白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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  • ジュンは霊能力者シシィのもとで除霊のアシスタントをしている。仕事は霊魂を体内に受け入れること。彼にとっては霊たちが自分の内側の白い部屋に入ってくるように見えているのだ。ある日、殺傷沙汰のショックで生きながら霊魂が抜けてしまった少女・エリカを救うことに成功する。だが、白い部屋でエリカと語ったジュンはその面影に恋をしてしまったのだった…。斬新な設定を意外なラストまで導き、ヴィジョン豊かな美しい文体で読ませる新感覚ホラーの登場。第十回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。

  • 『無味無臭』

    ついついそんな言葉が思い浮かぶ
    表題作も鉄柱も丁寧で綺麗な文章で綴られていたのは好印象

    ただ、なんだか小綺麗すぎる

    特に表題作は絵本か昔話かというくらい(いやそれは言いすぎだが、)良くない意味で作者の顔が見えない作風になっている

    もう少し作者のエゴや汚いところを作品に投下してもいいのではないかと思った

    そうでもないと
    ・語り手である主人公が人形オチ
    ・ページ数も120前後とボリュームがない

    この状態でラストの
    ・記憶を逸しても歩き続けようとするジュンの透きとおるような美しい心

    やはり前述した絵本か昔話然とした、いかにも創作の教訓的結末にしか成り下がらない

    小学校中学校の道徳の授業で読まされたその場限りの教材の中に、いったいどれどけのキラーワードがあっただろう

    本作の中から忘れられないワンワードみたいなものは自分は見つけられなかった
    もう少し作者の顔が覗く作品であったならまた違ったと思う

  • 霊が降りるところが白い部屋だ。それは私の中にある。その霊を取り付いている所から剥がして除霊するのが先生の仕事。私は先生の仕事を手伝う。私の中の白い部屋に霊を降ろして霊の話を聞いてやる。自殺した霊、殺された霊、事故死した霊。その霊の記憶が私に悪夢を見させる。最後に驚く出来事が。ホラー中編が2編。

  • 内容の面白さは勿論だが、文体の読みやすさがとても良い。
    「鉄柱」はとても印象深い話。いつまでも心に残る。自分も鉄柱があればいいと思っているのかも知れない。

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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