精度を上げたい
    ・目標達成のための要因分析の精度を上げたい。

    ■業務に置き換えてどう活かすか
    課題を解決するためには、
    いろいろな方法を組み合わせて分析する必要がある。
    ①大きさを考える。
    ②分けて考える。
    ③比較して考える。
    ④時系列で考える。

    例)カンパニーとの振り返りの際、
    ①大きさを考える。
    採用全体数なのか、職種なのか、採用ポジションなのか。
    ②分けて考える。
    MECEを使って要因分析をする。
    ③比較して考える。
    ビズと比較をする、アップルツーアップルで比較をする。
    (同じポジション、同じ送信時期、同じスカウト件名、同じスカウト文面)
    ④時系列で考える。
    変曲点に着目し、兆候を読み取る。

  • これもっと読まれるべき本だな
    データ分析の時代になり、時代の方がこの本に追いついたという感じ
    機械学習テイストに編集し直しタイトルも変えたらバカ売れするのではないか
    出版社の人って本を売る気がなくてしないので密かに読もう、差がつくよ

  • 著者は元マッキンゼーの後正武氏が分析技術の理論と具体例を体系的に説明した一冊。
    
    初版は1998年で少し読みにくいが、内容に全く古さは感じず、本質的なものでした。
    まだ頭に入っていないので後何回かは読み直すだろう一冊。とりあえず復習しやすいように以下要約コピペしときます。
    
    というか6月体調不良でサボってたせいか読書ペース落ちてますね、、頑張ります。
    
    ————————————————————-
    
    本書では、「分析とは物事の実態・本質を正しく理解するための作業の総称」 としており、強調するのは、何のために分析をするのかです。
    本書には、分析とは、正しい認識と判断により、正しい対応をするためと書かれています。
    分析の目的は、正しい対応をするという 「次のアクションを明確にすること」 です。
    
    
    分析の基本は4つあるといいます。
    
    大きさを考える
    分けて考える
    比較して考える
    時系列を考える
    
    以下、それぞれについて見ていきます。
    
    
    1. 大きさを考える
    
    分析の最初のステップでは、これから分析する対象がどの程度の大きさなのかをまず把握すべきと言います。大きさを捉え、全体での意味合いをつかみます。
    
    分析ロジックの緻密さ等を論ずる前に、全体として大きさの程度・施策の利きの程度をおおまかに把握します。大きさにより重要度を判別し、優先順位に従って、あるいは大きいものだけ着手する、という考え方です。
    
    大きさを考えるとは、別の表現をすれば 「分析の全体像を把握する」 ことでもあると理解しました。
    
    分析をする際には全体を頭の隅にでも置いておかないと、ついつい小さいところに入り込んでしまいます。木の幹ではなく枝葉ばかりに目がいってしまい、ふと気づくと全体にあまり影響しないことに注力してしまわないよう注意が必要です。
    
    まず大きさを考え全体像を理解し、その中でどの部分が重要なのかを判断します。見落とさないようにしたい分析の第一ステップです。
    
    
    2. 分けて考える
    
    分析の中にある 「分」 という字は、八 (左右に分ける意味がある) と刀が組み合わさっています。1つのものを2つ以上に分け、別々にすることを表した字だそうです。
    
    分析で必ず行なうのが、要素に分けることです。分けることは分析の定石です。だからこそ、「何のために、どのように分けるのか」 の工夫が大事です。
    
    どう分けるかに唯一の正解はありません。あるとすれば、何のためにという目的に応じて分けることです。
    
    分けるときに注意したいのが、単なる知的興味からの思いつきで分解をしないことです。常に目的、つまり、何がわかれば意味のある結論を出せるのか、正しい次のアクションに結びつくのかを意識することです。
    
    目的を達成するために、どういう分け方が必要なのかを考えることです。いくらきれいに 漏れなくダブりがない MECE に分けられたとしても、その結果が有効な打ち手につながらなければ、分け方がよくないのです。
    
    分けることは、分析の重要な手段であるがゆえに、分け方が正しいか否かによって、その後の作業に要するエネルギーと成果とに大きく影響します。
    
    
    3. 比較して考える
    
    何かと何かを比較することも分析では必ず行ないます。
    
    比較をする際に考えないといけないのは、それは意味ある比較ができるかです。Appe to Apple と表現するように、そもそも比較をしてよいものなのか、同じリンゴ同士を比較しようとしているかを考えます。
    
    比較においても、何のために比べるのかの目的を明確にします。
    
    比較をすれば何かしらの違いが出てきます。その差が分析には意味のある差かどうかです。2つのリンゴを比べれば、大きさ・色・形・味などを対等な条件で比較でき、意味のある比較です。しかし、比較がリンゴとミカンであれば、そもそも比較条件の前提が違うため、比べた結果からわかることに意味はありません。
    
    本書は、比較をする際に、以下が注意点であると書かれています。
    
    できるだけ同じものを比較すること
    異なるものを比較するときは、意味がありかつ比較できる指標を探すこと
    似たもの同士を比較する場合も、同じ要素と異なる要素を正しく見分け、異なる部分の影響を勘案しつつ合理的な比較を心がける
    
    何の目的で比較するかという明確な自覚を持つことです。
    
    
    4. 時系列を考える
    
    比較の指標に用いられるのは、前年比や前月比です。過去と現在を比較し、どう変化しているかを理解しようとするものです。
    
    時系列分析の目的は、今の姿を過去という歴史に照らして把握し、将来に備えることです。分析で明らかになるのは現在と過去の違いですが、そこから未来はどうなるのかを考えることです。
    
    時系列分析のポイントとして本書に書かれていたのは、過去から現在までの傾向や全体の流れを追いつつも、そこにどのような変化が起こりつつあるかを敏感に読み取る工夫や努力をすることでした。絶対量と変化に注目する、変化の意味を考える・要因を説明する

  • 「分析」をする上で9つの切り口によるアプローチの仕方がわかる。それぞれでさらに具体的な手法や事例が掲載されているので、分析作業をする際に何度も読むことになる。

    過去分だけではなく予測技法としての『第8章「不確定/あやふやなもの」を考える』で紹介されているアンケートと回答を繰り返し情報を集約していく、デルファイ法が個人的には新しい発見だった。

  • 深い部分もあるため、じっくり読むのがおすすめ。読むたびに刺さりそうなポイントは違くなりそう

  • ある事象をいろんな切り口で分析することを網羅的に解説した良書。

    20年以上前に書かれたものは思えないほど、現在でも違和感なく通じる内容。書き方も平易なので読みやすい一冊。

  • アナリストやデータサイエンティストとしても必要なコンサルタントとしての「分析の技術」がまとめられており参考になる内容でした。

    意思決定に繋げるためのデータ分析のフレームワークだったり、どう言った視点で物事を考えれば良いのかが体系的にまとめられているのが良い内容だったと思います。

  • 「意思決定のための「分析の技術」」読了。
    分析は、物事の実態・本質を正しく理解するための作業であり、
    正しい認識・判断により正しい対応をするために行われる。
    本書は、経営学の領域において、われわれは正しく分析出来ているのか?と問題定義を行い、その体系化を試みたもの。

    事例が具体的で、じっくり読む必要があったものの、ちまたにあふれる「コンサルの問題分析なんちゃら」を10冊読むよりも、この本を10冊読んだ後に出てくる参考文献を読み進めるほうがためになる、ので来年また再読すると思う。
    分析のうち「バラツキを考える」の章の中で書いてあった、記述が特に参考になった。

    自然科学の分析と経営のための分析の一番の違いは、「経営に資するためにどの情報を得るべきか。その情報が与えられたときにマネジメントとしては何をすべきか」を追求しようとするところにある。そのため、以下のようなポイントを重視してデータを活用することで、有効な知見を得ることが出来る。
    
①バラツキのうち、あってはならない状況を指摘する
②バラツキのなかからもっとも望ましいケース(Best Demonstrated Practice)を見つけて、どのようにすればその望ましい状態を全体に広げることができるかを考えること。
※時には例外となるデータについては、例外として管理することも大事。

    ■章立てとその概要
    1. 大きさを考える
施策の対象の全体はどれくらいか、施策をすることで全体に対してどれくらいの効果が見込めるか、施策をすること事態にどれくらいのコストが必要かといった思考を持つこと。
    2. 分けて考える
市場の細分化、損益のMECE、二元にするといった手法。
    3. 比較して考える
コストギャップ分析・シェア・ソフト
    4. 時系列を考える
対前年比、というだけでは不十分。意識していないものも含め過去の戦略(打ち手と資源投入)を分析する。技術資源のインプットと、成果としてのアウトプットの比率から観測が可能。
    5. バラツキを考える
経営の視点から見ると、バラツキをいかに活かすか利用できるかを考えるのが重要。
自然科学の分析と経営のための分析の一番の違いは、自然科学がデータを絶対の与件として「そこにどのような関係や法則があるか」を探ろうとするのに対して、経営の分析は、関係や法則もさることながら、「経営に資するためにどの情報を得るべきか。その情報が与えられたときにマネジメントとしては何をすべきか」を追求しようとするところにある。
①バラツキのうち、あってはならない状況を指摘する
②バラツキのなかからもっとも望ましいケース(Best Demonstrated Practice)を見つけて、どのようにすればその望ましい状態を全体に広げることができるかを考えること。
※時には例外となるデータについては、例外として管理することも大事。
    6. プロセスを考える
公園の鳩を増やすにはどうすれば良い?→鳩の再生産のプロセスから検討する。
成鳥・つがい・営巣・卵・雛・巣立ち
※ちなみに答えは、カラスが増えて卵と雛が襲撃されるからだったので、対策はカラスを減じることだった。
会社においては、I/Oを効率的に変換する1組織であることを意識することで、組織のリデザインが可能になる。
    7. ツリーで考える
コンサルタントの世界では、「一つのものが、いくつかの下位レベルの要素に分解され、それがさらに下位の複数の要素に分岐している」状況、あるいは逆に「いくつかの諸要素が意味のある一つの事象に統合され、さらに上位の事象・概念に統合されて、全体としての一つの意義を持つ」状況を「何々ツリ」の名で呼ぶことが多い。
ロジックツリー
イッシューツリー
業務ツリー・テーマツリー
デシジョンツリー
    8. 不確実・ファジーな課題に積極的に取り組む
分析になじみにくい、「非合理的な要素」について。1〜7とは毛色が異なる。
分析しにくいものにどうロジカルに対応するかを解説する。
    9. 人間の課題に積極的に取り組む
分析になじみにくい、「意思を持った人間の課題」
    10. (終章)コンサルタント能力の全体像と分析の位置づけ
①コンサルタントとしての基本姿勢・態度
②問題解決作業を進めるためのチーム運営の能力・技術
③②を実施するためのチーム運営の能力・技術
④②、③の作業を遂行するための事実の把握・分析の手法・技術(本書の主題)
⑤変革推進のための考え方・手法


  • 当方のような若輩者には本書の裏側の文脈がよく理解できませんでした。
    役職的にはマネージャークラスの方で実務経験豊富な方が読むと、腹落ちするように思います。

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